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最強魔王が異世界で勇者になりました  作者: 湯切りライス
第2章アルメイダ公国編
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勇者出立する

 それからの俺たちと言えば、王都中の貴族達に招かれ、茶会やら晩餐会やらに参加させられていた。

 どうも今まではエミリアが俺が嫌がるであろうと何かと理由をつけて断っていたそうなのだが、貴族達はガイアス邸に招かれた事をどこかから嗅ぎつけたらしい。

 ならば自分もと貴族達からの招待が一気に集中した。

 エミリアとしても一度前例を作ってしまうと断るのが難しいらしく、俺に申し訳なさそうに謝罪していた。

 エミリアは次期女王筆頭候補なのだから、そういった地道な味方づくりも大切だろう。

 そう思い俺は快諾したのだが、これが思ったより大変であった。

 とにかく数が多いのである。

 昼には茶会に出席し、夜には別の貴族の晩餐会に出席する。

 俺たちは4の月の1の週月の日には出立してしまうので、時間は限られている。

 なので、貴族達もここぞとばかりに予定を詰め込んでくるのだ。

 難しい話はエミリアやララに任せ、俺は用意された美味い飯を食っているだけなので楽ではあるのだが、それにしてもこれだけ連日だと辟易してしまう。

 流石のエミリアとララも弱音を吐いていたくらいだ、余程のことであろう。

 それと並行して旅の準備だ。

 これはシスに一任してしまった。

 幸い俺たちには無限収納があるので、物量が増えても問題はない。

 食料に関しても、無限収納の中では時間が止まるので、腐る心配をしなくてもいい。

 むしろ温かい料理をそのままの状態でしまえるので、リシルとシスには大量に料理を収納しておいて貰った。


 俺の力の方であるが。

 "暴食の王(グラトニー)"は日に日に大人しくなっている。

 今では既に各属性の上級魔法くらいであれば制御できるようになっていた。

 魔法陣を使っている時にはわからなかったが、俺は今のところ全ての属性に適正があるようだ。

 楽しくなって調子に乗って魔法を撃ちまくっていたら、屋敷があまりの衝撃に揺れていたらしい。エミリアに怒られてしまった。

 とにかく、これで戦術にも幅が出るだろう。

 まぁ本気の戦闘では"暴食の王(グラトニー)"を使う事になるであろうが。

 だが、いくつか便利な魔法も習得した。

 それらは多用する事になりそうだ。


 そしてついに4の月1の週月の日。

 創造神アルカディアによってお告げされた日だ。

 準備を整えた俺たちは王城へと向かった。

 王城に行くと、まずルーガート王と謁見する。


「アルメイダ公国との国交はなんとしても回復せねばならぬ。ディスアスターよ、くれぐれも頼んだぞ」


「ああ、任せろ」


「お告げがあったという事は、魔族がアルメイダ公国で何か企んでいる可能性もある。気を付けるのだ」


「無用な心配だな」


「それでもだ。気を付けろ」


「わかった」


「エミリア」


 そう言ってルーガートは次にエミリアを見た。


「はい、お父様」


「この男は政治の話なぞは苦手であろう。お前がしっかりと補佐するのだ」


「重々承知しております」


「うむ」


 ルーガートはそして最後にララを見た。


「ララ・ヤマト」


「はい」


「この男を支えてやってくれ」


「はい」


 そうして俺たちは謁見の間を後にした。

 飛空挺の発着場にはユーリの姿があった。


「いま王都には結界がありません」


「ああ」


「だから、貴方が王都を離れている間は、私が必ず王都をこの命に代えても守り抜くと誓いましょう」


「お前なら命に代えずとも守りきれるだろう?」


「ふふ、確かにそうかもしれませんね」


 そう言ってユーリは表情を崩した。


「どうか気を付けて」


「ああ、行ってくる」


 ユーリに見送られ、飛空挺は浮上した。

 いよいよ、アルメイダ公国だ。



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