36話 復讐者の効果的な訓練
ロータスとアリスの影が薄い件について
絶影を駆使して高速でエーアストへと戻ってきた僕は取り敢えずロータスへエーアストに到着したことをメッセージで伝える。
直ぐにメッセージが返ってきたので確認するとアリスと一緒に自警団の訓練所にいるらしい。
訓練しておきたい武器もいくつかあるし僕も訓練所に行くとしよう。
自警団の訓練所に入るとまだ時間が昼過ぎということもあってか混雑というほどではないにしてもそれなりに人がいるようだった。
人の多い依頼の張り付けてある掲示板前はスルーして受付に向かう。
ソフィアさんは居ない様でナイフの訓練はできないとのことだった、ならレイピアの訓練を受けるとしよう。
受付で訓練費を払って、奥の訓練用の部屋へと向かう。
途中で銃の訓練をしているロータスとアリスとあったので夕方に訓練所の前で待ち合わせをしておいた。
レイピアの訓練をしている者は他には居ないようでナイフの訓練の時と同様にレイピアの訓練スペースはNPCの教官と僕だけだった。
基本的な構え方や武器の扱い自体はコルヴォさんに教わっているので、NPCの教官に実戦形式の訓練をお願いする。
それにしてもこの教官のNPC無駄にイケメンで少しイラッと来る。
イケメン死すべし……とそんなことは置いておいて訓練に集中しよう。
数戦ほど実戦形式の訓練をやってみたのだが、このNPCあまり強くない……といっても比較対象がコルヴォさんなので何とも言えないが、実際に数回は僕が勝っているのだ。
なんというか戦い方が綺麗すぎるのだ、レイピアの扱いという点では正しいのかもしれないが、実戦ではあまり手本には出来そうもない。
それに吸血鬼の僕の筋力に負けているというのもあるのだろう、何度か木剣を落としてしまうこともあった。
これではどちらの訓練なのか分からないな。
その後数戦してから区切りのいいところで訓練を切り上げる。
これからレイピアの訓練はヤタガラスの訓練所で受けてみよう、ヤタガラスの訓練所でもこの調子ならコルヴォさんに頼めばいいだろう。
といってもコルヴォさんと連絡をとる手段がないので少し先の話になるかもしれないが。
そんなことを考えながら訓練用の部屋を出ると視界の端にウィンドウがポップしてくる。
・必要条件のクリアを確認、スキル【レイピアマスタリー(自警団:初級)】を獲得しました。
・必要条件のクリアを確認、スキル【レイピアマスタリー(自警団:中級)】を獲得しました。
・必要条件のクリアを確認、スキル【レイピアマスタリー(自警団:上級)】を獲得しました。
「うおっ!?」
一気にログが流れて少しびっくりした。
レイピアにもナイフマスタリーと同様の訓練スキルがあったようだ。
よく見てみると前回とメッセージが少し違う、前回は所要時間を超えたから取得ということだったが必要条件ってなんだ?
教官に勝ったからか?それともレイピアの場合は何かの条件を満たせば取得できるのか?
ナイフの訓練で勝てば確認できるだろうけど、ソフィアさんに勝つ、というのは少しというかかなり無茶な話だと思うのだが……。
ともかくスキルの詳細を確認しておこう。
レイピアマスタリー(自警団:上級):
自警団の訓練所で一定時間以上レイピア訓練を受けた証。
レイピアの攻撃力、攻撃速度にボーナスを得る。
レイピアの戦闘使用による損耗を軽減する。
専用技:
・アーマーピアシング
・アクセル
なんだこれ……。
ナイフマスタリーの初級がショボかったからあまり期待していなかったのだが上級だからかスキル効果もそれなりに使えそうな効果だ。
それに何より専用技というのがかなり気になるところだ。
早速専用技の詳細も見てみよう。
アーマーピアシング:
技使用時レイピアでの刺突攻撃に限り相手の防具の刺突耐性を一定数値無効化する。
技使用中のレイピアの損耗が激しくなる。
アクセル:
一歩分の移動速度と移動距離を上昇させる。
ふむ、アーマーピアシングについてはマイナスの効果もあるので何とも言えないがアクセルについては可なり汎用的な技だと思う、単純な移動技だから自動迎撃との相性もいいだろう、何方もレイピア専用技なのでレイピア使用中にしか使えないが……。
スキルの確認も終わったし次の事を考えよう。
レイピアの訓練を早く切り上げてしまったせいで変に時間が余ってしまった。
ショットガンがあるから銃の訓練というのもいいが、コルヴォさんの隠れ家で引き取った大量の武器をどうしようか、自由に使って良いと言ってあの場に残していった物だから売ってしまっても問題ないと思う。
という訳で使わない物を売るためにいくつか店を回るとしよう。
そろそろあらすじの文章も付け足さないとなぁと思ったり思わなかったり




