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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二部拾玖 裕司の場合⑨
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第4話『ひと休みの豚こまカレー』

お待たせ致しましたー



「いや〜〜、ゆーくんに何にも言われてないのに。周りから『おめでとう』って言われたのには、びっくりしたよ」



 裕司(ゆうじ)(れい)は、今一緒にまかない処で休憩を兼ねた昼ご飯を食べている。


 裕司の休憩時間は、山越が中尾に連絡してくれたことで少し伸びた。山越なりの詫びのつもりだそうで。



紫藤(しどう)さんは乗り気過ぎだったけど……」



 今頃、訂正に駆け回っているだろうが……そこは自業自得なので、裕司らは間に入らない。とりあえず、今日のまかないである豚こま入りのカレーは文句無しに美味しい。



「キャプテンはイベント大好きだからね〜?」


「……大好きで片付けていい話じゃないけど」


「まあね?」



 婚約はしているが、決定的なプロポーズはまだだ。


 紫藤の時に否定した勢いで、怜には言いたくはない。


 裕司なりにも、タイミングとシチュエーションくらいはきちんとわきまえているのだ。



「……とりあえず、智也(ともや)さん達をサポートしなくちゃね」


「そだね? さっちゃんは、つわりがさっそく酷いらしいし」


「個人差あるらしいからね?」



 そこについては、男である裕司とかは想像しか出来ない。女性の日もだが、男はどうしたって共感出来ない部分が多いのだ。



「とりあえず、ゆーくん」


「ほいほい?」



 怜が彼女なりにキリッとした表情をしたので、裕司もすぐに返事をした。



「ふたりへのお祝いを考えようよ」


「おお、そうだった」



 バタバタしていたので、その考えにはすぐに行き当たらなかった。



「お包み? よだれかけ? 色々あると思うけど」


「親戚の夫婦だと……布おむつがたくさん欲しいとか、昔言ってたぜよ?」


「おむつ! そう言えば、プレゼントでケーキみたいに配置した『おむつケーキ』ってあったなあ!!」


「んじゃ、それメインで探すか?」


「コモリさん! マトーさん!!」



 案がまとまったところで、スタッフの(ワン)がダッシュしてきたのか、息切れながら入ってきた。これから出勤なのか、まだ私服だった。



「王ちゃん?」


「どしたの??」


「ご結婚……が、決まったッテ!!」


「「違うから!?」」



 紫藤がLIMEか何かで報告の連絡をしてしまったのだろう。訂正をまだされていなかったのか、王はすぐに信じてしまったようだ。


 裕司らが否定すると、まるでウサギが耳を垂れたようにしょんぼりとなった。



「……せっかく。お祝い、考えていましたのに」


「まあまあ。考えてくれたのは嬉しいよ?」


「……ハイ」



 とりあえず、王も出勤なので着替えに行った。


 裕司と怜はも、休憩時間が限られているのでカレーを食べ進めた。ルゥは業務用だと思うが、具材はしっかり煮込まれて……ルゥと混ざると市販の中辛より少し甘く感じた。


 そこに、豚こまの脂と柔らかなった肉が合わさると、胃袋にガツンとパンチされるような幸福感。


 完コピは出来ないが、今度家でも作ってみようと裕司は決めた。

次回はまた明日〜

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