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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二部拾壱 怜の場合⑥
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第1話 思った以上に

お待たせ致しましたー

 無事に、裕司(ゆうじ)への詫びは完遂出来た。


 それはもう……盛大に喜んでもらえたのだ。(れい)が翌日、ぐったり通り越してグロッキー状態になったくらい。それに、さらにいただかれそうになったが……それは免れた。裕司なりに、気を遣ってくれて身だしなみを整えてくれたし。


 しかし、買い出しの時。いきなりのにわか雨で、びしょ濡れになっての帰宅後。お互いにお風呂で洗いっこをしている時……見てしまった。裕司がそれはもう男性の象徴を肥大化させているのを。



(……成功はしたけど。しばらくは、やめておこう)



 自分の体が持たない。主に体力もだが、精神面でも。


 まだまだ二十代とは言え、老化は少しずつ進んでいることに変わりない。


 それが休暇明けの出勤の時にも、バックヤードに戻ると表情に出ていたからか……バイトの優樹菜(ゆきな)に心配をかけてしまった。



眞島(まとう)さん、大丈夫ですか?」


「……ほえ?」


「顔色……すぐれないですけど」


「だいじょぶだいじょぶ。ちょっと、プライベートの方」


「え。まさか、小森(こもり)さんと何か」


「うんにゃ。問題はあったけど、無事解決。その後がさ〜? お詫びが大変だった」


「無茶……してないです?」


「アフターケアはきちんとしていたんだけどね〜?」



 それが、ここまで引きずるとは思わなかった。仕事中はきちんとしているつもりだが、気を抜くとすぐこんな状態だ。


 げに恐ろしは、成人男性の性欲と言うべきか。怜もいくらか侮っていた。



「ちょっと、意外です」


「ん?」


「小森さん……穏やかな方ですから、男性らしい一面がちゃんとあるんだなって」


「ふふ、そうかも」



 優樹菜もバイトとしては三年目。


 恋人も、怜が気付かぬうちに出来たらしい。時々相談されることはあるが、概ね、付き合いは良好だそうだ。



「同棲されてますし、ゴールインまで目前じゃないですか」


「けどね〜? お互いそこそこに苦学生だったから、式はともかく披露宴費用は全然なのだよ〜」


「この仕事してますと、嫌でも夢が壊れますよね……」


「はは、仕方がない」



 高額時給や美味しいまかないで選んだから、後悔はないが現実部分を知ると結婚式などへの憧れは崩れ落ちてしまう。そこばかりは仕様がないのだ。



(……けど、こもやんとチャペル……か、大前式)



 和服、洋装であろうが素敵な裕司が出来上がること間違いなし。


 以前に見た夢での出来事もあったが、いずれ結婚するのなら素敵な結婚式にしたいとお互いに決めているのだ。


 そのために、気合いを入れるべく怜はまかない処へ行くことにした。

次回は水曜日〜

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