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神造生体兵器 ハーネイト 二人の英雄王伝説  作者: トッキー
第1章 第2シーズン ハーネイト&DG連合VSヴィダール・ティクスの邪神
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第95話 研究所急襲作戦始動!


「ではガンダス城付近まで向かう。道中会敵した場合は各自応戦しベイリックスを守ってくれ」


「狙撃で全部仕留めてやりますよ。見張りは任せてください師匠」


「ではその辺は頼んだリシェル。こちらもレーダーで警戒しておくが」


「さあ、博士たちを救出しに行くぞ」


そうして、一行はミスティルトを離れ、夕方にガンダス城付近3キロ付近まで到着した。途中エンジントラブルがあったがシャムロックとリシェルが対応したおかげですぐに修理でき、予定の時間内で無事作戦区域に到着できた。


 しかしそのベイリックスのトレーラー、その天井に見慣れない1人の髭を生やした威厳のありそうな男が堂々と立ち、寝ぼけたようにはるか遠くの景色を見渡していたのに誰も気づいていなかった。


「着いたな。しかし警備が手薄だ。……重要拠点ならこの辺りで既に発見されているかもしれないが」


 ハーネイトはこの状況に対して違和感を覚えていた。正直言うと敵の抵抗があるのではないかと考えいつでも迎撃できるよう準備をしていた彼だが、あまりにも施設への接近を許しており、それでいて何もないというのは彼にとって不気味でしかなかった。


「まあ大丈夫やろ相棒、俺様の探知にも引っかからんところみるとな」


「そろそろ日が落ちるわ。みんな、準備しないと! 伯爵も大丈夫?」


「いつでもいいでリリー。奴らに絶対的な恐怖を植え付けたるわ」


「風魔、調子の方は?」


「大丈夫よ南雲、そっちこそへましないでよね」


 そうして各自作戦準備を始める。日が落ちる前に展開を完了しなければ計画が崩れるため急いでいた。


「狙撃ポジション探さないとな。先にいく。エレクトリールも来てくれ」


「分かりました。では皆さん、ここで一旦お別れです」


「2人とも用心しろよ? 何が出てくるかまだ未知数だからな」


 先にリシェルとエレクトリールは先行し、城が見えるところまで進む。彼らがいなければ敵を撃ち漏らす可能性もありうる。逃げだした敵に遠距離から攻撃を仕掛ける二人の役割は重要である。


「それで、私たちはこの3人をのせて城の上に下ろせばいいのね?」


「隠蔽や欺瞞魔法なら得意なのだが、飛行魔法が少し苦手でな。よろしく頼みます」


「わかったわ。使い魔に乗ってね」


 魔女たちには空中からの索敵と支援爆撃をハーネイトは頼んでおいた。偵察するポイントや目標は既にホテルで指示を出していたため、円滑に話が運ぶ。


「俺は囮やったな。まあ、別に全て醸しても構わんやろ相棒」


「ああ。それはそちらに任せる。しっかり引き付けて、囮になって。余力あれば対峙する者全部すきにやって」


 サルモネラ伯爵には自身の能力を生かした囮と妨害を任せるとハーネイトは言い、伯爵も快諾した。


「さあ、18時丁度に攻撃を開始する。それとシャックスとリリエットは能力は極力使用しないで。もし敵幹部がいたとしたらややこしくなる」


「ええ、指示に従いましょう」


 ハーネイトは指示を出し終わると周囲を湖でかこまれた、その中央部にたたずむガンダス城まで駆け足で進む。リシェルらも高台を見つけ、狙撃準備を行う。


「 んー今のところ結界はないみたい。そろそろ着陸地点に下ろすわよ。しかしいい魔法ね、今度教えてよ」


「そうですね。いいですよ? では!」


ハーネイトたちより先に城に向かっていたミカエルたちはアーディンらの隠蔽魔法で見えなくしてから城の上空に来ていた。そしてアーディンたちが飛び降りて、場内に着地した。


「任務開始!」


「はっ」


「無事に乗り込んだわね。私たちは更に上空で偵察よね?」


「そうよ、時間が来たら爆撃もね」


ハーネイトたちは城に続く橋を森の茂みから確認していた。見張りの兵らしき者が数名、橋の向こうに待機していた。まだこちらの気配に気づいていない様子で、警戒しているそぶりは見せていなかった。


「さすがに見張りがいるな」


「このままだと確実にばれるわ」


「力で無力化するか」


「それなら俺がやる。こういうときこそ俺様の本領発揮だ」


「なにをするの伯爵?」


 風魔は伯爵に質問する。もしかしてあの森で行ったような恐ろしいことをするのかなと半分期待、半分恐怖していた。そしてペンの中にいるユミロと、外に出ていたリリエットとシャックスは伯爵の戦い方が気になっていた。


「微生物たちに指示を出して、一時的にあの見張りたちを弱らせる戦術やで。相棒の変身、まだ燃費悪いやろ? いざというときにとっとけ。あの城は何が出てくるかわからないパンドラの箱って感じや」


 伯爵は不敵な笑みを浮かべながら自身のやり方を説明する。実に彼らしく恐ろしい作戦だが、確実に無力化できるという点でハーネイトは伯爵の方法はベストだと考える。


「伯爵に任せるが死に至らせることはするなよ。出来るだけ捕らえておきたい」


「尋問するの? ハーネイト。あれだけ幹部を引き込んだのに?」


「リリー、私はまだ、どこか引っかかるところがあって気になっている。まだ裏に恐ろしい何かが潜んでいるって」


「ったく、幹部たちもいるのによ。しゃあねえな、んじゃ先にいくで」


そう彼らに言うと伯爵はすぐに体を霧に変えて見張りのいる場所まで飛んでいく。その頃、城門の前に立ち警備をしていた見張りたちは突然寒気を体に感じた。


「こんなところに敵なんかくるかね。ッハックション! か、風邪でも引いたか? 何だか寒気が」


伯爵がばらまいた微生物の影響により見張りたちは急激に風邪をひいてしまった。立ちくらみや悪寒、急激に発熱し外にいた見張りたちをすぐに無力化する。どう見ても生物兵器を使ったとしか思えないような光景だが、伯爵はハーネイトの言いつけを守り相当手加減し技を使用していた。


「ざっとこんなもんよ。風邪でもひけば動けないやろ、きっついの呼んだで、細菌だけやなくてウイルスの奴らにも雑だけど指示できるからな、にゃはは」


「相変わらず恐ろしいな。凶悪な生物兵器だな本当に。味方でよかったとこの時に思う」


「なんと恐ろしい、歩く生物兵器か」


「本当にすごいわね伯爵は」


「フハハハ、そりゃそうだ! 楽しく、ド派手に行こうぜ! 俺様の眷属をたーーーっぷりと味わえや!」


 ヴァンが無双していたその頃、場内に侵入したアルシャイーンの3人は警備を掻い潜り、城門までたどり着く。


「首尾よくいったな。セキュリティは解除できたぞ」


「あとは先生方の突撃を待つだけですね」


「もうすぐだそうだ。では行くぞ!」


 アーディンが城門の開放のためセキュリティにハッキングを仕掛け、いつでも指示に従い開けられるよう準備を完了し、ルシフェスとエフィリーネも待機していた。


 それから少しして、通信でハーネイトからの指示を聞くと門の開放を行う。その頃リシェルたちは不審な動きがないか監視をしていた。


「見張りたちが突然倒れこみました」


「確かにな。いったい何が」


「リシェルさん、あれは伯爵さんでは? ほら、空飛んで何かしてますね」


「微生物魔人の仕業か。しかし、これだと仕事ないな。……いや、前言撤回だ」


楽勝かと思ったリシェルだが、スコープ越しに城の中からなにかが出てくるのをスコープ越しに捉えた。


「あれは魔物? それにしては見たことがない。この前のイノシシとは違うぜ、色も形もだ」


「ハーネイトさんたちは気づいているのでしょうか?」


「それはわからない。だから支援砲撃だ。気づいていようと、俺たちは邪魔するやつを倒すまでだぜ」


 リシェルはそう言いながらアルティメッターをセントリーガンモードに設置し射撃体勢に入る。


「城の東棟から大型の生物が出現。この前のあれとなかなかいい勝負だわ」


「城の門も開きかけているわね」


空から監視するミカエルとルシエルもそれに気づいた中、ハーネイトは城の門が開いたのを確認する。


「エフィリーネたちが成功した。これより作戦開始!」


ハーネイトは一目散に城にわたる橋を駆け抜ける。伯爵の作戦が効をそうし、抵抗なく橋を渡るも、城門の上部から突然銃撃が放たれる。


「我らにそんなもの」


「効くわけないでしょう!」


彼に随伴する南雲と風魔は主の前に立ちながら先行し、腕をイジェネートさせ盾を作り、銃弾を弾き飛ばす。


「これがイジェネート、形成が早いわね」


「翻ろ、紅蓮葬送!」


 イジェネートについて冷静に観察しているリリエットをよそに、ハーネイトも久しぶりに紅蓮葬送を展開し更に盾を作り出した。


「しかしなかなか激しいな。久しぶりにこれを使おう」


ハーネイトは懐から数本のペンを取り出しそれを発砲煙の見えた場所に投擲する。デトネイターが直撃し壁を破壊、さらにイグニスが着弾し辺りを火の海にする。


「にしても派手にいくわね。てか普通のでも吹き飛ばせそうよ」


「それに破壊力をさらに上乗せすればああなる。いいだろ? さあ突っ走れ!」


彼らはガンダス城の門を難なく突破し城内に侵入した。そしてそこには警備兵が何人も寝ており、エフィリーネたちが待っていた。


「警備のものたちはご覧の通りです。他愛もないとはこういうことだ」


「研究者のいる場所は東の棟、住民たちは西の棟にいるのを確認しました」


「ご苦労だった。リリーと南雲、風魔は住民の解放と誘導、俺らは研究者の救出に向かう」


 ここでハーネイトは臨機応変に、二手に分かれそれぞれ救出に向かうように指示を出した。作戦が長引けば何が起きるかわからない。手早く拉致された住民たちの救出とボルナレロたちの確保を行うため各員やるべきこと、役割をしっかりと把握した。


「了解ですマスター」


「リリーちゃん行きましょう?」


「わ、わかったわ」


それぞれが一旦別れ、互いのミッションを行う。その頃リシェルたちは城から現れた巨獣の出現に戸惑っていた。そして周囲に大量の魔獣がいることも。


「包囲されていますね」


「あれはまあ伯爵に任せて、さあどうしようか」


リシェルたちは魔獣の群れに包囲されていた。そしてエレクトリールはアクションを取り掌から電撃を繰り出し、連鎖するように雷撃を魔獣の群れにぶちかまし数体を黒焦げにする。


「さすがだな。いや、エレクトリール後ろだ!」


「えっ、ってわあああ!」


リシェルが先に気づくも、ゴリラのような背中に刺を生やした大猿が、太い幹の木の上からエレクトリールに襲いかかろうとしていたのであった。



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