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第1話 秋の課題まみれ

お待たせ致しましたー

 秋も深まってきた。


 と言うのは、過ぎゆく日数でしか裕司(ゆうじ)も実は感じていない。時期も時期なので仕様がないのだ。


 脱喫煙のために、少しでもとキシリトール入りののど飴を舐めながら……目の前にある課題やら、スマホのスケジュールを少しずつこなしていく。


 専門学生の三年も終わりに近づいてきたが、今年もどうしたって高校の時のような期末試験とやらみたく、レポートとか小テスト対策をしなくてはならない。


 裕司の行っている学校は短大卒扱いにもなるため、学歴に少しでも色がつくから……多少真面目な考え方だが、きちんとしなくては就職に影響が出る。


 三年目なので、一年の時のように慌てることは減ったが……増える課題などはどうしようもない。専攻している学科の関係もあるので仕方がないのだ。それも、あと少しで終わるが。



(れい)やんとも……先週だけか?」



 彼女である怜と、極力会わないようにして大体半月が経っている。バイト先は同じホテルでも、本分は学生。


 裕司はまだいいが、あまり勉強し過ぎるのが得意じゃないらしい怜を気遣って、『テスト期間中は会わない』条例をしいたのだ。


 とは言っても、お互いのバイトはほとんど学費のために働いているので……多少はやらないと給料に響く。普通のバイトよりも時給は高めであるし、怜も昇給はしたが丸々ひと月出勤しないのは大変だそうだ。


 それは裕司も同じなので、先週偶然重なった日には少しだけまかない処で会えた。



「……疲れてそうだったな」



 大学二年生の怜だが、通ってる私立大は面白い講義がたくさんあるからと……二年まで取得出来る講義などは色々受講しているそうだ。学費にも極力響かないので、試験もレポートも多いが楽しんでいるのだとか。一限の講義の場合は早起きが大変だと去年は言っていたけれど、週末のバイトで早起きが鍛えられたのか後期の今は大丈夫らしい。


 週末は、ビジネスホテルでもウェディングの披露宴などがパーティールームで行われるので、セッティングの仕上げで朝もそこそこ早い。すべて、怜から聞いた話でしか裕司も知らないが。


 バイトもだが、私生活も裕司と一緒にいるところ以外で充実しているのなら嬉しい。テスト期間中会えないのは寂しいが、この期間を乗り越えたら怜を思いっきり甘やかしてやりたいと思っているのだ。



「……よし。これは終わって」



 のど飴の半分が溶けた頃合いに、ノートパソコンで打っていたレポートが終わった。手書きのレポートもあるが、お世辞にも綺麗とは言い難い裕司の字だとぐちゃぐちゃに見えるので……テンプレートだけ作ってパソコンで打ち込み作業にしている。手書き絶対のやつに関しては、別で下書きをして習字の清書のように気合を入れて書いていくが。



「…………腹減ってきたな?」



 キリがついたところで、 小腹以上に腹の虫が落ち着かない音を出した。今日は学校も早上がりでバイトもない日。


 帰ってきて、カップ麺を食べた以降は飲み物も満足に口にしていないくらい、課題などに集中していたのだ。


 なら、今は作業も落ち着いたので軽く何か作ろう。


 そう思って、裕司は冷蔵庫やキッチン周りを漁ることにした。

次回は16時15分〜

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