第4話 食べたいもの
お待たせ致しましたー
「……こもやん」
「んー?」
片付けを終わらせてから……ソファで並んで座っている時。怜は聞きたかったことを裕司に聞くことにした。
「試験大変?」
「そうさなあ?」
何故か、彼の方から怜の頭をヨシヨシされてしまう。
「う?」
「テーマはさっさと決まったけど……いざ、自分らしい料理をするとどれもこれも良くて……逆に迷うぜよ」
「ほうほう。落ち込んでいるわけではないんだね?」
「うん。怜やん達のお陰でそれはない」
「私とか?」
何かしただろうか、と首を傾げるとさらにヨシヨシされてしまう。
「いずれ……と言うか、そこまで遠くない未来に。怜やんと一緒になれるんだ。それを思えば、テーマに沿った料理を作るのは全然苦じゃない。何を作るかは悩みもするけど」
「お、おぉ……」
さらっと、小っ恥ずかしい台詞を口にする裕司は堂々としていた。怜は直球的な台詞を聞いて少し気恥ずかしくなったが……嬉しくないわけじゃないので、うりゃ、と裕司の腕にしがみついた。
「ん」
「お役に立てるのなら何より」
「もち。けど……家庭的な料理だと、煮物が多いんだよなあ?」
「前に、さっちゃんとこで作った塩肉じゃがも美味しかったー」
「あれもいいよなあ。材料、そこまで難しくないし」
「あの煮物に……出汁巻き卵は無理ぽ?」
「いいや? 俺の出汁巻き美味い?」
「めちゃくちゃ美味い!! 特に固さの具合が好き〜!! ちゃんと焼いているのにふわふわだから」
世間で流行っている、ふわふわスフレオムレツなども魅力的ではあるが……裕司のちょうどいい固さに、大根おろしと醤油がマッチする……あの出汁巻き卵も怜は好きだった。
ところてんで腹は膨れたのに、また違うものを食べたくなってしまう。
思わず、ふにゃんと顔を緩ませていると……裕司が立ちあがろうとしていた。
「ちょっと、材料確認してくる」
「ほへ?」
「夕飯……怜やんリクエストの出汁巻き以外にも、一個食べてほしいもんを思いついた」
「おぉ!? なになに!?」
「山賊焼き」
「……へ?」
初めて聞く、その料理名に思わずびっくりしてしまったが。
絶対、怜が好きになる料理だからと……裕司ははにかんだ笑顔を向けてくれた。作るのに、少し時間がかかるからと……怜はまた横で見学することになった。
「……お肉??」
しかも、大きな鳥もも肉のようで……それを丸ごと使う料理らしい。
だから、山賊焼きと言うのだろうか。
筋取りとかをきちんとした、その鳥もも肉を……裕司は唐揚げのようにひと口大に切り分けずに、丸のまま味付けをしていくのだった。
次回はまた明日〜




