37話 プロシャンへ
上司「お盆休み?そんなものはありません」
僕「ウィッス」
という訳でお盆なんて関係なくいつも通り仕事してました。
短めですいません
いくつか店を回りながらコルヴォさんの隠れ家で回収した武器や道具を売っていく、どれも結構いい値段で売れるので合計額は白金貨が数十枚というびっくりする金額だった。
ふと空を見上げると良い感じに日も傾いてきているので僕はホクホク顔で自警団の訓練所へと戻る。
訓練所で射撃訓練を続けていたロータスとアリスと合流してから夕食を済ませて宿へと向かう。
宿への道中ロータスがふと思いついたように口を開く
「ねぇ昨日は殆ど訓練所だったし明日はクエストついでにどこか出かけようよ」
僕としてはコルヴォさんの追手の一件で割とアグレッシブだったのだがそれを言って水を差すこともないので頷いておく。
「そうだね、訓練じゃレベルも上がらないしそろそろ次の街にも行きたいしねぇ」
「私はベルさんが行く所ならどこへでもついていきますよ」
なんだか恥ずかしいセリフな気もするがアリスも乗り気のようだ。
「じゃあ行先はプロシャンか、前に行ったときは碌に観光も出来なかったから明日は片っ端から見て回らないとね!!」
プロシャンと聞いた瞬間アリの肩が一瞬ビクンと跳ねたが見なかったことにしてロータスの言葉に頷いた。
そんなことを話しているうちに目的の宿に着いたので部屋を取ってそれぞれ休むことにする。
吸血鬼なので眠らなくてもペナルティはないがやる事もないので朝まで眠ることにする。
眠ると言ってもこのゲームでは睡眠時に思考を減速させるので感覚的には一瞬なのだが……。
そんなことを考えつつ目を閉じて開けるとゲーム内時間が一気に8時間ほど進んでいた。
さて時間的に今日の夜にはログアウトしなければいけない、1日といっても意外と短いものだし無駄にしないようにしなければ。
ベッドから起き上がると身支度を整えてーーといっても武器や防具を装備するだけだがーー部屋から出て1階のレストランへと向かう。
ロータスとアリスは先に降りていたようで既に隅の方のテーブルを確保していた。
二人が朝食を食べるのを眺めつつアイテムパックから取り出した獣の血を飲んで朝食を済ませ、用もないのでチェックアウトを済ませる。
宿屋を出たところでロータスが機嫌よさげに尋ねてくる。
「さて、何かこの街でやっておかないといけない事とかはない?」
「僕は特には」
「私も特には」
僕とアリスはいつも通りなのでテンションの差がすごいのだがロータスは特に気にした様子もない。
「よし!じゃあ早速プロシャンへ行こう!!」
というやたらとテンションの高いロータスの声を合図にとぼとぼと街の中心にある駅へと歩き出す。




