54話 暗殺ギルドハーメルン支部拠点制圧作戦7 合流
アリスからの連絡がきた。
報告を聞きながら見取り図の該当箇所にチェックを入れていく。
条件に当てはまる場所は3つ、その中からアリスの現在地に一番近い場所を選ぶ。
早速選んだ場所へと移動し作業を始める。
作業と言ってもあらかじめ準備していたのでやる事はそんなにない。
準備しておいた導火線と爆薬を直径2mほどの円形につないだものを床に置いて離れた場所の物陰に隠れる。
起爆用の紐を引き爆破する。
数回の爆発の後円形に切り取られた床板が下の階に落ちて音を立てる。
下の階には誰もいなかったが急がなければ場発音を聞いたものが来るだろう。
ロータスには待機してもらい僕だけ床の穴から下の階へと降りる。
そして先ほどと同じ円形につないだ爆薬で床に穴をあける。
「なんだ!?」
階下にいた敵が驚いたような声を上げる。
アリスから敵がいることは聞いていた。
報告通りなら数は三人、敵の強さにもよるが奇襲であれば十分に勝機はある。
迷わずに床の穴から飛び降り真下に居る敵をレイピアで脳天から突き刺す。
直ぐに反応した別の敵がナイフで切りかかってくると同時に自動迎撃が発動して体感速度が一気に下がる。
レイピアから手を放し絶命した敵を蹴り飛ばし宙返りでナイフを避ける。
反応の遅れたもう一人の敵がこちらにボウガンを構えるがアリスに後ろからナイフで刺されるのを横目で確認しつつナイフを空ぶった敵の手を蹴りナイフを飛ばす、続けて敵の頭に回し蹴りを放つ。
敵は咄嗟に腕で防ぐがそのまま吹き飛び壁に激突して気絶した。
「ベルさん!」
アリスが安堵の表情で駆け寄ってくる。
「怪我はない?」
「はい!大丈夫です」
「じゃあ早いとこ逃げよう」
敵の頭に刺さったままのレイピアを回収してアリスを抱え上げる。
アンカーショットを天井に打ち込んで絶影を発動しながら巻き取りボタンを押し込み上へと戻る。
さて、合流はできたがこの後は?
地上の戦闘はそろそろ片付く頃合いだろう。
気になるのはミスティの方だ。
視界の端に映っているPTメンバーのステータスを見るとミスティの体力は8割以上あるから無事ではあるのだろう。
支援に行くべきだろうか?
連携面で考えれば僕とロータスだけなら問題はないがアリスが入ると少し不安だ。
ミスティについては不安しかない。
開けた場所ならともかく室内では邪魔にしかならないと思う。
取り敢えず本人に聞いた方がはやいか?




