第4話 次は銭湯
お待たせ致しましたー
メアリーの身につけているアクセサリーの過半数は、秀司が手がけたものらしく。実は、怜と裕司が身につけているペアリングは、秀司が在籍しているアクセサリーショップで購入したものだとか。
「結婚指輪は頑張るぜ?」
そう言われて、照れない人間がどこにいるだろうか。
「怜ちゃん達の方が先に結婚しそうだもの?」
「そ、そうかなあ……?」
「可能性の話よ?」
たしかに、社会人として生活している怜らの方が、資金面でも有利かもしれないが。
とりあえず、もう一度スケートを楽しんだ後に……何故か、少し近いところにあった銭湯施設に行くことになった。
男女それぞれ、の裸の付き合い……と言うのは、メアリー談だったが。
(……うわぁ)
お腹が見えただけでもわかっていたが、メアリーの抜群過ぎるプロポーションは……同じ女としても、羨ましいものだった。
腰もだが……胸もすごい。お尻も引き締まっている。思わず、触りたくなるくらい。
「? なぁに? 見惚れてた??」
メアリーはにやにや笑うと、何故か怜の前で手を開いたり閉じたりした。
「え?」
「怜ちゃんもいい体つきしてるじゃない? 裕司君が夢中になるのわかるわ」
「そ、そう??」
「そうそう」
たしかに、夜の営みについては……裕司に褒められることはあるが、その時の言葉だと思っていたので。美女であるメアリーにも褒められるとは思わなかった。ちょっと嬉しく思っていると、着替え終わったら彼女に手を引かれて早速と言わんばかりにお風呂場へ行くことになった。
「おお、広い!」
施設と言うこともあり、サウナや入浴剤の違う湯船もあった。
体を洗ってからは、ふたりでまずその入浴剤の違うお風呂に入ることにした。
「今日はラベンダーね?」
メアリーは秀司とよく来るので、このお風呂にも何度か入ったことがあるらしい。ラベンダーのお風呂は、文字通り紫が鮮やかな色の浴槽だった。
「綺麗だね?」
「ここのお風呂……銭湯だけど、肌ツルツルになるわよ?」
「入る入る!」
いくつになっても、肌のケアには余念がないので迷わず入ることにした。
たしかに、少しぬめりを感じるがちょうど良い温度のお湯だった。
「「はぁ〜〜極楽極楽」」
ハモったことにお互い笑ってしまったが、それだけ気が合ったのだろう。彼氏のことも然り……将来的に、家族になるかもしれない間柄。それが実現するためには、男側もだが女側としても努力は惜しまない。
それを誓い合った後に、それぞれスキンケアの話で盛り上がった。
「ここの食堂のご飯もなかなかよ?」
お風呂から上がったら……今日はまだお汁粉しか口にしてなかったので、ありがたい提案だった。髪を入念に乾かし終えてから、裕司らが待っているところに行くと……逆ナンされていた。主に秀司が。
そこに、メアリーは何の躊躇もなく割り込み、彼の腕を掴んだ。
「先約がいるので」
と、フランス人の方の美貌をこれでもかと突きつけると……逆ナンしてきた女性らは怯んで去って行った。
「……悪りぃ」
秀司もだが、裕司も謝罪した。それには、メアリーも大きくため息を吐いた。
「シューもだけど、裕司君もちゃんと断らなきゃ」
ぷぷんすかぷんと言わんばかりに、メアリーが怒ったので、男ふたりはさらに落ち込み。怜が裕司の頭を撫でると、彼は苦笑いした。
(こもやんもかっこいいもん)
秀司には劣るかもしれないが……ちゃんとかっこいいことを怜は知っていた。
次回は土曜日〜




