第2話 ストレス発散に
お待たせ致しましたー
全員借りていた服を返して着替えて。
自分らも、さあどうする……と最初は悩んでいたのだが。
「どぉりゃぁ!」
掛け声と共に、重いボウルがレーンを走り……ピンへと盛大にぶつかっていく。ピンは全て倒れなかったが、続けてメアリーが投げれば全て倒れたのだった。
そう、ここは。
「……やるねぇ、メアリーちゃん」
「ストレス発散にボウリング……」
「プロじゃないけど、アマチュアの大会には何度か参加したことあんだと」
「「へぇー!」」
現在、以前にも来たスケートリンクから少し離れたアミューズメント施設にて、ボウリングをしているわけである。主に、メアリーの父親達へのストレス発散が目的で。
「ほら、シュー達も投げなよ? 気持ちいいわよ?」
手番を終えたメアリーは、少しばかり顔つきが落ち着いている気がした。
「いやー、メアリーちゃんが上手だから。私とかなんてペーぺーだよ」
「上手い下手は気にしなくてもいいと思うけど? ボウリングは勢いが大事だもの!」
「スケートとは違って?」
「そーそー」
なら、怜もやってみようかと……かなり久しぶりだがボウルを手にして、レーンに思いっきり投げてみた。ガーターは免れたが、二回投げてもメアリーのようにスペアにはならなかった。
「うにゅぅ」
「じゃ、俺も」
裕司が投げると、ストライクだった。しかも、その後の秀司も。
「「運動神経良すぎ兄弟」」
「「そう??」」
二卵性とは言え、似ているところは似ている兄弟だと思った。
とりあえず、ひとしきりボウリングを楽しんでいくと、メアリーの鬱憤も晴れたようで……その後をどうするか、と夕飯を考えていると。
「皆でご飯作りたいわ!」
と、またまたメアリーの提案から始まりそうだった。
「……うちで?」
秀司ではなく、裕司が答えるとメアリーは強く頷いた。
「同棲は決まっても、シューの家はまだまだ片付け凄いもの? 料理人の裕司君らの家に行けば、道具とかは普通以上にあるでしょう?」
「あるっちゃあるけど……」
「メアリーちゃん、何か食べたいのあるの?」
「んー……お好み焼きも捨て難いけど。たこ焼き!!」
「「「たこパかあ……」」」
たしかに、怜らの家にあるホットプレートは付属品でたこ焼き用のプレートがあるので出来なくはないが。
メアリーに以前聞いたが、ここ最近の外国人の好きな日本食アンケートでは寿司やラーメン以外に、お好み焼きやたこ焼きがランクインするくらい人気だそうだ。だから、メアリーも食べたくなったかもしれない。
「んじゃ、材料費は俺とメアリーが持つから。裕司よろしく」
「具材はタコ以外だと何がいいんだ?」
「あれやりたい! ロシアンルーレットぽいの!!」
「怜やん……」
四人しかいないとは言え、せっかくだからやってみたいと思っていたのだ。その提案にメアリーも乗ってくれたので、まずは材料を調達しに行こうとスーパーに行ったが。
メアリーが目立ち過ぎて、あちこちから好奇の視線を投げられ……秀司が少し困ったような笑顔になってしまった。
次回はまた明日〜




