第1話 詫びをしたいが
お待たせ致しましたー
つい先日、自分は馬鹿なことをしてしまった。
一方的な思い込みで……裕司が浮気をしたと思い込んでしまい、彼を傷つけてしまった。裕司はただ、少し特殊な性質を持つ『従兄弟』に会っていただけだというのに。
その従兄弟とも和解出来、特に気にしていないからと仲良く出来た。
そこはいい。
だからこそだ。
怜が……裕司に、何か詫びの品を用意したいと思ったのは。
「ゆーちゃんにぃ?」
「ほんと、お願い! まーちゃん!!」
例の従兄弟こと、小森真尋を自宅に呼び……怜は作戦会議のようなものを開いていた。お互いに、仕事は今日休みである。
「怜ちゃんからのなら……なんでも喜びそうだけどぉ?」
「……そうかもしれないけど」
これまでも、裕司とは大なり小なりと喧嘩はしてきた。
しかし……真尋を中心にした時のような、大きな喧嘩は初めてだった。運良く、すぐに誤解は解けたが……怜は気にしていた。一方的に裕司の浮気を決めつけてしまい、裕司を傷つけてしまったことに変わりないのだから。
「ん〜? それなら」
「それなら!?」
何か妙案があるのかと、怜は真尋に食いつくように身を乗り出したのだが。
「怜ちゃんが派手な下着とか身につけて、差し出したらあ?」
「まーちゃん!?」
そんな大胆なことだなんて、出来るわけがない。
出来なくもないが、裕司と関係を築いていても……そのようなアピールを、ほとんどしたことはない。付き合って、五年くらい経つと言うのに……築くまで多少時間がかかったこともあるから。お風呂にしょっちゅう入ることはあっても、もつれ込むまでは少ない。
お互い、今の勤め先でのシフトの関係で難しいことの方は多い。
つまりは……多少なりとも欲求不満な部分もあるのだ。だからとは言え、真尋の言うような大胆な行動が出来るわけでもない。
たとえ近々、裕司と久しぶりにオフが重なった日があったとしても。
「けんどぉ? あたしはいい案だと思うわよん? ゆーちゃんは怜ちゃんにメロメロな男だもの? 怜ちゃんが刺激的な格好をしたら、一発でノックアウトよん!」
「……そうかなあ?」
詫びになるかどうかはともかく、裕司が喜んでくれるかどうか。
しかし、たしかに。
怜がおろしたての下着を身につけたら……裕司は多少なりとも興奮してくれたような気がする。
となれば、真尋の言うこともあながち間違いではないかもしれない。
ただ、それだけではいけないと……怜は真尋に茶菓子などで礼をしてから、彼の意見も取り入れつつ……ネットを漁ることにした。
次回は日曜日〜




