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クレリック アイ

カズンは冒険者ギルドの設立のために走り回り、フリージアは今後ガルデアの街を管理するためにパーティから外れ、キルシュレドが戻ってくる前提としてもヒロたちのパーティは4人になってしまった。

残ったヒロ、ユウ、リーファの3人で宿の食堂で今後の事を話し合う。

「リーファは残ってくれるんだろ?」

「ええ。ダンジョンの秘密を解き明かすまでは」

「ありがたいぜ。魔術師は得難いからな」

「でも、あと二人はどうするの?」

リーファの問いにユウが答える。

「バランスを考えると前衛1人後衛1人がベストですね」

「ああ。特に回復魔法の使い手、聖職者(クレリック)は絶対に欲しい」

「だよね」

「ええ? 聖職者(クレリック)をダンジョンに連れて行こうって言うの?」

リーファが呆れる。リーファの常識ではクレリックは寺院にいて心穏やかに過ごす人たちだった。

「俺らの世界では戦う聖職者の話は珍しくないんだが・・」

「どんだけ荒れてる世界なの?」

「その様子じゃ、リーファさんの知り合いにもいないみたいですね」

「私の村にもクレリックはいたけど、あの危険なダンジョンに連れまわすなんて想像もできないわ」

ヒロが椅子をガタンと鳴らして立ち上がる。

「行動あるのみだ。変わり者のクレリックだっているかも知れない。まずカズンのとこに顔を出して、フリージアにも聞いてみようか」


冒険者ギルドの仮施設。といってもダンジョンにほど近い倉庫を片付けただけだ。

まだ冒険者ギルドの看板も出していないのに、ガルデアに集まってきたダンジョン目当て、冒険者志望の人達はここに来ればいいと案内されるので人でごった返し、カズンたちは対応にてんてこ舞いだ。

カズンが目ざとくヒロ達を見かけて叫ぶ。

「あっヒロ! お前らも手伝えよ!」

ヒロが首を振る。

「悪いなカズン。今は俺たちもやる事がある。一緒にダンジョンに行くクレリックを探してるんだ。今まで応募してきた中にクレリックはいなかったか?」

「ああ、いたぜ」

意外な返事にヒロがカズンに詰め寄った。

「何! 今どこにいる! どんな奴だ?」

ヒロの剣幕にカズンがたじろいだ。

「落ち着けって。まだ登録中だからガルデアにいるはずだ。帳簿によると宿は夜明けの鶏亭ってところだな。けど・・アイツはやめた方がいいぜ」

「なんだ? 何か問題があるのか?」

カズンがキョロキョロと周囲を見渡し、ヒロに耳打ちする。

「すっげぇ変な奴なんだよ。うちの部下の中には魔物が擬態してるんじゃないかって言う奴もいる」

「隊長! これどうすればいいですか!」

「今行く! じゃあな。忙しいから後は自分で当たってくれ」

自分を呼ぶ声に怒鳴り返し、カズンが振り返った。ヒロたちは冒険者ギルドを後にして、夜明けの鶏亭へ向かった。


「変って・・どう変なんでしょうね」

「まぁ会ってみれば分かるさ」

「あ、あれじゃない?」

ユウが指さす先。宿の鶏小屋の前に小柄な僧衣姿の人物が座り込んで、金網をツンツンとつついている。

「コココ、コケーコ、ケッケッ」

その人物は鶏の鳴き声を真似しているようだ。しかも再現度が限りなく高い。

リーファが後ずさる。

「な、何・・怖いわ」

「ユウ、勧誘を頼む」

ヒロに無茶振りされてユウが驚く。

「えっ! なんでボク!?」

「俺はストレートに行きすぎるし、聖職者には紳士的な第一印象が大事だろう? 適材適所だ」

「はぁ・・分かったよ」

3人は鶏小屋へと近づいた。


3人が近づいているのに気づいているはずだが、その人物は振り返りもしない。

ユウが思い切って声を掛ける。

「こ、こんにちは。何をされてるんですか?」

その言葉に僧衣の人物はようやく振り返って立ち上がった。どこからかウィーンと唸るような音がする。やはり小柄だ。身長はユウの肩までしかない。パサリと僧衣のフードを取った姿にユウは息を飲む。透き通るような肌、プラチナブロンドの髪、緑色の目をした少女だった。だが両目を通って顔全体に2本の縦線が入っている。無表情のまま、ポツリと呟くように返答した。唇の動きと言葉のタイミングが合っていない。

「鶏の生態を学習しています」

その言葉は平坦で抑揚がない。

「そ、そうなんだ・・」

ユウは言葉が続かない。少女がぎこちなく首を傾げて尋ね返した。やはり抑揚のない声で。

「あなたは誰ですか?」

「ボクはユウ、この二人はヒロとリーファ。僕たちはここのダンジョンを一緒に探索してくれる仲間を探してるんだ。えっと・・君の名は?」

少女は食い気味に答える。

「私の名前はアイです」

「アイちゃんだね。ちょっとごめんね」

ユウが離れて手招きするヒロに気づいてそちらに走り寄る。二人は同時に言葉を発した。

「ロボじゃねーか!」

「ロボットだ!」

「えっ何? 何なの?」

リーファは戸惑うばかりだった。

アイ 聖職者 レベル7

種族不明 女性 1歳

HP:32

STR:9

INT:11

PIE:18

VIT:7

DEX:10

LUK:10

装備:杖、ローブ

僧侶呪文 5/4/3/2/0/0/0

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