第1話 奮発するプレゼント①
お待たせ致しましたー
今日から不定期ですが、二話更新
クリスマスも間近に迫ってきた。
なので、いち社会人として一年目があと数ヶ月で迎える……眞島怜は、悩みに悩んでいた。
恋人で、ほぼほぼ将来の旦那になる予定である……同棲相手の小森裕司に、どんなクリスマスプレゼントを贈ろうか悩んでいるのだ。
大学時代の、バイトでの資金は生活費と学費に充てていたので、好きなことにやりくりする費用は少なかった。だから、それなりに工夫していたが。
だが今は、卒業したことで……貯蓄はしているものの、以前よりもはるかに使えるお金の額は増えていた。とは言っても、癖であまり使う機会がなかったが。
最近だと、件の際どい下着セットくらいだった。
「んん〜〜……」
けれども、社会人一年目のクリスマス。
夏のボーナスもだが、冬のボーナスもきちんとあるホテル内の宴会サービスをメインとする会社なので……夏は大して使わなかったから、そのボーナスは結構あるのだ。なら、お互いの仕事が重なるクリスマスイブと本番を過ぎた辺りに……裕司の提案で、クリスマスパーティーをするのなら、その日に向けたプレゼントを渡したいと思ったのだ。
「……何にしよう」
だが、突然の風邪と療養で少し期間が短くなってきたので……選ぶ期間も必然的に短くなってきた。そうなると、何をあげればいいのか悩むに悩むわけで。
「クリスマス……デスか?」
同僚の王苺鈴とグラス磨きをしている間に、相談してみることにした。
「ご飯とかはいいんだよ。こ……ゆーくんが準備してくれるって」
「小森さんらしいデス」
まだ呼び名の定着は難しいが、徐々に慣らしていくようにはしている。
「時間もあんまりないし、何にしようかなって」
「んー? アクセサリー……は、指輪、してマスもんね?」
「そうなの」
婚約指輪ではないが、ペアリングは相変わらずお互い身につけている。今も怜は業務中チェーンに通して身につけているのだ。それは裕司も同じだ。
「あ! じゃあ、キーケースとかは?」
バイトの佐藤優樹菜もグラス磨きをしていたので、グラスを置いてから挙手してきた。
「「キーケース??」」
「同棲しているのであれば、ですよ。消耗品でもあるキーケース……しかも、革製品だったら立派なプレゼントです! あらかじめ出来ているのに、刻印だけお願いすれば間に合うと思いますよ?」
「おお!!」
その発想はあまりなかった。
いつも、家の鍵などはキーホルダーばかり付けていたのだが。
車の購入も近いうちに考えていると言う裕司の提案も考慮すれば。
怜のお金に余裕がある今なら、優樹菜の言うような革のキーケースはいいかもしれない。
なので、休憩時間がちょうど彼女と同じだったので。
まかない処で、今日選んだオムハヤシを食べながら……スマホで市内の雑貨店などを検索するのだった。
次回は16時15分〜




