第2話 回復したので②
お待たせ致しましたー
お昼を過ぎたあたりに、来客があった。
「お邪魔しまーす。へぇ? ふたりで住むから、そこそこ広いね?」
友人と言うより、将来の義姉候補(ほぼ決定)のメアリーが見舞いついでに遊びに来てくれたのだ。今日は大学院も落ち着いているので、午後からは休みにしたらしい。
「いらっしゃーい。特にもてなせないけど」
「なーに言ってんの? 病み上がりだからって、ちゃんと療養は大事よ」
と言って、冷蔵庫を開けていいか聞かれ……手に持っていたビニール袋を見せてもらうと、アイスがたくさん入っていた。
「わ、ありがとう!」
「今も一個食べる?」
「食べたーい。あ、紅茶だけ入れるよ。ティーパックだけど」
「……ほんと大丈夫?」
「お昼もちょっと作れるくらいに回復したし、熱も大丈夫」
「そう? 久しぶりの体調不良は甘くみちゃダメよ?」
「うん」
残りのアイスは冷凍庫に入れてもらい、メアリーも食べる分を選んでからはリビングで待っててもらった。買い出しに行けないし、今日のメールでは明日の朝も平熱なら短時間出勤にすると葛木にも言われたので……まだまだ油断は出来ないのだろう。
大きな風邪ではなかったものの、なにがきっかけで他の病気になるかどうかもわからない。
とりあえず、メアリーが持って来てくれたアイスはカップのもので、チョコチップたっぷりのチョコアイスを選んだ。
「シューも落ち着いたけど。あのホットタオル手法は効果的面ね? シューも悶えたけど、すぐに落ち着いたわ」
「秀司君も平気そう?」
「ええ。出る前も爆睡してたから、ちょっとは放っておいても大丈夫よ」
メアリーはチョコミントのカップアイスを頬張った。綺麗な所作に、半分は同じ日本人の血が入っているとは思えない。
「そっか〜? 治りそうなら良かった良かった」
「怜ちゃんもね? 顔色はいいし、あとは休息をしっかりとることよ?」
「メアリーちゃんの見立て?」
「医者じゃないけど、医療従事者とかだもの?」
「はーい。あ、メアリーちゃん」
「ん?」
「……こも……やんの呼び名、どうしたらいいのかなあ?」
「あら? 変える気になったの??」
「慣れるには早い方がいいでしょ?」
「そうねぇ?」
呼び名の候補をいくつか上げていると、呼び鈴の音が聞こえたのでメアリーが代わりに対応してくれると。
「ヤッホ〜! 怜ちゃん大丈夫〜??」
裕司の従兄弟である真尋がお見舞いに来てくれたのである。
「あら、ヒロ?」
「あららん? リンちゃん久しぶり〜?」
秀司の従兄弟でもあるので、当然メアリーも面識があった。呼び名は少し面白かったが。
次回はまた明日〜




