50話 暗殺ギルドハーメルン支部拠点制圧作戦3 地上階~地下制圧戦
曲がり角から顔を出す。
廊下の突き当りに敵が二人。
ロータスとタイミングを合わせて投げナイフを投げる。
ナイフは放物線を描いて敵の頭に命中、本日何度目かのヘッドショットだ。
そして目の前の見方が倒たことで慌ててこちらを振り向こうとする敵の頭にロータスの放ったクロスボウの矢が刺さる。
連携に問題はない、敵もさほど強くはないし数も多くない、敵の拠点の中とは思えないくらいだ。
こうして順調に上階から制圧してこの階で上から四階目だろうか、というかこの建物はどのくらいの大きさなのだろうか?
外から見た時には三階建てぐらいに見えたのだが。
「ミスティ」
「なんですか?」
「この建物って何階あるんだ?」
「さぁ、そこまで詳しい情報は私も、というかさっき見取り図拾ってませんでした?」
あぁ、そうか、そんなものも拾っていたな……。
ロータスが広げた見取り図を三人で見る。
見取り図には十階分描かれているが十階?
「外から見た感じだと此処ってそんなに高くなかった気がするんだけど十階あるのかこれ」
「いえ、おそらくこの建物の半分以上は地下でしょう、というか外から見たとき窓は三階分でしたから現在地も地下ですね」
なるほど、そりゃそうか。
「それでアリスちゃんは何階に居るのかな?」
「本人に聞けばいいんじゃないですか?」
という訳でアリスに通信を送る。
「あ、ベルさん、そちらの状況は?」
「こっちは屋上から順番に制圧して今四階目、見取り図だと地下一階、そっちは?」
「今丁度1つ上の階に上がったところです、先ほど私も見取り図を入手しましたが残念ながら私は最下層の地下七階にいたようです」
道のりは長そうだな、ギルドマスターと出くわす可能性もあるからできれば早いところ離脱したいのだが……。
「わかった、取り敢えずこれからは一階移動するごとに連絡しよう」
「はい、わかりました」
話が終わったので通信を切る。
取り敢えずこれで行き違いになることはないだろうが、どちらかがギルドマスターに出くわす気がする。
アリスは制圧しながら進んでいる訳ではないので可能性的にはこちらの方が高いのか?
まぁなるようになるだろう。
さっさと地下一階も制圧しようか。
地下一階の制圧も完了、特に強敵との遭遇もない、少し気が抜けそうになる。
見つかると面倒なことになるのは確実なので注意しないといけないのだが飽きてきたというのも本音だ。
別に強敵に会いたいという訳でもないけど……。
アリスに地下一階の制圧が終わったことを連絡して地下二階へ降りる。
地下二階の制圧は少し難航しそうだ……なんかやけに人が多い、ミスティ曰く見取り図も地下二階だけ他の階より少し大きいから何かしらの重要な物があるかもしれないしギルドマスターがいる可能性もあるとかなんとか。
地下二階は制圧せずに通り抜けて地下三階から下で合流する手もあるが背後を大勢の敵に取られたままというのは少し不安でもある。
ということで少し様子見してから決めることになった。




