25話 戦利品
少し短め
ナイフを仕舞ったところでウィンドウがポップしてきた、いつも通りのドロップアイテムの一覧だ。
盗賊たちは結構アイテムを持っていたようで大量のドロップアイテムがウィンドウに表示されている。
内容はと言えばリボルバー式の拳銃3つにクロスボウ2つから始まって、人血、弾薬に矢、金……etc。
アンデットポーションを飲んで体力を回復しつつそれを流し読みしていると少し気になる物があった。
・計画指示書【キーアイテム】
計画指示書
うん、フレーバーテキストが少しざっくりしすぎな気もするがキーアイテムと言う表記がかなり気になるところだ。
さっそく読んでみようとウィンドウを閉じたところで別のウィンドウがポップしてきた。
・レベルが上がりました
習得スキルを選んでください
ふむ、レベルアップのようだ。
レベル2に上がった時よりもずいぶん時間がかかった気もするが思えばまともに戦闘したのって数えるほどしかない気もする。
種族スキルを一つ選んでください
・影棲
・影霊使役
・絶影
前回とは違って物騒な名前はないが……やはり名前だけではいまいち分からないので詳細を見てみよう。
影棲:
人や物の影に入り込み隠れることができる、影棲中は日光の影響を受けない。
影霊使役:
自身と同じ姿の影を使役することができる、影霊の能力は自身のステータスによる。
絶影:
影を切り離し自身に掛かる重力を無効化することで壁や天井を歩くことができる、鏡などに自身の姿が映らなくなる。
なんというかどれもそこそこ便利そうだけど影霊使役は自身のステータスってことは武器を使えないかも?
んー、壁とか天井を歩けると言うのはパルクールとも相性がよさそうだな……。
と言うことで今回の種族スキルは絶影を取得する。
職業スキル【ステータス上昇率UP1】を獲得しました。
おや?どうやら職業スキルは今回選択肢がなかったようだ。
ステータス上昇率UP1:
攻撃を受けた際のステータス上昇率にボーナスを得る。
※この効果はリベンジスタンスに加算される。
サブ職業スキルを1つ選んでください
・罠作成(小型)
・罠作成(大型)
こっちは2つ、どうやら系統が分かれているようだ。
罠作成(小型):
隠蔽効果の高い小型の罠の作成や細工が可能になる。
罠作成(大型)
集団に対して効果の高い大型の罠の作成が可能になる。
どちらのスキルも気になるがここは好みで罠作成(小型)にしよう。
さてスキル選択も終わったことだしさっきの計画指示書を見てみよう。
計画指示書:
例の暗殺ギルドに入り込んだ者の準備が完了した。
予定通り鍵と資金の受け渡しを行う。
身代わりを用意してはいるが出来る限り暗殺ギルドの物には気付かれぬよう心掛ける事
うん、何の話だかさっぱりだ。
だがこの身代わりってひょっとしてアリスの事か?だとするとこのことはウェルターさんに伝えておいた方がいいかも?
でもウェルターさんとフレンド登録はしてないので連絡の取りようがないな……同じ場所で屋台を開いていれば良いのだが……。
何にしても取り敢えず自警団に戻って報告を済ませてからだ。
僕は視界の端の体力ゲージを確認してほぼ上限まで回復したのを確認してからもと来た道を引き返して下水道を後にした。
「ではこちらが報酬の銀貨5枚になります」
「ありがとうございます」
自警団の訓練所へと戻ってきて報告を終わらせて報酬を受け取る。
受付のNPCに盗賊が軍の者だったことを伝えたところ最近軍の不穏な動きが目立っているらしい、今回の事についてまた話を聞くために呼び出されることもあるかもしれないとのことだった。
夜明けまではもう少し時間があるが特にすることもないのでさっさと洞窟へ戻るとしよう。
洞窟に戻るまでに数回野犬に襲われたが全て武器を抜くまでもなく素手で吹き飛ばした。
洞窟に到着するとグール達は丁度狩りから戻ってきた所だったようで鹿を解体していたのだがその姿はなかなかゾっとするものがあった……下手なホラー映画よりも怖いぞこれ……。




