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第一話 まさかの


あぁ〜


自分は神谷かみや御神みかみだ。


〔神〕って使いすぎだと思うが気にするな。


それよりも〔みかみ〕って名前が女っぽくて自分は嫌なのだ。


つーか自分はよく【男】にナンパされる。


一応言っておくが自分は男だ。


学力は自慢できるものではないが、人にはよくかわいいと言われる。


具体的にはまつげが長い、パッチリ二重瞼、色つやのいい唇、高い声、童顔(泣)などがある。


それに華奢な体格が相まって女と思われるのだ。


が、そういった人間は例外なく地に沈めてきた。


実は自分、有りとあらゆる武道や戦闘術を幼い日から叩き込まれてきた。


親が二人とも格闘家だと言うせいで。


まあそれが今役に立っているので気にしないでおこう。


さてそんな自分がどこにいるかというと…




うん…


知らない森の中です。




そうなった経緯を話すと長くなるのでまたそのうちに話すとしよう。





「おい。そこのお前。」


自分ですか?


「うん?」

 

振り返るとそこには青を基調とした服にプレートアーマーを纏った小さく可愛らしい少女が慎ましすぎる胸を張って立っていた。


つーか何って言われても自分にもわかんねーよ。


「どうした?」


いやいやいやいや。


答えられない質問をしたのは君でしょうが。


「リディア隊長!」

声がした方を振り返ると後ろから身長が高くスラッとした男が走ってきた。


「あ。アノン副隊長か?」

「おや?その少女は?」



プッツン。



その言葉が聞こえた瞬間に自分は地面を強く蹴り、掌底を男の翠月に打ち込んだ。


「くっ、はっ!」


「なに!?」


「ぐっ!ッ!!」


見事に決まったな。


アノンと呼ばれた男は腹を押さえ地に踞っている。


自分はそれを冷ややかな目で見下ろす。


「貴様っ!」


すかさず少女も飛びかかってくる。


自分もそれに合わせ後ろ回し蹴りを放つ。


さすがに隊長というだけあって、反応は早いようだ。

側頭部を狙った一撃を自らの腕で守っていた。


それでも勢いは殺しきれず吹き飛んで木に叩きつけられた。


「がはっ!」


空気が肺から漏れる。



「驚いたな。今のは両方とも意識を刈り取るつもりだったのに。案外しっかり鍛えてるみたいだね。」


隊長が木にもたれ掛かったまま悔しそうにこちらを見ている。


「きさま…何者だ?」


「自分は神谷御神。」


「……ミカミ?」


「つーかさ、副隊長さん?」


副隊長もこちらに視線を向ける。


「自分は男だ。」


「えっ?」


「自分は男だと言っている。」


「そ、それは失礼しました。」


おぉ〜


案外素直じゃん。


「で、結局何のよう?」


「こっちがお前に聞いてんだよ。」



そっか。


「特になにをしていたという訳ではないが…。強いて言うなら迷子…かな?」


「まい…ご?」


「うん。迷子。」


言ってて恥ずかしいから何度も言わせないでほしい…。


「どうしてここに?」


「いや…自分に聞かれても。」


「「「……………。」」」

暫しの沈黙。


「そういえば、腰にあるそれはなんですか?」


「ん?腰?」


「はい。」


ホントだ。なんかある。


「形状的には剣のようですが…?」


「いんや。これは刀やね。」


「刀?」


「そう、刀。」


だってそういうしかないジャン。


「「「……………。」」」

なんで毎回この空気に?


「まあ、詳しいことは本国で聞かせてもらいます。」

「そう?」


ん?…ってそういえば。


「自分に拒否権は?」


「ありません。」


やっぱりね。



まあいいや。



また今度考えよう。






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