47話 降下?
あけましておめでとうございました。
んごです。
気が付けば新年も2週間近く経過していました。
年末年始なんて関係なく仕事に忙殺される日々でした……おかげでお給料は良かったです()。
今年もよろしくお願いします。
仮想の夜景に感動していると雰囲気ぶち壊し気味な効果音とともにウィンドウがポップアップしてきた。
〈大規模クエスト参加の為大規模戦闘無線通信に参加します〉
参加しますって拒否権ないのか、いや拒否する理由もないけどね。
確認ボタンを押してウィンドウを閉じると一気に情報量が増える。
使い方がいまいちわからないので今更ヘルプを呼び出して説明を読む。
自分に向けられたもの以外の発言は音量はある程度絞られているらしいがそれでもいくつもの会話が飛び交っている状況ではそれなりの大きさにはなる。
無線の音量自体を少し下げておこう。
発言するときは通常のパーティーチャットとは違い発言する相手を予め選んでおく必要があるようだ。
初期状態だと自分のパーティーでショートカットで全隊とパティー毎に選択できるようになっている。
個人やパーティーを超えた複数人に送る場合は自分で選択しなければならないようだ。
まぁそこまで難しい物でもないし使っているうちに慣れるだろう。
使い方を覚えたところでミスティから声がかかる。
「無線の周波数は合わせたようですね、では今回の作戦の概要を説明します」
「あれ、そういえばまだ聞いてなかったっけ?」
ロータスの気の緩み切った返答にミスティーはため息を吐く。
「この作戦にあなた方が参加して本当に大丈夫なのか不安になってきました……」
あなた方ってことは僕も含まれてるのかな?
「まぁいまさら言ってもしょうがないですね、作戦といっても今回はギルド同士の総力戦になるので細かな指示は状況に応じてギルドマスターから伝えられるでしょう、ヤタガラスとしての今回の目的は敵対ギルド拠点の破壊です、そして私たちの目的はお二人の仲間の拠点からの救出です、今回は戦力差に余裕があるため他のパーティーは全て正面から拠点の攻略に入ります、戦闘が開始したら混乱に乗じて上空から屋上に降下、建物に侵入します」
うん、なんというかまぁ予想通りといえば予想通りの作戦ではあった。
「何か質問は?」
「特には」
答えるとミスティは満足そうにうなずく。
「そうですか、ではもうすぐ目的地に到着します、屋上にも当然敵は居るでしょうから気を引き締めてください」
そういえば屋上への降下って具体的にはどうするのだろうか、高速で屋上に突っ込むってことはないと思うけれど……。
そんなことを考えている間にハーメルンの拠点らしき建物が見えてきた。
そこまで大きくはない、2階建てか3階建てだろう。
「ご主人様、予定ポイント通過しました」
ミスティが無線機に告げると返答の代わりにシグの全体への命令が返ってきた。
「作戦開始、一人残らず殺せ」
直後に銃声が鳴り響きいくつもの火矢が灯りの尾を引きながら拠点に向かって飛んでいく。
「惚けていないで私たちも作戦開始しますよ」
ミスティは呆れたように言うとさらに速度を上げ拠点へと近づく。
拠点の真上に近づいてきたところでふとさっきの疑問が頭をよぎる。
「ミスティ、一つ聞き忘れてたんだけど」
「何ですか急に」
不機嫌そうに言うミスティ。
「降下って具体的にはどうやって降りるの?」
ミスティは数秒ほど考えた後口を開いた。
「どうやってと言われてもこうやってですが」
ミスティが言い終わると同時に一瞬の浮遊感、そして直後に重力にひかれて地面へと急降下する僕とロータス。
うん、こうなる気はしてました。
「おあぁあああああああああああああああ!!」
乙女の物とは思えない叫び声を上げるロータス。
「ではご武運を」
そしてなぜか嬉しそうな声で一言告げるとミスティは高速で離脱する。
このゲームのNPCって無駄に性格悪くない?
そんなことを思いながら僕は【絶影】で落下速度を落としつつため息を吐いた。




