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未来AI HALO《はるお》君  作者: 米森充


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第10話 『予知能力』

 あの日をきっかけに友里恵と蓮は世界情勢や時事問題のニュースやネット動画を真剣な眼差しで見るようになった。

 もう目の前に繰り広げられる事件は他人事ひとごとではない。

 授業でシミュレーション訓練がある以上、自分が当事者の立場となり、次にどうすればよいか必死に考えるようになった。

「今日もこの国の大統領は懲りもせず他の国に武力侵攻してるよ。しかも自分で喧嘩を仕掛けておいて、同盟国に『お前も参加しろ!』だって。身勝手過ぎて開いた口が収まらないよ。」

「そうね。私も呆れ果ててものが言えないわ。でも、今日の午後の講義も必ずケント教官はこの話題をテーマに議論を仕掛けてくるわ。きっとね。蓮、ちゃんと対策考えた?」

「いいや、まだそこまで頭が回ってないよ。でもケント教官の奴なら必ずこれをテーマにしてくるね。友里恵はどうしようと思ってる?」

「私なら大統領に向かって「この、スットコドッコイ!」って罵るわ」

「ハイ!落第!!今日も延長ね。

 それにしても、スットコドッコイって、英語でなんて言ったっけ?」

「冗談よ!私がそんなこという訳ないじゃん!それにスットコドッコイって英語なんて知らないし。」

「でも具体的なケント教官用対策案は今からちゃんと考えておこうよ」

「そうね。ケントならこんな時必ずテーマに対しての関係者の立場を複数パターン用意して、と要求して聞いてくるはず。たとえば大統領の側近の立場でどんな助言をするか。同盟国の政府首脳ならどんな対応をとるべきか?最善の方法を導きだし、外交を通じて大統領に国家としての提案とそのメリットを強調して納得してもらう話術も含めて検討するでしょうね。」

「そうだよ!そこなんだよ!ケント教官は必ずその内容を突っ込んで聞いてくるよね。その具体案を複数用意しておかないと、ホントにまた延長を食らっちゃうから必死になるんだよね。第一案、第二案、最低でも第三案くらいは準備しておかないとね。それぞれの立場で三案も?面倒臭~い!」

「それだけじゃないわ。ケント教官の事だもの、敵対国の中露ならどうするか?なんて意地悪な質問が飛んでくるかもよ。」

「そうだね、そっちの可能性の方が大きいかも?」



 そこでまた超絶スーパーコンピューターAI『HALOはるお』君の天の声



「君たち、そろそろ自分に身についてきた『予知能力』を活用してみようとは思わないの?」

「あ!オジサン!!・・・もとい、偉大なAIコンピューターHALOはるお様!」

「今、オジサンって言った?」

「ウウン、言ってない!」

「いいや、確かに言った!後でばつだかんね!それはそうと、今言った『予知能力』はもう相当身についてきたんじゃない?自分たちに自覚はないの?」

「そう言えば、だんだん1分後、5分後の未来が脳内画像あたまのなかに見えてくるようになってきたかも?」

「そうでしょ?」

「でも、1分後なら的中率100%だけど、時間が遠くなるにつれ的中率は下がってくるんですけど。1時間後なんて的中率がたった10%だもん。これじゃ、あまりアテにならないよ。だからまだこの能力は使えないし。」

「それでも積極的に使う練習をしなくちゃ!今はまだその未熟な予知能力には頼れないし、また頼ってはいけないけど、練度が上がると的中率も上がってくるのだから、恐れず努力しなきゃダメだよ。そうでしょ?それに君たちの脳内にはこの私とチップで繋がっているのですよ。その分私の持つ能力とも連動しているのです。

 そうして情報が飛び交う量が増えるに応じて、あなた方の脳内刺激も活発化して知能指数を押し上げているのですからね。この前の試験データによると、友里恵さんは指数は12%アップして192、5に。蓮さんは193に上がっているのですから。」

「あら、私は蓮に0,5ポイント負けてるの?」

「そんなのォ・・・0,5ポイントくらいなら優劣の見分けがつかないくらい微弱だし。」

「そうですよ。友里恵さんが0,5ポイント低いのは、あなたが私の悪口を言うから0,5ポイント減点したんですから。」とHALOはるお君がシレッ!と言う。

ひど~い!悪口なんて知能指数に関係ないじゃん!」

「これからのエージェントは人格や品格も能力検定の指数に影響するんですよ。何せ世界を救うヒーローにならなければならないのですからね!『意地悪ばあさん』じゃ困るんです。」

「あぁ!『意地悪ばあさん』って言った!私はまだ『ばあさん』じゃありませんからね!」

「そっち?・・・・」



 やがて二人はケント教官の意地悪な質問攻撃に耐え、何とか英語過程をギリギリで通過することができた。

 ご褒美は2週間のニューヨーク旅行。

 と言ってもその2週間はご褒美と言っても『ブロードウェイ』のミュージカルを現地語で聞き、即興で模倣する訓練付きではあったが。

 確かに一度聴いたら忘れずセリフもメロディーも脳内コピーできたが・・・ハード過ぎない?これじゃ、全然楽しめないし、歌、下手だし。特に友里恵は・・・(失礼ね!)


 2週間の休暇後、第二外国語の3か月間の習得訓練が始まった。

 友里恵はフランス語、蓮はスペイン語に。


 ホントは両名、同じ語学教室に進級すべく希望を出したが、(だって、一緒に居たいもん)『HALOはるお』君とケント教官に却下された。

 そして友里恵はフランス・グルノーブルの山荘に、蓮はスペイン・バルセロナとマドリッドのアパルトメントに缶詰にされて過ごすこととなる。


 3か月間!長いな~!


 どうなる事やら。





 つづく





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