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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二部弐拾 裕司の場合⑩
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第2話 兄との以前は

お待たせ致しましたー

 双子とは言え、二卵性だから外見もあまり似ていなかった。


 だから、優劣なども……からかいついでに色々と言われたものだ。勉学側でも、秀司(しゅうじ)には劣っていた。それなのに……高校は裕司(ゆうじ)と同じように専門学校に行った。分野はデザイン関連だったが。



(真衣香(まいか)が生まれたあたりに……ちょっとだけ協力はしたけど)



 それもほんの一時期で、今のような関係にはなれていなかった。


 それが……(れい)と出会い、心にゆとりが持てたお陰もあり。少しずつだが……兄との距離を縮めていこうと思った。結果、今のような関係を築けている。


 秀司も秀司で、メアリーという最愛の存在と出会ったお陰もあって……裕司に歩み寄ってくれたと思いたい。


 とりあえず、皐月(さつき)らの祝いの品も決まったので……時間が思ったよりも出来たため、買い出しに行こうと決めた。


 今日は怜も早上がりなので、しっかり食べようと考えていると……スーパーに入っただけで、赤とピンクの色が目に飛び込んできた。



「……ああ」



 節分も終わって、忘れかけていたが。


 もうバレンタインの季節だな、と思い出せた。皐月らとは、学生時代にスイーツバイキングに行ったあとに……自宅で津餃子を振る舞ったのだとも思い出した。



(……うーん。けど、つわり酷そうなら揚げ物は大変だろうし)



 検査入院からは、皐月も無事退院出来たそうだが……智也(ともや)がLIMEで知らせてくれた範囲だと、ほぼなんでもつわりが酷くて嘔吐を繰り返しているようだ。


 となれば、下手にバレンタインに誘うのも難しいだろう。


 怜は大勢で騒ぐのも大好きだが、ふたりで祝うのも好きな方である。


 皐月らのフォローももちろんするが、今年は怜とふたりで祝おう。そうと決まれば……夕飯などの材料以外にも、バレンタイン用に必要な材料も買うことにした。



「……バレンタイン、共同作業?」



 夕飯に油淋鶏を作って食べながら、裕司は怜に提案してみたのだ。



「そうそう。本番の日は難しいけど、別日に休み申請して……どうかな?」



 ホテル側では、バレンタインフェアをすると……中尾から業務連絡があったので、無理そうだと別日に提案したわけで。



「おー! いいねいいね!! やろやろ!!」


「お手軽に、どっしり重たい豆腐のガトーショコラの予定ぜよ」


「……豆腐でケーキ作れるのかい?」


「うむうむ。時に、怜やん。豆腐でチーズもどき作れるのは知ってるかい?」


「うんにゃ? けど、ゆーくんが言うなら手伝うー!!」


「材料は揃っているから、あとは休みだけだねー」



 豆腐の賞味期限は短いので今回は購入していないが、チョコレートは文句無しの保存が効く食品だ。


 裕司はすぐに怜と休みの日を決めて……それぞれ上司にLIMEでメッセージを送ると、シフトがちょうど決めていたところなのか、それぞれすぐに『大丈夫』との返事をもらえた。

次回はまた明日〜

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