第3話『義家族でロシアンたこ焼き』①
お待たせ致しましたー
たこパこと、たこ焼きパーティー。
実を言うと、怜もあまりやったことがないのだ。実家もだが、裕司と付き合い出してからも……一度か二度しかない。
年明けに一度連絡したきりの、大学からの友人である皐月とかとも一度しかしていない。
しかし、生地の下ごしらえを裕司に秀司とかに任せている間に……怜はメアリーと一緒に中身の準備をすることにした。
「ロシアンルーレットって、具体的になに?」
具材を準備しようとしていると、メアリーが怜に聞いてきた。
「ふっふっふ。メアリーちゃん、罰ゲームはわかるよね? 普通のじゃなくて、動画とかの」
「動画……最近研究メインで動いてたから、あんまり」
「ふむ。では、よろしい! 簡単に言うと、普通の具材じゃないものをたこ焼き作るときに入れて、ランダムに場所を移し替えるんだよ。んで……選んだたこ焼きを食べる仕組みなのだ」
「具材……わさびに辛子? こっち、チョコとかポテチもあるけど」
「さっちゃんが置いてった激辛ソースもあるよー!」
「……想像しにくい味だわ」
「それこそがロシアンルーレットなのだよ」
と言っても、怜もロシアンルーレットは外食を含めると片手で数える程度しかしたことがない。ましてや、自分が主催側に立つことだなんてなかった。
「生地出来たよー」
「あのみじん切りの機械なきゃしんどかったー」
生地の準備も完了と言うことで、早速パーティーの開始となるわけである。ボウルになみなみと入っているたこ焼きの生地を……事前に温めておくように言われたホットプレートに入れるわけだが、油をひかなくてはいけないので、裕司が菜箸、キッチンペーパーとサラダ油を使って……あのブラシではなく、ペーパーに油を染み込ませて箸で持ってたこ焼き用のホットプレートに油を敷いて行った。
「あのブラシみたいなもんじゃなくていいんだ?」
「頻繁にやらないしね? あと、この方が管理しなくていいからさ」
「「「なるほど」」」
ひっくり返す道具も、千枚通しのようなピックじゃなくて、竹串なのはホットプレートを傷つけないためだとか。
裕司がおたまで綺麗に生地を流し入れると、ジュワっと音が鳴るのは粉もの料理の醍醐味と言うべきか。
そして、秀司が刻んだと言うキャベツとネギ、紅しょうがも加えたら。
いよいよ、ロシアンルーレットの準備と言うわけとなる。
「ロシアンルーレットは、タコ以外の普通の具材もだけど……ロシアン……罰ゲームの意味合いも兼ねて、用意した異色の具を適当に入れるのだー!!」
「んで、焼けてくる途中で俺がランダムに入れ替えるってこと」
「テレビとか動画ではあるけど」
「面白そう! やるわ!!」
とは言え、基本的にこのたこ焼きは自分達の夕飯なので……ロシアンは最初の二回くらい。あとは、裕司が怜のリクエストで明太子や天かすなどのトッピングで仕上げる予定ではあるのだ。
次回はまた明日〜




