表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第十二章 小森の場合⑥
47/192

第3話『手作り生春巻き』

お待たせ致しましたー

 クリスマス当日。


 それまでに、裕司(ゆうじ)(れい)のために色々準備をしたのだ。


 夕飯については、彼女はシフトの都合でまかないを食べるだろうから軽めのものを。翌日は週末なのにシフトがお互い入っていなかったため……ゆっくり寝坊することも可能だ。


 これ幸い、と夜の過ごし方に期待を高ぶらせてはいけない。怜の癒しも考えて、翌日のプランも裕司なりに考えているのだ。


 当日は、専門学校も冬休みに入ったので……思い思いに調理を自宅で進めていく。誕生日はケーキをホテルで頼んだが、今回は完全に裕司が一から手作りをした。


 チョコレートのタイプが食べたいと怜からリクエストがあったため、切り株を意味するブッシュドノエルを裕司なりに作ってみた。


 冷やす方が美味いので、先に作ってから……少し休んだ後に、裕司は適当にカップ麺で腹を膨らませてから……メインに取り掛かった。



「……前に、怜やんが食べてみたいと言ってた」



 ローストビーフを、学校でも作ったがネットやテレビでもう少し簡易的に作れる方法を知り……既に仕込んだそれを薄くスライスしていく。味見をワサビ醤油で食べたが悪くない仕上がりだった。


 ただ、今回はこれを怜に温めて食べてもらうだけでなく。



「野菜たっぷりの、生春巻き!」



 深夜の夜食にも満足して食べられる、少しお手軽料理だ。ライスペーパーも戻しが多少面倒だが……作って冷蔵庫に入れておけば、ひんやりしていて、かつ食べやすい。


 怜が店とかでもあまり食べたことがないし、バイトでのあまりものは乾いていて美味しいとはあまり思えないと言っていたからだ。


 なら、と出来るだけ美味しい生春巻きを作ってやりたいと……裕司はネットで検索をかけてこのローストビーフにたどり着いたのだ。もちろん、一種類では寂しいからエビやアボカドのやつも作ってある。他には、前にホテル側からもらって、ペーストにして冷凍にしておいたかぼちゃでポタージュ。


 ここは冷製ではなく温かいのがいいだろうから、味を整えたのを怜に食べてもらう予定。


 ここまで準備が出来、自分なりに掃除をしてみたが……半分乱雑になってしまった。けど、何もしないよりはいいと時間になったら彼女を迎えに行く。


 少し深夜に近い時間帯になったが、従業員入口に入ると……ちょうど怜がヘロヘロの状態でやってきた。



「こ〜も〜やーん……」


「お、おぅ。お疲れ様……」


「めちゃくちゃ疲れたぁ。こもやんのスペシャルディナーのためにも頑張ったぁ」


「そっか。ゆっくり帰るぜよ?」


「うー……頑張る」



 怜の歩幅に合わせて、地下鉄なども急がずに乗り継げば……帰ってきたのは、だいたい二十二時くらい。この時間だとまずは風呂に入らせてやろうと、先に沸かしておいたので軽く追い焚きにさせてから怜の背中を押してやった。



「怜やん、まずは風呂風呂。飯は逃げんから」


「うぃ……寝ないように気をつける」



 寝てしまったら、料理はともかく……裕司の覚悟が砕け散りそうになる。


 しかし、その心配もなく、裕司のパジャマに身を包んで風呂から出てきた時の怜は……並べていた料理を見て飛び上がらんばかりに喜んでくれた。

次回は16時15分〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ