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神造生体兵器 ハーネイト 二人の英雄王伝説  作者: トッキー
第一部EX:1 ブラッドル編
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第156話 付け焼刃な練習?


「で早速だが、ブラッドルがどういうものか体験してもらう」


「緊張してきたわね」


「まあ力抜けよ。楽しいぜブラッドルは」


  ハーネイトの傍にいるリヴァイルがやや緊張しているリリエットたちにそう身構えないでいいといいながら黒い競技用のボールをリフティングしていた。


 その後彼はリリエットたちを2チームに分け、実際にボールを扱いパスやゴールシュートをしてみてほしいと指示を出す。それから1時間ほど動いたのち、それぞれ感想を述べていた。


「確かに、単純だけど運動量がなかなかね。まあ私は鍛えていたからまだいけるけど」


「この程度なら問題ないが、ボールが思ったより小さいのがあれだな。足の方がいいかもしれん」


「僕は手で投げる方が向いてそうですね」


 リリエットとボガーノードはブラッドルについての認識を改め、効率よく動く方法を模索していた。ヨハンは昔ハンドボールをしていたようで、足よりも手でボールをやり取りした方が慣れているようであった。


「そこ、相手に取られないような投げ方を!」


「確かに、今のはあれだったな」


「でシャックスは寝ているのか?ぼさっとするなよ!」


「……っ!」


 ヴァンはシャックスたちとパスや連携について練習していた。しかしあまりスポーツをした経験がないか動きがまだぎこちないところがあった。もともと小さい時からレンジャーとして働いていたためか、身体能力は高いのでこれからだなとハーネイトは思っていた。


 そして明らかに寝ていそうなシャックスに声をかけ、手にしていたボールを投げた。すると素早く右手でしっかりとボールをキャッチしていた。


「本当に寝ているわけではないか、しかし紛らわしい。だがナイスセーブだ」


「やるときはやるのです、フフフ」


「でヨハンたちはどうだ?」


「思ったより楽しいです、しかし貴方ってこういう時は結構厳しいのですね」


「まだまだぬるいな、俺は熱いバトルを求めてんだぜ、いくらでもやれるぞ」


 久しぶりにスポーツをするがなかなか楽しいというヨハンに、いつでも戦闘態勢なブラッド、そして少し息を切らしながらもボールの感触を確かめながらゴールにシュートをするシノブレード。各員は終始真面目に練習していた。


「シダナレやゴールドマンを誘わなくてよかったが、ふう、ハードだな思ったよりも」


「シノブレード、大丈夫か?生憎1試合は前半後半30分ずつの合計1時間だから心配はいらない」


「それにしてもだ、あの男たちはボールの取り合いを休む暇もなく行っている」


「リヴァイルとレイジオはまだ若い時からやっているので」


 シノは御年50歳、だいぶ体の衰えが来ているころであり、少々心配していたが話を聞いてそれならまだやれると思いより正確にボールを渡せるように練習しながら、リヴァイルたちのことについて質問した。理由を聞くとなるほどと彼は思い、ヨハンやヴァンと合同で練習を続けていた。


「では、私一人を相手に全員でボールを奪いに来てくれ」


「やってやるわよ、ハーネイト」


「燃えてきたぜひゃっはは!」


「感覚はつかんだ、あとは動きを再現できるか」


 早速ブラッドが恐ろしい笑顔を見せながら焔を身に纏いハーネイトに詰め寄る。だがハーネイトはそう来ると予測し、姿勢を低くしわずかに地面から足を浮かせて遠くまで滑るように移動し、ゴールまで走っていく。


「その調子だと、止められないぞ!」


「なんて早いのよ、ああ、昔から逃げ足だけは早かったわね」


「甘いぜ大将、いけ鬼霊ども!」


「ぐっ、そうくるかよ」


 ボガーが手元から放った霊たちがハーネイトの足に取り付き動きを鈍らせようとするがそれを振り切って見せた彼は更に速度を上げゴールへと走っていく。


「いくぞブラッド、俺に合わせろ」


「俺様に合わせるんだよヴァン!」


 だがハーネイトの動きを先読みするかのようにヴァンとブラッドは素早く左右から挟み込むようにハーネイトに迫る。


「僕たちも負けません!」


「っ!……一本取られたか。……やるじゃない」


 最後にボールを取って見せたのは意外にもヨハンであった。彼はハーネイトの動きの癖を瞬時に見抜き、ヴァンたちの行動も把握済みの上でハーネイトに奇襲をかけたのであった。


「ハハハハ、よくやったね。いい連携だったよ。他の競技もそうだが、ブラッドルもいかにチームプレイ、連携ができるかどうかにかかっている。見込んだ甲斐はあった。さあ、明日の夜があれだ」


 そうして彼らは夕方まで動きを確認し、ハーネイトらが問題ないと判断した後全員でレストランに向かい夕食を楽しんでいた。勿論この時にリシェルたち捜索班も合流し、エレクトリールが暴食、八紋堀が唐辛子をまき散らし大変な事態になったのは言うまでもない。ハーネイトは店主に謝り代金を支払うと全員をBKの施設まで連れて帰った。


 試合当日はハーネイトと捜索班を除く人たちはルールの確認や連携を確認し、エンぺリル達に関する情報を集めていた。


 夕方になり、時刻が近づく。いよいよ勝負の時だ、キースを負傷させヴァルハと部下たちにも危害を加えた研究者を捕まえ、なおかつエンぺリルたちを元に戻すためにハーネイトたちは敵陣に乗り込む。

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