表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二部肆 裕司の場合②
117/192

第1話 兄の彼女①

お待たせ致しましたー

 なんだかんだで、予定が延長になった……小森(こもり)兄弟の彼女達の顔合わせ。ついでに、その妹の不満を安心させるためでもあったが……裕司(ゆうじ)は、双子の兄である秀司(しゅうじ)の彼女と会うのはこれが初めてだったので……第一印象が『驚き』で済まなかった。



「初めまして。碓氷(うすい)メアリーです」



 金髪碧眼。


 と言う言葉が似合うくらい……染めていない自然な金髪に碧い瞳はカラコンではない。肌も日本人とは違って、黄色っぽくもなく透き通っているような感じだ。


 苗字は日本名だが、名前から推測するに。



「お姉さんは、ハーフなんですか!?」



 質問を投げかけたのは、今日のメインである真衣香(まいか)だった。いきなりの不躾な質問にも、メアリーはにっこり微笑んだ。



「ええ。高校まではフランスだったけど、家だと日本語だったからこの通り」


「え、え! 何カ国しゃべれるんですか!?」


「日本語入れたら……ヒヤリングだけも入れると四つかしら?」


「わぁ!!」



 それは素直に凄いと思っていると、(れい)が震えているのが隣にいる裕司にもわかった。おそらく、自分が劣っていると思っているのかもしれない。



「怜やん?」


「……凄過ぎて」


「大丈夫。怜やんは怜やん」


「……うん」



 軽く頭を撫でてやっていると、視線がこちらに注目を集めているのがわかった。メアリーもだが、真衣香や秀司もこっちを見ていたのだ。



「ゆーにーちゃん、ラブラブ!」


「ええ。とっても」


「めっちゃ、大事にしてんな?」


「あら、シュー? 私には?」


「これでもかと大事にしてるけど?」


「んもぉ」



 ハイスペックのように見えて、意外と子供っぽい一面もある。秀司の好みをよくわかっていなかったが、こう言うタイプが……と少し納得したのだった。



「ね、ね! おにーちゃん達は、お姉さん達と結婚の約束してるの!?」


「ま、真衣香ちゃん!?」


「シューと?」



 そして、我が妹は直球過ぎな質問を怜達に投げかけた。怜は慌てていたが、メアリーは意外と落ち着いている。



「この前からこうなんだよ。俺とメアリーはまだ無理だけど、裕司らはどうなんだ?」


「私の勉強があるから無理だものね?」


「「勉強??」」


「メアリーはK大学院の薬学系の研究生だから」


「「け、K大!!?」」



 秀司は違う大学だったが、本当にどこで知り合ったのだろうか。


 馴れ初めを聞きたいところだが、真衣香にも以前話したように。怜との結婚については資金面が安定していないので、『まだ』と彼らの前でも言うことにした。



「なるほど。たしかに……専門卒とまだ半年の大卒じゃ、すぐに結婚は難しいわ」


「そうなの? メアリーお姉ちゃん?」


「大人にも、色々事情があるのよ?」


「……赤ちゃん、早く見たい」


「あらあら」



 真衣香としては、義姉らの着飾った姿もだが将来の姪か甥の顔を早く見たいようだった。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ