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Grim Reaper Blood  作者: んご
19/62

19話 復讐者、現実に戻る

完全に日が落ち切る前に何とか洞窟に到着、洞窟の入口に衛兵よろしく立っているグールに声をかける。

「こんばんは」


「こんばんはベルさん歓迎します……と言いたいところですがお連れ様はここでお待ち願えますか?」

すんなり入れてくれると思ったのだがそうはいかないようだ、まぁグールたちがここに来たのは人間に襲われたからと言うことだし当然だろう。

「ええ、大丈夫です」

そんなことを考えているとロータスとアリスが不思議そうな顔をしながら尋ねてくる。

「なんて言ってるの?」

種族に対しての交友ボーナスがマイナスになっていると話すことも出来ないと言うのはどうやら本当のようだ。

「二人はそこで待っててもらえるかって、僕一人で話を付けてくるよ」

「大丈夫なんですか…?」

僕がグールの言ったことを伝えると前から僕の話でここのグールの事を知っていたロータスは納得したように頷くのと対照的にアリスは心配そうに問いかけてくる。

「大丈夫だよ直ぐに戻ってくる」

本当に心配されるようなことはないので言い残して洞窟に入る。


すれ違うグールと挨拶を交わしつつ奥のグール・ロードの部屋の前に行くと何時もの様に天幕越しに待っていたかのような声がかかる。

「ベルか?」

「はい」

答えるとこれまたいつも通り天幕から顔を出して中に入るように勧めてくる。


「それで今日は何の用かな?」

「頼みがありまして」

「頼みか……いいぞ」

即答だった、内容も言ってないのに!!

「え、あの内容もまだ言ってないんですけど」

「お前には恩がある頼み事の1つくらいどうと言うことはない、だが一応内容は聞いておくか、どの程度力になれるかもわからんからな」

という訳でアリスの事を話してここに匿ってもらえないか聞いてみる。

「なるほど、そのくらいなら構わんよ、君の連れなら客人として扱おう」

「ありがとうございます」

話し終えるとこれまた直ぐに頷いてくれた。

「今日は君の部屋を使わせると良い、明日にはその者の部屋を用意しておこう」

そこまでは流石に悪いとそれに僕の部屋はまだ一度も使ってないのだ無駄に開けておく必要もないだろう。

「いえ、そこまでは申し訳ないです、僕の部屋に匿ってもらえればそれで充分です」

「そうか?まぁお前がそういうならそれでいいが……外に待たせているのだろう?もう大分時間が経っている早く中に入れてやるといい」

「はい、それではまた」

「あぁ、いつでも来ると良い」

思ったより長い間話込んでしまったのでグール・ロードの部屋を辞去してから少し速足で洞窟の入口へと向かう、と言っても特に何もないと思うのだが、そう思いつつも速足のまま洞窟の入口へ行くとなにやら騒がしい雰囲気。

まさかと思いつつ走って洞窟を出るとそこには……。


「よっしゃ!革命!」

「あぁっそんなぁ」

なんか見張りのグール2人とロータス達が大富豪をやっていた、馴染みすぎだろお前ら……。


「あ、ベル君遅かったね、どうだった?」

「お、おう……匿ってくれるって」

突っ込みたい気持ちを抑えつつ結果を報告するとアリスはほっとした表情で手札からカードを出して革命返しを起こした、あれ?これほっとしてるのは大富豪の流れの方か?

まぁいいか……。

大富豪も一区切りついたところで見張りのグール達と別れて洞窟に入る。

僕の部屋へと向かいながら少し気になったことを二人に尋ねる。

「そういえばどうやってグールとコミュニケーションを取ったんだ?」

「ん?筆談だよ」

なるほど文字はどの種族も共通だから筆談なら種族が違っても話せるのか、それならアリスがここでの生活をするのにもそこまで困ることはないだろう。

僕の部屋へに入る。

実は僕自身場所を教えられただけでこの部屋に入ったのは初めてだったりするのだが、部屋の中には毛皮を使った簡単なベッドロールが1つと武器や道具を置くための棚と箱、それに明かり用のランタンのみと言う簡素な部屋だった。

いやまぁ僕自身そんなに使ってないし何もなくても文句は無いぐらいなのだが、アリスが毎日使うとなると何か持ってきた方がいいだろうか?

「アリス何か生活に必要なものとかあればまた今度買ってくるけど、何かあるか?」

「いえ、寝床があるだけで十分です」

「そうかじゃあ必要なものがあったら言ってくれ」

「ええ、その時はお願いします」


と言うことで今日やるべきことはもうないのだがここでログアウトするか街に戻ってからログアウトするかどっちにするべきだろうか。

「ロータスどうする?街に戻ってからログアウトするか?」

ロータスに丸投げしてみた。

「街に戻っても宿代かかるしここでログアウトしよう」

「そっか、それもそうだな」

速攻で決まった。


ベッドロールはアリスに譲って床に寝ころんでログアウトを選択する。

少し気になったのでログアウトする前に次ログインするときにゲーム内では数日時間が経っていたりする訳だがその間のプレイヤーキャラの扱いってどうなるのかロータスに聞いてみると内部時間で1日以上経過してもNPCには前日会ったという処理になるらしい。

それを聞いて心置きなくログアウトした僕は前に見てから3時間ほどしかたってないはずの自分の部屋の天井を少し久しぶりに見たような錯覚を覚えつつゆっくりとベッドから起き上がった。

現時点のベルのステータスおさらい

レベル:2

吸血鬼

種族スキル

吸血


職業スキル

リベンジスタンス

アクロバット(職業共通)


サブ職業

罠探知

罠解除


エクストラスキル

パルクール

投擲


ユニークスキル

自動迎撃(知覚鋭敏化)

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