第1話 改めての懇親会
お待たせ致しましたー
結婚が決まれば……そこからは、本当にトントン拍子だったかもしれない。
会場は先に決まっていたから、プランなどの予算がどれくらい必要とか日取りについては……プランナーと交えて何度も何度も打ち合わせした。
裕司が忙しければ、怜が。逆ももちろんの事。
ドレスやタキシードもきちんと選んで。
そこまではふたりだったのだが。
実は、春を越えてから互いの両親が言い出したことがあった。
「「改めて、両家挨拶しましょう〜!!」」
と、母親同士が特に意気投合したのもあったが。
「お母さん達だけずるぅい!!」
年の離れた妹が言い出したのもきっかけで、ヴィランを使ってお披露目会をすることになったのである。
「「秀司く〜ん!!」」
当日、眞島家の年子兄弟は秀司が来たので、早速懐いていた。
「よ、久しぶり」
「あれ? お兄ちゃん、こっちのお兄ちゃん達知ってるの?」
「一度、お客さんになってもらったんだ」
「あ、はじめまして〜。眞島芽依です」
「凛です」
「小森真衣香です。……お兄ちゃん達、双子ですか?」
「ううん、年子。ギリギリ一個違いの兄弟」
「……お兄ちゃんって呼んでもいいよ?」
「わーい!」
兄弟らは兄妹らで意気投合したようだ。下手に気まずくなるよりはずっと良いが。
挨拶については、一応形だけはきちんとした後に……わざわざ中尾や都築が配膳を担当した食事会となり。
真衣香は料理が多かったからか、ほとんどを芽依らに食べてもらっていた。
「こーんな素敵なホテルで結婚式に披露宴……裕司? 今以上に怜ちゃんを大事にするのよ?」
「それはもちろん」
「弟が先に結婚かあ?」
「あら? 秀司もメアリーちゃんが院を卒業とかしたら、考えてあげなさい?」
「……まあ、そりゃ」
秀司が異常に照れたので、怜もだが全員に温かい微笑みを向けられた。
メアリーはすぐに院を卒業しないらしいが、秀司と同棲を始めたことで色々心にゆとりが持てたのか……毎日楽しいそうだ。全部、直接ではなくLIMEからのメッセージでだが。
(まあ、時間の問題でしょ?)
時期が来ればいずれ……だ。
それよりも、面白い出来事が起きようとしていた。
「凛と芽依も、ちゃんと良い子見つけんのよ? お姉ちゃんが先に結婚したからって、サボるんじゃないわよ?」
「「……へーい」」
まだ学生でも彼女がいるかどうかは聞いてなかったが、この様子だと居ないようだ。
「……弟君達、どっちかと真衣香はどう?」
「「「へ??」」」
「「母さん……」」
だからとは言え、母親の発言には全員呆れそうになった。すぐに冗談とか言ったが……芽依の方が顔を赤くしたのを裕司は見逃さなかった。
次回は16時15分〜




