第3話『テスト期間中のお好み焼き定食』②
お待たせ致しましたー
一枚目は……豚バラ肉を少し多めに。
食べ盛りだから二枚くらいは生地を作った。二枚目は少しカロリーを加えるからだ。片面をホットケーキよりも分厚いのでだいたい五分前後。
油と接触しているので、ジュージューと音が爆ぜる感じが食欲を掻き立てる。その間に、おかずもだが野菜がほぼないのでもう一品。
キャベツとネギは野菜だが、粉物と食べるので緑黄色野菜はもう少し必要。今日くらいはしっかり食べた方が良いと思って。
小松菜を洗って、等間隔に切り。ごま油で茎の部分を先に炒め、色が鮮やかになったらスライスした椎茸と葉を投入。これだけでもいいが他には……とすぐに冷蔵庫を開ければ、味噌汁用にと買っていた油揚げがあったので。軽くケトルの湯で湯通ししてから刻んでこれも小松菜のフライパンに。
豚バラ肉もあるが、これで良質なタンパク質を追加出来た。小松菜の方が早く出来上がるので、しんなりしてきたら味見をしつつ醤油だけで味を整える。
ここに、卵をとじるのも美味いが、今日はお好み焼きにも使ったので却下。
器に炒め物を入れたら、お好み焼きをひっくり返す。レンジで米も出来たが、まだ焼く方に時間がかかるのでそのままに。
「んで、ソース」
関西専用のお好み焼きなどに使うソースではなく。
用意したのは、ケチャップととんかつソースだ。関西圏のお好み焼き屋に行けば、テーブルとかにソースが用意されていることもあるが……市販のは少し甘めだ。
これも、父親に教わったが……ウスターソースでも悪くないがとんかつソースとケチャップのブレンドが合うのだと。
昔は何気なく食べていたが、実家を出て……外のデリバリーなどのお好み焼きを食べて知ったが、裕司としては物足りなさを感じた。
一度、メールなどで父親に聞いたら……ソースのブレンドを教わったわけである。実際、その通りだったので裕司も今の部屋で作る時は、ブレンドしているのだ。
比率は、ケチャップ多めにとんかつソースとかは軽くケチャップが浸る程度。
混ぜれば、とんかつソースの色が濃いのでそちら寄りになるが。これで、店屋物顔負けのソースとなるのだ。
タイマーが鳴ったら、念のために菜箸をお好み焼きに数カ所刺して……生焼けがないか確認してからひっくり返す。
豚バラ肉がいい感じの焦げ目をまとい、すぐにでも食べたいとツバを飲み込んでしまう。
「早く、食お」
皿にお好み焼きを乗せ、ソースと他のトッピングを載せ……米は洗い物が面倒になるから、パックのフィルムを剥がすだけ。
味噌汁とおかずもテーブルに置き、座ったら手を合わせた。
箸でお好み焼きを割れば……ふんわりと湯気が立ち、早く食えと言わんばかりに裕司の鼻を刺激する匂いを伝えてきた。
もう我慢ならない、と裕司は大きめに切ったお好み焼きにがぶりつく。
生地はふわふわ、焼き加減も上々。
ソースやマヨネーズとの相性ももちろんだが、鰹節が良い。昔はうにょうにょ揺れる感じと食感が苦手だったが……高校を過ぎる頃には克服していた。今では、粉物には欠かせないと思っているくらい。何がきっかけで克服したかはあまり覚えていない。
豚バラ肉のカリカリ部分もだが、生地が脂を吸っている部分もなかなかだ。父親にはまだ劣るが、自分で好きに作れるのがお好み焼きなのだ。
だから、二枚目は……。
「……禁断のチーズサンド!」
絶対怜も好きそうな、生地と生地の間に溶けるタイプのチーズを挟んで……ゆっくりじっくり焼くのも、またソースに合って美味いのだ。
ちなみに、米とおかずの相性はいいようがないくらい相性が良過ぎたが……メタボになるのは嫌なので、二枚目はお好み焼きと味噌汁だけにした。
次回は16時45分〜




