43話 敵についての情報
予定は未定といいますが、今年二度目の風邪をひいたせいで連続投稿のはずがここまで延びちゃいました……。
隣で不思議そうに僕を見つめていたロータスに事情を説明してアリスを救出するまでログアウトは延期にウェルターさんに通信をかける。
ウェルターさんにそのまま待つように言われてから数分、思ったより早く掛かってきた通信に出ると掛けてきた相手はシグさんからだった。
「やあやあベル君久しぶり……というほどでもないね、昨日ぶりかな?まぁいいや、荷物の移送は失敗は痛手だったけど敵の拠点の情報が手に入ったのはそれ以上の価値がある、君たちにはまたお礼をしないとな」
「いえ、今回の事についてはアリス個人の手柄ですよ僕は何もしてませんし」
「そう謙遜するな、この情報は他の組織に渡してそれなりの値が付くものだし、この情報の秘匿がアリス奪還のための交渉材料にもなっただろう。そんな情報を君は伝えてくれたんだ相応の礼はさせてもらう」
一通り言い終えるとシグは本題に入る。
「さて、お礼云々はさて置き本題だが、ヤタガラスは準備が終われば直ぐにでも奪われた荷物の奪還作戦を開始する君達も参加するつもりはあるかい?」
「どのみちアリスの救出に行かなければいけませんから便乗させてもらえるなら願ったりかなったりです」
「そうかい、それはよかった、まず相手についてだが拠点の場所から考えてハーメルンという組織で間違いないだろう我々と同じ暗殺者のギルドだ、本拠地は別の場所にあるが支部がそのあたりにあるという情報がいくつか上がっていたんだ、別段敵対している訳でもなかったが今回の件で相手組織への敵対は確定だな、まぁこれはベル君には関係ない話かもしれんが」
「相手が分かったのはいいんですけど、アリスが居る拠点の正確な場所っていうのはわかるんですか?」
「それについてはこちらの者に今調べさせているところだがそう時間はかからんだろう、アリスがよこしてきた位置情報ならあいつ自身が正確じゃないと言っていようとほぼ正確だ。あいつは目隠しと耳栓をして列車で移送しても正確な位置を把握してるだろうさ、野生の感ってやつかね?」
思ったより早く準備が整いそうだな……。
「そうですか、なら特に問題はなさそうですね、こちらも直ぐにプロシャンへ向かいます」
「いや、その前に本部に寄ってもらえるかな、少し用があるんだ」
用ってなんだ?まぁ行けばわかるか。
「わかりました、では直ぐに伺います」
「あぁ、待ってるよ」
そういうとシグは直ぐに通信を切る。
通信の内容をロータスにも話しつつ用の無くなった宿から出てヤタガラスの本部を目指す。
通信を切る直前のシグの微妙な笑い声のせいで多少の不安感はあるが大丈夫だと思いたい。




