51話 暗殺ギルドハーメルン支部拠点制圧作戦4 地下2階遭遇戦
前回の更新から大分間隔があいてしまっていて申し訳ないです。
そして今回も短めなのです。
多分夏ぐらいには仕事の方も人員的に余裕ができてるはずなので、少しペース上げれると思います!(多分
様子見とは言ったもののやっていることはあまり変わらない。
取り敢えず嫌がらせのようにちまちまと敵を倒しつつ下の階へと続く階段へ向かう。
途中で小部屋を見つけたので小休憩。
「それで、どうしますか?私はこの階の制圧は諦めてこの階より下で合流した方が良いと思いますが」
淡々と自分の意見を述べるミスティ。
「私もそれでいいと思うよ」
ロータスも特に異論は無いようだ。
「そうだな、ギルドマスターとの遭遇も避けたいし早く下の階に降りるか」
「そうそう、こんな風に遭っちゃうのも嫌だしねぇ」
そうそう……!?
声がした方向に振り向こうとした瞬間にはミスティが動き出していた。
右腕から蒸気を噴き上げながら声の主に襲い掛かるミスティ。
衝撃音と同時に身を焼くような大量の蒸気が部屋中に広がる。
「いてて、おいおい勘弁してくれよ、この腕当て高かったのにさぁ」
薄れてきた蒸気の向うにはミスティの拳を腕で受け止め軽口を叩く謎の人物。
その腕に嵌められていたのであろう壊れた腕当てが地面に落ちて音を立てる。
今もミスティの拳を受け止めたままの腕からは血が流れていたが数秒もしないうちに傷口が塞がったようだ。
蒸気越しに見える金色の瞳とにやにやと笑う口元の牙、間違いなく吸血鬼だ。
誰かという予想はあるのだが余り当たっていてほしくない。
「やぁやぁ、初めまして、君たちはヤタガラス所属の暗殺者だね?」
ミスティは相手の言葉を無視して再び蒸気を噴き上げながら殴りかかる。
「おいおい、話しを聞くぐらい良いだろう?」
謎の吸血鬼はミスティの拳を掌で受け止め余裕そうな表情を崩すことなく続ける。
「俺はハーメルンのギルドマスター、マグス・ヴェーザー、あ、予想通りって顔だね?まぁいいや、正直俺としてはここの馬鹿共が持ち帰った荷物を奪い返されようが、この拠点が壊滅しようがどうでもいいんだけど……これだけギルドメンバーを殺されてると立場上逃がすわけにもいかないよねぇ?」
マグスが話している間もミスティは体中から蒸気を噴き上げ攻撃を続けるがマグスは気にした様子もなく攻撃を捌き表情を崩さない。
どうするか?
戦闘は避けられない、こうなった以上アリスとの合流は中止だ。
アリスに合流中止とだけメッセージを送りどうやってここから逃げるかを考える。
シグは遭遇しても何とかなると言っていたがミスティの攻撃を余裕で捌き続けるマグスに勝てるとは到底思えない。
「ベル!ロータス!先に行け!!」
叫ぶミスティ。
確かにミスティが足止めして僕ら二人だけで逃げるなら可能性はある。
どうする?
そう視線で訪ねてくるロータス。
そんなこと考えるまでもない。
一瞬のアイコンタクトの後僕とロータスは同時に動く。




