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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二部肆 裕司の場合②
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第2話 兄の彼女②

お待たせ致しましたー

 とりあえず、真衣香(まいか)にはお互いがすぐに結婚出来ない理由には納得してもらい。


 逆に、お互いの馴れ初めについて詳しく聞かせることになった。



「私とこもやんはね〜? 今お仕事してるとこが、アルバイトしてた時から続いてるよ?」



 (れい)裕司(ゆうじ)への呼び方は今更なので、真衣香もだが秀司(しゅうじ)らも受け入れてくれている。


 メアリーは今日が初対面でも、数年日本に在住しているお陰かなんとなくわかったようだ。



「……って言うことは、怜ちゃんと裕司君は四年くらい?」


「そうだね? メアリーちゃん達は?」


「まだ一年くらいね?」


「……馴れ初めって、聞いてもいいの? 兄貴」



 秀司(しゅうじ)を見れば、軽く頭をかいていた。タバコは吸わずに、飴玉を舐めているようだ。禁煙に成功した裕司が数年前にしていた時と同じように。



「聞きたいよ! しゅーにーちゃん!」



 真衣香は聞きたい気力が高く、ねだるように兄の足元で少しはしゃいでいた。



「あ〜……メアリー、言っていいのか?」


「ふふ。別に構わないわよ? 真衣香ちゃんも大人への一歩を踏み出すようなら」


「……私ぃ?」


「ちょっとだけ大人の話だけど…………真衣香ちゃん、『女の子の日』は来た?」


「!?………………き、たけど」


「私とシューのお話も少し、それが関わってるのよ」


「……そうなの?」



 その話題と馴れ初めにどう関係があるのか……裕司でも少しばかりドキドキしてしまう。怜も同じなのか、少し顔が赤かった。



「メアリーと会った時はさ? 道端で倒れかけてたんだよ。それ関係の貧血で」


「?? 貧血?」


「血が足りなくて倒れかけてたの。ちょうど膝ついた時に、シューが手を貸してくれたのよ」


「……兄貴がねー?」


「俺だって人助けくらいするわ」


「ほうほう。秀司君に病院とかに連れてってもらったん?」


「そうね?…………ただ、その時私」


「「うんうん!」」



 メアリーが言葉を濁したので、怜らは興味が湧いたのか目を輝かせていた。



「……俺が付き添い必要か、医者に聞いたら。裾掴まれた」


「「きゃー!!」」



 怜も真衣香と出会うのは今日が二回目なのに、気が合うのかお互いの手を合わせるのだった。



「…………で、まあ付き添いしてた」


「私が元気になっていくにつれて、話も出来るようになったの」


「日本語話せるのに驚いたりもしたけど……なんか、気ぃ合って」


「LIMEのIDも交換して……元気になったら、病院以外でも会うようになって」


「……で、付き合うようになったと?」



 締めくくりするように裕司が聞くと、照れ臭そうにしている秀司とはにかんでいるメアリーがほぼ同時に頷いた。


 兄にしては……健全過ぎる付き合いではなかろうか。


 と疑問に思ったのだが、こっそり聞くとすべき事は二回目にデートした時にしたらしいが。リードは向こうに主導権を握られかけたと暴露された。

次回はまた明日〜

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