第2話 家族ぐるみの興味
お待たせ致しましたー
「裕司。彼女ちゃんって、なんてお名前だった?」
家族で年越し蕎麦を平らげた後に、母親の方から怜の話題を持ちかけられた。
「……どしたの?」
「父さんから……めっちゃ自慢されたのよ! 将来の孫嫁が可愛かったって!」
まだ私会ってない、と母は非常に悔しがっていた。帰省前にも、挨拶に連れて来いとは提案があったが……啓司にさらに自慢されたのか。あの七十代でもアクティブに電子機器を使いこなす祖父は、怜と裕司が特急で帰るまでに色々写真を撮ったらしい。
それを、SNSを使い、自分の娘である母に大量に送りつけたそうだ。
「ゆうにいちゃんの彼女さんー?」
妹の真衣香は初めて聞くのか、年頃のこともあり恋について色々聞きたい感じで顔を輝かせていた。
「そうよ! マイちゃんも見て!! この子!!」
「ちょ、母さん!?」
「わー! 綺麗なお姉さん!」
「俺もちゃんと見てないから見してー?」
「兄貴!?」
「父さんもー」
「父さんはとっくに見てんだろ!?」
わいのわいの……と、離れに帰っていったこちらの祖父母はともかく、小森家は基本的にアクティブだ。すぐに、裕司が母親のスマホを回収して……真衣香もだが、全員を正座させたのだ。
「ゆうにいちゃん、何で正座?」
「真衣香もはしゃぎすぎ。にいちゃんの彼女を褒めてくれたのは嬉しいけど、早く会いたいって駄々こねるのはやめて」
「だってぇ、綺麗なお姉さん……」
「俺と兄貴じゃ、遊べない部分があるのはわかるけど……遊びに来るだけで連れてこないから」
「あら、本気なのねえ? 父さんが言ってたみたいに」
「うんうん。立派になったねぇ、裕司」
「母さん達は黙ってて!!」
下手に黙らせておかないと、言いたい放題口にするからだ。すると、母の方が軽く頬を膨らませた。
「だって、それだけ裕司の本気の相手でしょー? 再来年はあんた就職だし……そのあとの事とか、考えているの?」
「たしかにそうだねー?」
真衣香もいるのに、今言えと言うのか。
真衣香はまだ十歳になったばかりなのでよくわかっていないようだが……恋人=結婚相手とも思っているだろうから……さらに目が輝いていた。
しかし……純真無垢とませた部分の境目にいる妹に、変な情報は与えたくなかった。
「その……一応」
「「「「うんうん」」」」
「就職出来たら……一緒に住もうとは……約束したけど」
「お父さん……おじいちゃん達呼んできて、祝い酒よ!! 裕司に婚約者よ!!」
「すぐ行ってくるよ!」
「気が早いって!!?」
すぐに裕司が父親を取り押さえたが、真衣香の方が呼んでくると離れの方に行ってしまったのだった。
「お前の態度で、全部本気だって理解してもらったんだ。諦めろ」
秀司にそう言われてしまい、酒盛りをひと通りした後に……裕司は怜にこの出来事を省略して伝えたのだった。
次回はまた明日〜




