第2話 忘れてたカボチャ達
お待たせ致しましたー
期末考査も終わり、豆腐お好み焼きこと無水お好み焼きを食べて満足した時に……怜は思い出したのだ。裕司も一緒に持ち帰った、あのカボチャのことを。
「こもやん、思い出したのだよ」
「何だね、怜やん?」
「キャプテン達の指示で、あちこち持ち帰ったり料理にしてもらったカボチャをだよ」
「おお! 俺も忘れていたぜよ!!」
裕司が立ち上がったのでついて行けば、冷蔵庫の野菜室に……ドンっという効果音が似合いそうなカボチャがふたつ、そこに鎮座していたのだった。
「私があんまり料理しないから、こっちに持ってきちゃったもんね?」
「俺も最近までは料理……お好み焼き以外は適当にしてたから忘れてたわ」
「まだ大丈夫かなあ?」
「多分。……立派だし、スーパーでカットしてあるのよりはカビ生えんと、思う」
「割らないとわからない?」
「だろうねぇ」
しかし、今から料理してもお互いに腹は満腹。デザートは入らなくないが……作るのにめちゃくちゃ時間がかかるのは、怜でもよくわかる。
とは言っても、食材を無駄にしたくないので……怜が洗い物を担当している間に、裕司がまずはカボチャを菜切包丁で勢いよく切った。
「どーぉ?」
「ん、大丈夫。まず一個目はカビていない」
「カボチャ……煮物以外だとポタージュくらいしか浮かばんよ。お菓子だとプリンとか」
「プリンかあ……悪くはないけど、怜やんの気分は?」
「うーん? 塩っぱい系食べたのに、塩っぱいもん食べたい」
「じゃあ、あとで材料買いに行こう。下ごしらえだけは先にやるから、手伝ってもらえるかね?」
「ほうほう? 私でも出来るのかね?」
「俺がざっくり切ったのを細かくして欲しい」
「あいあいさー!」
まったく、包丁が使えないわけではないので、任されるのであれば喜んで請け負う。洗い物を終わってから、リビングのテーブルの上で……予備のプラスチック製の薄いまな板を使い、その上でざっくばらんに転がるカボチャ達を怜は気をつけながら、3cm角くらいにカット。
これを、ひたすらカットしていくだけでいいようだ。
裕司の方は、塩気もいいがデザートも欲しくなるだろうとカボチャプリンに必要なカボチャを、レンジで熱を通してから裏ごしている。
料理人を目指す彼なので、道具などは揃えるものはあるらしい。怜のように、料理が半分ズボラな人間にとって尊敬すべき相手だ。それが彼氏様であるから尚更。
「んじゃ、こっちはこれで……怜やん、どない?」
「ほいほい、もうすぐ終わる」
「俺も。……混ぜるだけなら、プリン一緒に作るかい?」
「するする!!」
以前だったら、料理は完全に裕司任せではあったが……少しでも役に立てるのなら、一緒に作るのが楽しいのだ。お好み焼きの時は、ほんの少ししか手伝わなかったが。
計量は裕司がしてくれたから、怜は彼に言われるままに、力を入れ過ぎないように混ぜていくのだった。
次回はまた明日〜




