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Grim Reaper Blood  作者: んご
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9話 早朝の買い物2

「あ…ごめんちょっと行きすぎっちゃった」

そう言って来た道を引き返すロータス、これで三度目だ。


ソフィアさんと別れてからというものずっとこの調子なので少し気にはなるのだが聞いても答えないので(声をかけたこと自体に気付いてない可能性もあるが)自分から言うまでは放っておくしかない。



そうしてどこか上の空なロータスの案内で何とか武器屋に到着する。

武器屋と言ってもたいていの店に置いている物は一般市民向けの護身用の物が殆どで品揃えはよくはないらしい、というわけで今着ているのは自警団や軍に武器を納入している店らしいのだが他の店と比べると少し値段が高いようだ。


ロータスも店に入って数分ほど経ったところで立ち直ったのか考えることをやめたのかは分からないつも通りの雰囲気に戻って鼻歌交じりに武器の陳列された棚を眺めている。

まぁよくわからないが普段通りに戻ってくれたならそれで良しとしよう。


今持っているナイフはまだまだ使えそうではあるのだが昨日の野犬との戦闘の一撃だけで刃が欠けてしまっている、初期装備だけあって耐久度はそこまでないのだろう、できるだけ長く使えるように丈夫そうなものを選ぼうとは思うのだが服同様に武器のステータスも数値化されていないのでフレーバーテキストが頼りだ。


だがやっぱりこのフレーバーテキストという物はいまいちピンとこない言い回しが多い、ナントカの材料でできているとかどういう作りだとかそんな文章の後に一言「割と丈夫」とか「そこそこ丈夫とか」付け加えられているだけなのだ、なんだよそこそこ丈夫って、割と丈夫とどう違うんだよ…。


一人で悩んでいる間にロータスは必要なものを買い終わったらしく声をかけてくる。

「何かいいのあった?」


「いや、フレーバーテキストだけじゃいまいちピンとこなくてさ」


「まぁあんまりあてにならないからねぇ、実際に持ってみて重さとかバランスとかそういうので選べば問題ないと思うよ」


「そういうもんか」

要するにリアルで道具を選ぶのと同じ感覚で選べって事か?だがナイフなんて普段使わないものを選ぶ基準というのがよくわからない。


考えてもきりがなさそうなので実際にもってしっくりきた物でいいか…。

そういう訳で適当に幾つかのナイフを手に持ってみて一番しっくり来たナイフを買うことにしたのだが、選んだナイフのお値段なんと金貨8枚、他のナイフが平均金貨2枚前後なのを考えるといくらなんでも高すぎる。


気になってフレーバーテキストを見てみる


ダマスカスナイフ:

一部の地方でのみ生産されるダマスカス鋼で作られたナイフ、非常に強靭で薄い金属板程度なら簡単に切り裂ける。



なんか聞いたことある単語が出てきた、ダマスカス鋼って生産方法が途絶えて再現できなくなったんだっけ?

そんなことより今までのナイフのフレーバーテキストはそこそこ丈夫とかだったのが非常に強靭って表現になっているあたり耐久度はかなり期待できるんじゃないだろうか、値は少し…というかかなり張るがこれにしよう。


ロータスは買うときに払った金額を見て一瞬驚いたようだがナイフのフレーバーテキスト見たら納得したようで何も言わずに頷いたのでどうやら値段に見合うだけの物ではあるようだ。


早速新しく買ったナイフを腰のシースに差して今まで使っていたナイフは店のNPCがおまけだと言ってくれたブーツ用のシースに差す。

ついでに買った投げナイフ用のナイフ入れをコートの内側に着けて洞窟で拾った小型ナイフを差せば見事に全身ナイフだらけだ。

投げナイフは外から見えないからパッと見だとそうでもないか…?


こうなってくるとナイフ以外使わない気がしてくる、洞窟で拾ったレイピアと槍は売ってしまおう。

この店は買取もしているみたいなのでちょうどいい、ロータスがそのくらいの間合いの武器もあった方がいいというのでレイピアを1本だけ残して槍とレイピアを売りレイピアの鞘を買う。

レイピアはそこまで高くなかったが槍はあまり出回っていない武器ということでそこそこの値段で買い取ってもらえて合計で白金貨1枚と銀貨5枚、ここでの買い物の支出と合わせて考えれば金貨1枚プラスだ。

買い物しに来たのに結果的に所持金が増えてるっていうのは不思議な感覚だ、ゲームショップで古いゲームをまとめて売って新しいゲームを買うときの感覚に近いかもしれない…というか全く同じだな。


取り敢えずこの店でやることはもうないので防具屋へと移動する。

入った店は防具屋といったものの実際は金物屋で防具のみを売っているわけではないようだ。

ゲームの設定では防具屋という物はなくこういう防具も扱っている店をプレイヤーがまとめて防具屋と呼んでいるらしい。


店に入ってロータスの先導で鍋やら包丁やらが並んだ棚を通り過ぎて、籠手や胸当てが並んだ棚の前へ

「ベル君は近接武器しか持ってないからこの辺の軽いやつの方がいいかな」

そう言ってロータスが差した棚の防具は確かに軽そうなものが多い、この中から選ぶとしよう。

胸当てはコートの内側のナイフを取るときに邪魔になりそうなので着けない方がいいか…というかナイフ入れとそこに入ったナイフである程度の攻撃なら防げそうではある。


籠手は買っておくべきだろう、脛当ては重そうなので金属板のついたブーツにしておく、腰に着ける装甲もあったがレイピアを装備するなら邪魔になりそうなのでこれもパス


買ったのは籠手とブーツでこれも早速装備する、これから訓練だからレイピアを腰に提げているのは邪魔かもと思ったが「実戦で使うなら常に提げてるんだから訓練中も装備してた方がいいんじゃない?」とロータスに言われたのでレイピアも装備する。


店を出た後はロータスはやることがあるというのでその場で別れ、僕は自警団の訓練場へと向かう。

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