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神造生体兵器 ハーネイト 二人の英雄王伝説  作者: トッキー
第一部EX:1 ブラッドル編
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第155話 ブラッドラー緊急招集


「し、仕方ないわねえ。ハーネイトの頼みじゃなかったら断りたいわ」


「おうおう、戦いか?いいぜ、俺ゃノリ気だ!」


「ブラッドは少し落ち着け。それで何人必要なのだ?」


「私とブラッドラー仲間を含め3人いるから、残り8人はいるな」


 リリエットはやれやれだといいながらも内心はハーネイトに協力できると嬉しがっていた。そしてブラッドは平常運転でギアを上げていく。それをシノが抑え、ハーネイトにどれだけ人が来ればいいか質問した。


 それを聞いたシノが霊量士たちに伝え、誰が参加するか決めてからリリエットがメンバーについて伝えたのであった。


「それで、私とボガー、シャックス、ヴァンとブラッド、ヨハンとシノ、んでなぜかホテルにいた八紋堀っていうあなたの知り合いもつれていくわ」


「ちょおおおおおおっと!それはどういうことだ!」


 機士国から帰ってきたリリエットたちのほかに、まさかな人物がホテルに滞在していたことを知ったハーネイトは思わず大声で叫んだ。そのとき電話の向こうではリリエットの代わりに八紋堀本人が出てきた。


「へいお嬢さん、変わってくれ。ははは、元気にしとるかハーネイト」


「元気にしとるかじゃないですよ!夜之一王の護衛はどうしたぁ!」


 いつになく興奮気味なハーネイトに困惑しながらも、滞在している理由を明かすと彼はおとなしくなった。


「何?夜之一王もホテルを訪れていると。……そうですか、で許可は?」


「加勢しろと言われましてな、これでもブラッドルは少々嗜んでいたのでな」


「……では今すぐにゴッテスシティまで参加する人たちを連れてきてくれます?」


「勿論だ、今すぐ向かうぞ」


 さらに八紋堀に対し迎えをよこすので街の西端で待機しておくように指示を出す。そしてシャムロックに対し命令を伝える。


「シャムロック、彼らは魔法転移ができない。至急彼女たちを迎えに行ってくれないか?」


「かしこまりました。サイン殿も同行を」


「……了解しました。しかしなぜ古代人がこうもたくさん」


 シャムロックとサインはハーネイトの命ですぐさま近くに止めていたベイリックスに乗り込み、ミスティルトまで速やかに爆走して行った。


 工場を後にしてBKの施設に戻った数時間後、シャムロックたちがゴッテスシティに到着した。車から降りたリリエットたちは街中を見回りながら、BKの施設を訪れた。


「来たわよ、ハーネイト」


「いきなりですまない、リリエット」


「全く、貴方は昔から変わらないわね。たまに強引なんだから」


「そうはいってもだな、こうした方がうまくいくと思ってね」


 リリエットは文句とぼやきをハーネイトに吐きながらも、仕方ないといった感じで部屋の中を見渡して、全員いるか確認していた。


「大将、一応ルールと試合動画は見てきたぜ。だが向こうはプロなんだろ?」


「私は少し苦手ですが、物は試しです」


 ボガーとシャックスは近くにあった椅子に座ると、ハーネイトに対しブラッドルについてあれからさらに勉強した旨を伝えた。シャックスは苦手にしていたようで、ハーネイトは不安を消すために助っ人について話をした。


「その点については問題ないよボガー。こちらもエース級を何人か連れてきている。っと、今来たみたいだな」


 部屋のドアをノックして入ってきたのは、ブラッドラーの2人、リヴァイルとレイジオであった。ユニフォームを着たままで訪れ、全員の姿を見てからハーネイトに挨拶をした。


「先生、来ましたぜ」


「ったく、こんなことになってるとは迂闊だった」


「よく来てくれた、リヴァイルとレイジオ」


「まあ暇だっただからっすね、だけど話を改めて聞いて、やるしかねえなと」


 二人はハーネイトの話を聞いて、キースが負傷したこと、二人の同期であるエンぺリルが事件にかかわっていることを知り支援に駆け付けたのであった。


「あの魔女を討伐した時にいたやつらか、ほう、試しに戦うか」


「やめるんだブラッド、本番では相手をコテンパンにしていいから」


「けッ、分かったよ」


 ブラッドは相変わらずの血の気の多さで二人に対し喧嘩を吹っ掛けようとするがハーネイトが止める。


「とりあえずみんな揃ったわけだが、八紋堀はそこで何をしているのかな?」


 読んだ全員がいることを確認した矢先、約一名怪しい動きをしている男を見つけたハーネイトは、静かに背後から声をかける。


「ギクッ、な、なにもしてないぞ?」


「していただろ、ってこれはどういうことだ?仕込み唐辛子か?」


 八紋堀はこっそりと携帯していた袋からとてつもなく赤い粉末が入った容器を取り出してうっとりしていた。ハーネイトは以前彼と試合した際に卑劣なトウガラシの罠にはまったことがあるためそれが何かすぐに理解できた。


「殺さず無力化するにはこれが一番だと思ってなあはははははは」


 八紋堀は話を聞いて、ハーネイトがかつての教え子である若者をできるだけ無事に回収しようとしているのをすぐに理解したため、動きを封じるアイテムでも使えば目的が達成できると踏んで用意してきた代物だったが、その中身が非常に問題があった。


「こちらにも被害出るんでやめてください。てかそれは劇物指定されているデスビリスじゃないか」


「おおう、知っておったか、空気中に存在するだけで強烈な炎症を引き起こす……」


 アクシミデロでは異世界から渡ってきた植物も多く存在するが、固有種と掛け合わせた種も存在する。八紋堀はそのあたりの品種改良に長けており、穀物の品種改良も行っていたが秘かに危険な実験を行っていた。


「はいはい、もはやそれは化学兵器か何かですか?周りに人がいないときに使ってください」


「ええんかよ、ハーネイト」


 ため息を大きく吐いてから適当な返事を交え八紋堀にくぎを刺す。それを見ていたボガーノードは止めなくていいのかと呆れていた。しかしこれには理由があった。


「ボガー。この人は私でも止めるのが難しい変人でしてね」


「まじかよ、んな奴が一緒だと不安しかないぜ」


 ハーネイトと八紋堀の関係はそこそこ長く、長年好敵手として、戦友として戦ってきた仲である。それが故に互いの性格や弱みも知っている。だからこそ止めても無駄だと思い注意だけはしておこうとしたのであった。


「それをわたしがどうにかするのだ、他のみんなも聞いて、明日の朝一から実戦練習をおこなう。バトルする場所は案内するから今のうちに休息をとって」


 ボガーだけでなく部屋の中にいる全員に対しハーネイトは、明日以降の指示を行った後ソファーに横たわるとだらしない格好であっという間に眠りについた。


「眠るの早っ!まあ、仕方ないっすね」


「私たちも休みましょう、リシェルさん」


「ああ、そうだな。ロイさん、眠る部屋はどこにありますか?」


「一階にある会議室を使えばよい。確か毛布とかあったはずだ」


 リシェルや南雲たちも一旦休息をとるためロイに訪ね、部屋まで行くと各自休息をとっていた。


「わかりました、では寝させてもらいます」


「いつも寝ているのではないのか?しかし故郷から離れた土地でこのようなことを行う羽目になるとはな」


「シノさん、僕たちも休みましょう」


「そうだな、いい仕事はいい休息をとって初めて為せるという」


 そうして全員が眠りにつき、次の日の朝早く、ハーネイトたちは街中にある競技場に足を運んでいた。全員が動きやすい服装で準備しており、ハーネイトもいつものコート姿ではなく黒のノースリーブとズボンをはいていた。


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