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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二部拾参 怜の場合⑦
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第1話 回復したので①

お待たせ致しましたー

 頭痛無し。


 熱も引いた。


 咳や喉の痛みも無し。


 葛木(くずき)からの業務命令で、二、三日は休むように言われたが。


 裕司(ゆうじ)の看病のお陰もあり、彼も一緒に休んだ二日目で快癒の兆しはほとんど見えていた。


 まだまだ新人とは言え、まかない処時代から期待の星とまで言われている彼はずっと(れい)の看病をしているわけにもいかない。


 自宅療養の三日目には見送り。怜は簡単に洗濯などの家事を済ませてからは……しばらく、睡眠を取ることにした。よく眠ることが回復にも繋がるということで、半日以上はゆっくり寝ていたおかげか……体温計で熱を計ったら、平熱に戻っていたのだ。



「んん〜〜今日はひとりだし、レトルトのものがあってもなあ?」



 裕司が休暇中に買い込んでくれたレトルトのパックなどもあるが……回復してきた怜には、きちんとした食事をしたいところだった。


 けれど、裕司ほど料理が得意なわけではない怜には、出来る料理などは限られているし、まだ外に出るわけにもいかない。


 どうしたものか……と冷蔵庫などを漁っていると、冷凍だが塩鮭の切り身があった。



「…………これを焼いて、レトルトのパックご飯にインスタントの味噌汁だけでも」



 十分、昼ごはんになるだろう。野菜には買い置きのお惣菜でほうれん草のおひたしがあるし、卵もあったが醤油味の炒り卵でもいい。


 そうと決まれば……と、塩鮭を自分の分だけ取り出してジップ付きのポリ袋に入れてからレンジでゆっくり解凍。


 お湯を沸かして、卵を溶いて味付けしてから焼いたりしているうちに。


 裕司ほどではないが、時間が経つのが早いという料理の経過時間が分かった気がした。怜の場合は、宴会サービス側で、会場のセッティングなどをしている時に同じように感じるが。



「……こもやんの、お嫁さんになったら……もっと私も料理頑張らなきゃ」



 今もほぼ同じではあるが、お互いの朝も昼もだが夜もバラバラ。


 一緒に住むことで、共有出来る時間が増えるかと思えば意外とそうではない。就職したことでゴールインだとは言わないが……もう少し、互いの時間があると思っていた。部署は違えど、同じ職場だから……と思っていたのに。



(…………甘えてるとこはあるけど)



 クリスマス当日はお互い仕事になったが、当日に意味があるわけではない。一度は、高級料理店で祝ったりもしたが……緊張し過ぎて味がよくわからなかった。あれには、正式な場以外ではこりごりだと思っている。



「…………クリスマス翌日はってこもやん言ってたけど」



 付き合い出した最初の時のように、家でまったりと過ごすようにするのだろうか。


 それはそれで怜も嬉しい。一番は裕司と過ごすことだから。



「……………………それまで、呼び方も考えとこう」



 裕司、ゆーくん? ゆうやんなどと……鮭を焼いて焦がす手前まで怜は考え込んでしまった。

次回はまた明日〜

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