始まり
第1話 これは、ある、少女の話である。
少女の名前は莉瑠。現在16歳、高校生。話は10年以上前にさかのぼる。
ー16年前ー
少女、莉瑠が誕生した。冬の雪が降り始めた頃であった。体重は平均よりやや少な目に生まれたがすくすくと育った。
そして、莉瑠が3才の時。莉瑠が母親に「寒い」と言ったために彼女の母親はストーブのすぐ近くに布団をしき莉瑠を寝かせた。その結果、莉瑠は一生消えない程の火傷のあとを右足の足首から膝下までにかけて負うことになった。だが、莉瑠は不思議と、もともとそういう性格なのであろう、10年以上たった今でも気にしていない。
そもそも、莉瑠の母親は18歳という若さで莉瑠を産んだ未婚の母なのである。もちろん、高校には通っていなかった。莉瑠の母親は気性が荒く、また、学校にも通っていなかったため様々な面において知識と技術と経験が足りなかった。そして、彼女もまた、てのかかる子ども時代を過ごしたため、両親に十分な愛情をもらえなかった。そのたま、母親としての愛情、責任がわからず、自分がされたことを真似て、莉瑠を育てることしかできなかった。それは、自分にとって嫌なこと、不服なこと、莉瑠が都合よく思い通りにならなかったりすると、教育として叩く、蹴る、暴言を吐く、などといったことだ。具体的には、莉瑠は幼い頃から活発でいたずら好きな女の子であった。そのため、母親の言う事を聞かない事もあった。そんな時、莉瑠の母親はまず叩いた。自分が幼い頃されたように我が子をも叩いた。「悪いことをしたんだから叩くのは当たり前ー」そんな最低で自分勝手な理念が彼女の中で生まれていた。莉瑠は、詳しくは覚えていないのだが、母親の言う事を聞かず、母親の財布で頭を叩かれ、ちょうど金属の金具の部分が莉瑠の頭に当たり、莉瑠が頭を押さえて泣き出そうとした時。莉瑠の手にヌルッとした感触があった。見てみると、血が。赤い血が。自分の手に赤い血がついている。頭から血が出ている。それを、母親に訴えすぐさま皮膚科へ行った。その際、母親は莉瑠に「ドアに頭をぶつけた、って言うんだよ。」と、話して来た。何故?だって、正直にお医者さんなね話せばきっと母親は何らかの形で処罰され私は二度と叩かれないのではないかー。幼いながらも、莉瑠はそう思った。だが、正直に話した後、母親にさらに叩かれるのではないか、という恐怖に襲われ何も話せなかった。また、莉瑠は叩くことは嫌だし一般的にダメなことと理解していたものの、叩かなければ、母親は優しいし、母親がいなくなれば自分はどうやって生きていくのだ、と別の恐怖にも襲われていた。幼いゆえに信じたかったのだ。母親は世界一で優しいのだ、と。結果、莉瑠は全治1ヶ月。当初小学2年生だった彼女は1ヶ月の間教室では帽子を被ることとなった。自分では見ることができないが16歳の今でも傷跡は残っているらしい。ここでは、もはや、虐待と言っても良いだろう。その虐待とも言える酷い仕打ちは他にもある。莉瑠が何か言う事を聞かなかった時、泣きながら謝る莉瑠を母親は当初家の玄関の外にあった鍵付きの曾祖父お手製の小屋にひきずりながら閉じ込めた。そこは、暗くていつまでもそこに閉じ込められるのではないかーという恐怖があり、莉瑠はただただ「ごめんない!」と、言いながら泣き叫ぶことしかできなかった。また、莉瑠の母親は三人姉妹の末で当時莉瑠は、莉瑠の母親と母親の姉二人《莉瑠の叔母》、そのうちの次女の息子《莉瑠の従兄弟で3学年上である。》と、莉瑠の母親の両親《莉瑠の祖父母》の計7人で祖父母の家、実家で暮らしていた。 そんな、ある日ー
莉瑠は、莉瑠の母親の姉の、次女の誕生日プレゼント用にラッピング用の紙袋が欲しかった。そんな時にもう一人の母親の姉、長女の部屋にとびきりかわいい紙袋があるのを発見した。莉瑠は、普通に頼んでも叔母ははくれないだろうと思い、莉瑠は黙って持ち去った。すると、すぐに叔母は気付き莉瑠に「知らないか?」と、尋ねた。もちろん、莉瑠は怒られる、と思ったため知らない、と嘘をついた。最終的には、叔母にベルトの金具の部分で何度も、複数回に渡り殴られることとなった。
現在、この物語を書いている私は現役の高校生です。そのため、知識など、まだまだ至らない点はこまざいますが、応援してくださいますよう、よろしくお願いいたします。また、この物語を通して、読んだ方が何かを感じとり、考え、そして、より多くの方、世界にこの物語の本質が伝わればな、と、思います。
ここまで、私の物語の読んでくださり、誠にありがとうございました。