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最強魔王が異世界で勇者になりました  作者: 湯切りライス
第1章ヤマト王国編
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魔王帰宅する

 王城での謁見を終え、俺達は我が家へと帰宅した。

 門を開くと、まずケルベロが俺達を迎えてくれた。


「ただいま、ケルベロ」


 ケルベロはバウッ、と一吠えして甘えてきた。

 中央の頭を両手でガシガシと撫でる。


「帰ったわよ!ケルベロ!」


 エミリアが左の頭に抱き着く。


「良い子にしてましたか?ケルベロ」


 ララが右の頭を撫で繰り回す。

 ケルベロは一度に3人に甘えるという器用な事をしていた。さすが三つ頭があるだけある。


『ふむ。貴公がケルベロか』


 ガゼルはパタパタと浮かび上がると、ケルベロに話し掛けた。ケルベロは俺達に甘えながら目だけガゼルに向けた。


「ケルベロ。新しく俺の使い魔になったガゼルだ。仲良くしてやってくれ」


 ケルベロはバウッ、と一声吠えた。

 ガゼルはパタパタとケルベロの直上まで飛ぶと、ケルベロの背中に乗った。


『おお、フカフカではないか』


 ガゼルはケルベロの背中が気に入ったようだ。ケルベロの背中で丸まってしまった。

 まぁ、いいか。ガゼルはここに残していこう。

 ケルベロをひとしきり構った後、玄関を開く。


「魔王様、エミリア様、ララ様。おかえりなさいませ」


 リシルとリシルの影達が一斉に俺達を出迎えた。

 一糸乱れぬ動きで彼女達は頭を下げた。


「ただいま、リシル。変わりなかったか?」


「はい。何も問題はありませんでした」


 報告でわかってはいるが、一応確認する。


「シスはどうしたの?」


「シスはいま買い出しに出ております」


 どうりで居ないわけだ。


「そうだ。今日の夕食の時に話があるから。シスにも一応伝えておいてくれ」


「承知しました」


 さて、今日くらいはゆっくり温泉に入っても文句は言われないだろう。


「じゃあ俺はゆっくり温泉に入ってくる」


「ディスターは本当に温泉が好きね」


 エミリアは苦笑しながら言った。


「ああ。一緒に入るか?」


 冗談でそう言うとエミリアはさっと顔を赤くした。


「そういうのは結婚するまでダメよ!」


「冗談だ」


「もう!」


 エミリアが脳天にチョップをしてきた。


「私は一緒に入っても良いですよ?」


 くすくすと笑いながらララが言った。


「ララもダメよ!自重しなさい!」


「残念です」


 ララもこれはエミリアが止まるとわかってて言ってるな。

 どちらにせよ、この国では結婚前に同衾や婚前交渉はタブーとされている。今は全員私室で寝てるしな。

 普通は家を買うのも結婚後なのだが、俺たちの場合は少し事情が特殊だったので仕方なかろう。


「では行ってくる」


 さぁ、久々の温泉を満喫しよう。

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