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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二部弐拾壱 怜の場合⑪
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第4話 酔い覚ましから、恋のキューピッド

お待たせ致しましたー

 実に楽しいパーティーだった。


 お開きになった後に二次会など……と言われたりもしたが。


 (れい)は流石に飲み過ぎたと……一応裕司(ゆうじ)に連絡を入れた後に、途中まで一緒にいると言ってくれた(ワン)と近くの公園で酔い覚ましの風を浴びることにした。



「悪いね〜?」


「いいえー。マトーさんに何かあってはいけません」


「まあ、ね?」



 悪酔いはしてないが、少し飲み過ぎで頭がぼんやりする程度。真尋(まひろ)がサービスしてくれた、あのカルーアミルクが効いたのかもしれない。



「……何度も言いますが。おめでとーございます」


「いえいえ〜、ありがとうー」


「バイトからお世話になっていた……マトーさんだから、幸せになってほしい……デス」


「……うん」



 王は後輩ではないけれど……同期とも少し違う。


 だが、怜がヴィランにバイトとして入社してから……ずっとずっと一緒に頑張ってきた仲間だ。その言葉が嬉しくないわけがない。



「……私、も。幸せな結婚……したい、デス」


「そういや、聞かないねぇ?」


「気になる……ヒトは、います」


「ほうほう!! 誰々!?」



 気になるのも無理はない。


 仲間の幸せのためには、尽力を惜しまないものだ。怜が興味津々に聞くと……王は目をしどろもどろに動かしてから、口を開けた。



「……張……さん」


「ほうほう!」



 国は違えど、同じ外国人枠。


 となれば、研修などで一緒になることも多い。なら、親近感などが湧くのも無理がないだろう。そこから好意に発展したのかも……と。


 と、怜が聞けば……王は強く頷いた。



「とっても……優しい、デス」


「いい人材だねぇ? じゃ、じゃ! 告白は?」


「……実は、返事……待ち、デス」


「え、いつ言ったの?」


「……昨日」


「おお」



 今年の春からも一緒に仕事をするのは変わりないが、王は結構行動派だ。返事が待ち遠しいだろうが、張の気持ちを急いで聞きたいわけでもないとは思う。


 何故なら、『昨日』と口にした後に暗がりでもわかるが苦笑いしていたからだ。



「……えーと」



 とここで、何故か裕司もだが……先に帰ったはずの張まで一緒に来たのだ。


 これには、怜もだが王も発狂しかけた。



「「な、ななな!!?」」


「……ごめん。怜やん」


「……聞いてた、デス」



 驚きはしたが、すぐに怜は平静になれた。どこから聞いていたかはわからないが……王のためを考えて、怜は張を呼んで王を渡し。怜は怜で裕司の腕を掴んで、さっさと帰ることにした。



「「マトーさん!?」」


「お邪魔虫は退散〜〜」


「……頑張って」


「「コモリさん!!?」」



 邪魔者はさっさと帰るに限る。


 裕司と苦笑いしながら公園を後にして……ゆっくりと自宅に帰って行くことに。


 玄関に着いた時に、ふたりからLIMEがあったが……確認したら、ツーショットに合わせて『付き合います』のメッセージが送られてきた。



「やあやあ、恋のキューピッドだねぇ?」


「……俺も?」


「もち」



 これから色々忙しくなるが、ゆっくり歩いていこう。


 とりあえずは、ふたりで一緒にお風呂に入ったのだった。

次回はまた明日〜

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