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神造生体兵器 ハーネイト 二人の英雄王伝説  作者: トッキー
第1章 第1シーズン 宇宙からの侵略者DGvsハーネイト遊撃隊
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第45話 城での事情聴取とハーネイトの友人たち


「只今、帰還しました。夜之一領主様」


 その言葉に、夜之一は突然立ち上がり、ハーネイトの前に来るとこう言った。


「遅いぞ! てっきり迷霧の森から帰って来れなくなったと心配したぞ、この大馬鹿者っ、無事で何よりじゃ」


ダグニスのレーダーで彼の現在位置を把握していたものの、それでもよほど心配したのか、ハーネイトの体に夜之一が抱きついた。


「領主様。私は大丈夫です。何があっても絶対に戻りますから」


「約束してくれ、この先の戦いに絶対勝って、またこの国を訪れてくれることを。あまり無茶をしてくれるな、ハーネイトが居なくなるのは死ぬほど寂しいぞ」


「ええ……。心配をおかけしてすみませんでした」


 夜之一はいつになく彼のことを心配していた。昔から暗殺の危機に何度も晒され、信用できる者が少なかった彼は、心置きなく話せて、信頼できるハーネイトのことを心配していたのであった。


 気持ちを伝え、落ち着いた夜之一はまたもとの席に戻る。


「ふう、さて。お主がこの手紙を送った本人か?」


 夜之一は手紙をミカエルの方に見せながら事実を確かめるため手紙の主かどうか確認を取る。


「はい、その通りです」


「いきなりこのような文章が来て驚いた。本来ならば逮捕して、場合によっては懲罰もありうるのだが、何か理由があるのだろう。ハーネイト絡みなら仕方ない。話してみるとよい」


「は、はい。どうしても彼の力を借りたくて」


「ならば事情を一から話してくれ。情状酌量くらいは考えよう」


 そうしてミカエルは、ハーネイトやヴァン以外にも家族が誘拐された件と教団に関する話を丁寧に述べた。


「やれやれだ。ハーネイトも罪深いよのう、ははは」


 夜之一も先ほど伯爵がそうしたように、嬉しそうに軽く意地悪なことをいう。人気者だなとハーネイトのことを遠回しに言っていたのである。


「人の悪いことを言いますね、あの霧の先にはまだ行ったことがないのですから」


 ハーネイトは彼が意外なことを言ってきたことに対して苦笑いをしていた。最初に出会ったときは冗談などとても言いそうにはなく、常に人を疑っているような表情を見せていた夜之一が、いつの間にか表情を豊かにして話していることに安心していた。


 それから改めて森の先には行けていないことを彼に伝えたのであった。


「しかしハルクス龍教団か、以前この国に関係者が来たときは、過激な集団には見えなかったですぞ」


 八紋堀は、数年前に教団の使者が日之国に来たことを覚えており、それについての印象を話した。


 それは使者が来たのは支部を置きたいので許可を頂きたいという内容であった。結果として、日之国が管理している周囲の街での支部の設置を許可したことで無事にその場を収めたという。


「しかし、そんな奴らが今では魔法使いをさらっている。目的がさっき言った通りならば、まだましなんだろうが」


「しかし、ミカエルの家族が心配ですね」


 南雲と風魔がそれぞれ教団について思ったことを口に出す。


「ここは、行ってみる方がいいと私は考えます」


 エレクトリールは、早くミカエルの家族たちの救出に向かうことを提案する。


「だけどエレクトリール、このままではDG討伐のための作戦が遅れるぜ」


「それもだが、これが罠であることは否定できないと考えている。もしもハーネイトまで捕らわれたらどうしようもないぞ」


「いや、それはすでに対策を考えました。捕まるような真似はしませんよ。それと霧の龍とやらに会ってみたいし、森の先を抜けてどうなっているか少しだけ調査をしたいです。奴らがどこまで南側に来ているかについて調査しないと挟撃などされては流石にね。もしいたらせん滅してくれるまで……だ」


 リシェルはエレクトリールの案に、賛成ではあるもののDG対策に遅れが出ないか尋ねる。


 ハーネイトは救出のついでに龍とDGに関する調査、さらに協力者を増やすという内容の提案することで行動について許可をもらいやすくしようと考えていた。


「私も気になります。その龍の調子がおかしいのでしたら、ついでに治したほうが、今後の仲間集めや拠点作りに有益に働くと考えます。治す代わりに教団の連中に情報収集をしろとか対価を払わせればよいと思います。忍者たちと合わせれば、包囲網形成が強固になるかと」


 ハーネイトとエレクトリールは作戦における見返りについて説明を行った。機士国奪還作戦の時もそうだが、エレクトリールも戦闘に作戦の提案に多種な方面に優秀であることを彼は認めていた。


 少々お人好しすぎる彼に、彼女の提案は妙に相性がよかった。


「うむ、確かに一理ある。よかろうハーネイト。解決屋としてしっかり仕事をしてくるといい。褒美は梓屋の団子全種類5本ずつでいいか?」


 夜之一は2人の説明を聞き、その行動を承認する。そして報酬は日之国で有名な和菓子屋の団子でいいかと聞いてみた。それに対しハーネイトは少々呆れた表情を見せな方も軽く笑ってその提案を受け入れることにした。


「なんでよりによって現物支給。はは。終わったらみんなで食べましょうか」


「お主は金を上げても大して喜ばないではないか」


「はは、ありすぎて困るくらいですし」


「はあ、なんてうらやましい言葉でしょう」


 夜之一がまさかの現物支給を提案することに思わず笑うハーネイト。そしてそれをうらやましがるリリーであった。


 確かにいくら調査と言えども、そこまで日之国本体に有益な話ではないし、それでも何か褒美を挙げたかった夜之一の考えを彼は察したのである。


 それと彼が以前から高級な和菓子屋の団子を食べたがっていたことと、以前彼個人に金の報酬を払った際、そこまで嬉しそうではなかったことからも鑑みてそのような提案を彼はしたのである。


「しかし、エレクトリールは軍師みたいだ。あいつの考えたシステムが本格運用さえできれば。部隊を複数同時運用して敵の拠点や生産工場とか効率よく叩けるのだが」


「システムとはな。機士国辺りの技術か?」


「そうです。昔機士国にいた際に知り合った研究者の考案した、地図の情報をリアルタイムに伝え作戦指揮や支援ができるシステム「地理情報分析反映システム」と言います。これさえあればあの荒くれ集団の機動戦力こと死鬼隊や私の教え子たちなどとの連携で派手に動けるのです。それに私の考案した魔力探知システムを装置に組み込めば敵の居所など丸見えです」


 ハーネイトは研究者ボルナレロの技術を詳しく知っており、今回の作戦においてボルナレロを確保でき次第大規模攻勢に移る予定であったと全員に伝える。それができれば、あの伝説の力を見せてあげられるとも伝えた。


 そう、ハーネイトは慎重に動きつつ、着実に作戦の準備をしていたのである。3から4部隊を結成しそれを分散させつつ、拠点の位置が判明したところで敵戦力のすべてを一網打尽にしたいと夜之一たちに説明する。


「お主の狙いはそれか。道理で今までらしくない慎重な進軍をしていたわけか。確かに戦略に地図は欠かせない。しかも話によれば広範囲の指揮も可能ではないか。ハーネイトの移動力を考えれば全部隊の戦線維持は容易だ。中々ぶっ飛んだ作戦ではあるが、私好みだ」


「ふええ、ハーネイトさんの方が地味に恐ろしいと言いますか、考えていますね」


「問題はその研究者ボルナレロはDGの密偵として独自に活動していることです。ですが近いうちに合流するのでお任せください。あと他にも研究者がいるかもしれないし、できるだけその人たちをこっち側に引き込めれば事実上勝ちです」


 夜之一の言葉に対し、ハーネイトはその作戦を行う上で現在足りない要素について説明をする。


「分かった、至急その男や研究者たちについて情報をかき集めよう」


「お願いします。こちらも連絡は取っているのですが通信がよくない場所にいるようです。南雲と風魔も他の忍者たちと会った時にそれを伝えてくれ。こっちもアレクサンドレアル6世と協力して捜索や調査に当たっている。仲間たちの方はある程度めどはついているから問題ないです」


 ハーネイトは改めて忍たちに指示をし、実際に作戦を行うメンバーについては目処がある程度ついたという。そして机に置いてあったせんべいを手に取り口に運んだ。


「おおう、例えば?」


 八紋堀が興味津々に、ハーネイトのかつての仲間たち、と言うか成り行きで親密な関係になった人たちについて聞こうとする。


「私の教え子が今32名、バイザーカーニアから120名、そのうち魔法使いが50名。更に死鬼隊12人と騎士の国レイフォンから55名、ゴッテスシティから12名のブラッドラーと蹴撃王キース、さらに個人個人で凶悪な力を持つものが28名と、今はそんな感じです。少ないとお思いでしょうが、正直全員たちの強さもとい極悪さは私と同レベル、いやそれ以上です。全員DGを潰そうとうずうずしている、戦闘狂の集団です」


 ハーネイトは嬉しそうにそう言い説明した。その妙な戦力の構成に夜之一が机をたたきながら笑っていた。


「ハッハッハハハハ、なんだそれは。節操無しと言われても知らないぞ。まず死鬼隊はあの悪名高かった暴走族だしバイザーカーニアは近代魔法使いの支援組織、さらにブラッドラーの選手までとは。レイフォン騎士団も動くならば、ハーネイト。こちらからも兵を出す。必要な数を言ってくれ」


「うへえ、少数精鋭ってか、それだけでも大国を滅ぼせそうやな」


「そ、そうね。ハーネイトの友人って結構多いとは聞いてはいたけれど、何だか寒気がしてくるわねヴァン」


「せやな、やけど手伝ってくれるならええで。俺たちもしっかりやろうや、な?」


 以前彼から聞いたそのメンバーの実態に触れつつ、上機嫌になった夜之一は軍に所属する兵士を彼らに預けるとそう告げた。


「気持ちはありがたいですが、剣豪3人だけで今回はいいと思います。その3人も十分人外の仲間入りですし。他の人たちは防衛ラインを作ってほしいですね。奴らが攻め入ってこれないように。それでお願いします」


「そうきたか。ふははは、確かに私の部下たちは一騎当千の実力者。よくわかっているな。ではお主の案に従おう。と言うことは、次の行動は任務達成後、ボルナレロと言う男の行方を捜索するということだな」


「その通りです、夜之一様。と言いましても連絡は時々来ているので居所は大体分かります」


 2人はお互いにこれからやることを再確認しつつ、兵力の配置についてハーネイトの意見に従うことを夜之一は意思表示した。


「な、なんだかすごいわね。あの、それとDGって昔この星に来た、あの恐ろしい侵略者のことですよね。祖母から聞いたことがあります」


 ミカエルのその質問に、ハーネイトは今起きていることを丁寧に説明したのであった。

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