表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第十一章 眞島の場合⑥
42/192

第2話 忘れてたカボチャ達

お待たせ致しましたー

 期末考査も終わり、豆腐お好み焼きこと無水お好み焼きを食べて満足した時に……(れい)は思い出したのだ。裕司(ゆうじ)も一緒に持ち帰った、あのカボチャのことを。



「こもやん、思い出したのだよ」


「何だね、怜やん?」


「キャプテン達の指示で、あちこち持ち帰ったり料理にしてもらったカボチャをだよ」


「おお! 俺も忘れていたぜよ!!」



 裕司が立ち上がったのでついて行けば、冷蔵庫の野菜室に……ドンっという効果音が似合いそうなカボチャがふたつ、そこに鎮座していたのだった。



「私があんまり料理しないから、こっちに持ってきちゃったもんね?」


「俺も最近までは料理……お好み焼き以外は適当にしてたから忘れてたわ」


「まだ大丈夫かなあ?」


「多分。……立派だし、スーパーでカットしてあるのよりはカビ生えんと、思う」


「割らないとわからない?」


「だろうねぇ」



 しかし、今から料理してもお互いに腹は満腹。デザートは入らなくないが……作るのにめちゃくちゃ時間がかかるのは、怜でもよくわかる。


 とは言っても、食材を無駄にしたくないので……怜が洗い物を担当している間に、裕司がまずはカボチャを菜切包丁で勢いよく切った。



「どーぉ?」


「ん、大丈夫。まず一個目はカビていない」


「カボチャ……煮物以外だとポタージュくらいしか浮かばんよ。お菓子だとプリンとか」


「プリンかあ……悪くはないけど、怜やんの気分は?」


「うーん? 塩っぱい系食べたのに、塩っぱいもん食べたい」


「じゃあ、あとで材料買いに行こう。下ごしらえだけは先にやるから、手伝ってもらえるかね?」


「ほうほう? 私でも出来るのかね?」


「俺がざっくり切ったのを細かくして欲しい」


「あいあいさー!」



 まったく、包丁が使えないわけではないので、任されるのであれば喜んで請け負う。洗い物を終わってから、リビングのテーブルの上で……予備のプラスチック製の薄いまな板を使い、その上でざっくばらんに転がるカボチャ達を怜は気をつけながら、3cm角くらいにカット。


 これを、ひたすらカットしていくだけでいいようだ。


 裕司の方は、塩気もいいがデザートも欲しくなるだろうとカボチャプリンに必要なカボチャを、レンジで熱を通してから裏ごしている。


 料理人を目指す彼なので、道具などは揃えるものはあるらしい。怜のように、料理が半分ズボラな人間にとって尊敬すべき相手だ。それが彼氏様であるから尚更。



「んじゃ、こっちはこれで……怜やん、どない?」


「ほいほい、もうすぐ終わる」


「俺も。……混ぜるだけなら、プリン一緒に作るかい?」


「するする!!」



 以前だったら、料理は完全に裕司任せではあったが……少しでも役に立てるのなら、一緒に作るのが楽しいのだ。お好み焼きの時は、ほんの少ししか手伝わなかったが。


 計量は裕司がしてくれたから、怜は彼に言われるままに、力を入れ過ぎないように混ぜていくのだった。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ