表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルスダリアの祈り  作者: 瑝覇
???編
28/30

第27話 橙の落とし物

グレンロック中央部

 


ルーク

「(足が速い人なんだ…どこ行ったんだろう…鼻が…穀物の臭いがきつくて鼻が効かないや…)」


 

ルークが辺りを見ながら赤い髪を探すがなかなか見つからない。


 

ディン

「ルーくん!!!勝手に!いなく!ならないで!掴んでないとすぐどっか行っちゃうんだからぁ…」



ディンたちがやっと追いついたようだ。

 


ルーク

「あぁごめんディン…」


ルシファー

「なぁに?それ」



ルークの手には橙色の宝石が付いたペンダントが両手で大事に握られている。

 


ルーク

「これ…さっきの人が落としちゃって…渡そうと思って追いかけたんだけどいなくなっちゃって…すごく足が速い人なんだよきっと!」


ロア

「ルークが追いつけないって相当速いのでは…」


ヘスティア

「ペンダントですか」


ソフィア

「金具が破損してる…。随分と年季が入ったものかもね」


ルシファー

「大事なものなのかも」


ルーク

「うん。ぼくもそう思って…届けてあげたいんだ」


ディン

「町の人に渡しとけば届くんじゃない」


ルーク

「本人に返してあげたい」


ディン

「………。」



ディンがため息をついて口を尖らせた。



ディン

「わかったよ」


ロア

「どうするの?」


ソフィア

「夕方には王都に戻らないと。最終列車、夕方って言ってたよね?」


ディン

「ここって宿ないんかな」


ルシファー

「聞いてみよっか」



ルシファーが近くにいた町の人に声をかけに行った。

町の人は首を横に振っていたので、宿はなさそうだ。



ルシファー

「お宿ないんだって」


ディン

「うーん…じゃあ、一旦王都に戻るか」


ルーク

「え…?」


ディン

「王子なんだし、明日、城にでも行けば会えるんじゃない?」


ルーク

「そっか!」


ロア

「お城あったかなぁ…」


ディン

「あったってば。何回言ってんのさ」


ソフィア

「じゃあ、乗り遅れないように駅に行こうよ」


✴︎


デューレブラッド行きの列車に乗って王都に戻ることに。



ソフィア

「明日、図書館見に行きたいんだけど、いいかな?」


ルシファー

「あ、私も行きたい!」


ヘスティア

「わたくしはルークと城の方まで行きます」


ルーク

「え?いいの?」


ヘスティア

「まぁ。商業区域に少し興味があるので。ついでに付き添いますよ」


ルーク

「ありがとうヘス!」


ロア

「ヘスティア姉さん、僕も…」


ヘスティア

「ロアはソフィアたちと一緒にいてください。ただの付き添いですから大丈夫ですよ。冷やす人が必要でしょう?短時間くらいなら魔法を使っても問題ありません」


ロア

「う…うん…」


ルシファー

「あ!見えてきた!そろそろ着くね!」


ディン

「…………。」

 


ディンは窓の外を眺めながら、無意識に指先を弄っていた。

まもなく列車が王都デューレブラッドに到着した。

帰りはなんだか早く感じた。


 ✴︎


デューレブラッドにて。

駅を出る前にソフィアとヘスティア(ソフィアの付き添い)はトイレに寄り、ロアは駅で夕食にする食材を買ってから出てきた。

先にルークとディンとルシファーが駅の外で待っていた。


 

ルシファー

「ロアー!こっちこっち!」


ロア

「ごめんごめんお待たせ。ディン、魔法解いていいよ」


ディン

「ありがと」


ロア

「あれ?ルークは?またどっか行ったの?」


ディン

「ううん。ルーくんちょっと一服してる」


ロア

「……ん?一服?」


ディン

「だからこれだよ」

 


そういうとディンはロアに煙草の仕草をした。

 

 

ロア

「……んん?」


ディン

「これで伝わらないんだ」


ロア

「いや、わかるよ?わかるけど…。え?ルークが?」


ディン

「………。そう。ルーくん昔はやんちゃだったんだ…もう手がつけられなくってね…」


ロア

「………うっそ…え?どこで?」


ディン

「そこの裏のとこ」


ロア

「めっっっっっちゃ見たいんだけど」


ディン

「見てくれば?」

 


ロアが似合わなすぎる!!と大はしゃぎしてるとソフィアとヘスティアも出てきた。



ヘスティア

「どうしたんです?」


ディン

「ルーくんの一服待ち」


ヘスティア

「………はい?」


ソフィア

「あぁ…」


ロア

「僕ちょっと見てくるから!!」


ヘスティア

「待ってください!わたくしも!見ます!」

 


ロアとヘスティアが少し離れた建物の方へ移動した。

恐る恐る覗いてみると本当に煙を吸っているルークがいた。綺麗なガラス瓶のようなものに口をつけている。

 


ロア

「嘘待って!?似合わなすぎる!」


ルーク

「わ!?びっくりした!」


ヘスティア

「まじですか…ディンなら分からなくはないですけど、ルークがですか??」



ルークは2人に煙がかからないように手で煙を仰いだ。



ロア

「ルークが煙草吸うとは思わなかった僕…なんかちょっとショック…。結構…きついやつじゃないのこれ」


ルーク

「煙草じゃないよ!ディンに言われたの?」


ロア

「え?煙草じゃないの?」


ヘスティア

「ではそれは…?」


ルーク

「薬だよ薬!なんだっけ…吸入だっけ…吸い込むやつ!」


 

ルークが慌てて違うよ!と誤解を解こうとする。

確かによく見てみるとパイプではなく、綺麗な瓶のような形状だ。

 


ルーク

「ヒト化してると気管が詰まりやすくなるから、たまーに吸ってるの。喉にいいんだって」


ロア

「なるほどね〜。でも今まで吸ってた…?」


ルーク

「隠れて吸ってたよ」


ヘスティア

「龍も大変なんですね…」

 


ロアとヘスティアは見るのは初だったらしく、似合わなすぎる…としか思えなかったようだ。

 


ロア

「あ、でも…ルーク、昔はやんちゃだったって」


ルーク

「あーそれね。毎回同じ冗談言ってるんだよディンは」

 


3人で駅前まで戻るとディンがにこにこして待っていた。

ルシファーとソフィアがおかえり〜と手を振っている。


 

ディン

「びっくりするよねぇ。みんな同じ反応するよ。ルーくんがやんちゃなわけないでしょ。こんな綺麗な子が」


ロア

「半分信じちゃったじゃんかよ」


ディン

「すぐ信じちゃって可愛いね」

 


ディンがケラケラ笑ってロアを揶揄った。



ソフィア

「私たちも最初見た時びっくりしたからね。そっかそっか見たことなかったんだ」


ルーク

「アスベルが煙がキツいって言ってたから…」


ルシファー

「アスくん前に吸った時に電気ショック味だったって言ってた」


ロア

「電気ショック味…味なのそれ」



知らない一面を1つ知れたところで、ルークたちは宿を探すことに。

駅に置いてあった宿マップをみんなで囲んで見る。



ルシファー

「こことかは?」


ソフィア

「お風呂ないって」


ロア

「流石に湯浴みしたいよね…」


ヘスティア

「ここは?少し外れにありますけど」


ディン

「いいかも。宿はそこまで高くないんだ」



ルークたちは国の中央より外れにある宿に泊まることにした。



ディン

「6人入れる?同じ部屋がいいんだけど」


宿屋

「こんにちは。お2階になりますがよろしいでしょうか?」


ディン

「全然いい」


宿屋

「では宿帳にご記入を」


ディン

「代表者だけでいい?」


宿屋

「もちろんです。ご記入が終わったらお2階の正面のお部屋をご利用ください」



 ✴︎



仲良く部屋に入ってさっそくお風呂…と思ったら。

お風呂の部屋に張り紙がしてあった。



ディン

「なぬ…風呂別料金…?しかも宿代とほぼ一緒…」


ソフィア

「なるほどね…風呂無しのお値段だったわけか…水が絡むと一気に出費が増えるねこの国」

 

ルシファー

「あ、でもお風呂大きい!」


ディン

「しゃあないか…お風呂入れてもらうように言ってくる」


ロア

「ほーい」


ソフィア

「荷物置いて布団引いちゃおうか」


ルーク

「うん!」



部屋の中はロアの魔法で涼しく、快適だ。

陽が落ちれば、ロアの魔法もいらなくなるかもしれない。

 

宿屋さんがお風呂を沸かしてくれた。湯船に満杯だ。6人しっかり入れそうだ。



ディン

「お風呂どうする?順番」


ロア

「あ、朝ごはん買ってくるの忘れた。ルークとディン付き合って。姉さんたち先入っといてよ」


ヘスティア

「わかりました」


ソフィア

「ありがとう」


ルシファー

「気をつけてね」



ルーク、ディン、ロアは一度外に行って明日の朝食を調達しに行った。部屋の中は涼しいし、買っておけば朝はゆっくりできる。

ソフィアとヘスティアとルシファーは順番にお風呂に入ることにした。



ヘスティア

「ソフィアは…トイレですか。ルシファーまだ入らないようでしたら先に入ってきていいですか?」


ルシファー

「いいよー!ごゆっくり」


ヘスティア

「ありがとうございます」



一番風呂はヘスティアだ。

ヘスティアが風呂に入ると少ししてからソフィアがトイレから出てきた。



ソフィア

「ヘスは?お風呂?」


ルシファー

「うん。さっき入ったよ」


ソフィア

「そっか。冷めちゃうし一緒に入ってきちゃうね」


ルシファー

「はぁい」


 ✴︎


ヘスティア

「ふぅ…(暑い国ですけど、お風呂は温かいのに限りますね…)」



ガラ…



ヘスティア

「ん?(ガラ…?)」


ソフィア

「私も入る」


ヘスティア

「〜っ!?!?!?!?な、なんで入ってくるんですか!!!!」


ソフィア

「お湯冷めるでしょどんどん入らないと。姉妹なんだし気にしない気にしない。鏡見てるようなもんでしょ」


ヘスティア

「で…出ます!!」


ソフィア

「入ったばかりでしょ?ほら身体しっかり温めないと。ふぅお風呂はやっぱり温かくないとね」


ヘスティア

「っ〜!!!!!!!」



 ✴︎



ルシファー

「(お風呂場からヘスの悲鳴が…大丈夫かな…)」



しばらくするとヘスティアとソフィアが出てきた。

2人ともほかほかだ。



ソフィア

「ルシファーおまたせ。どうぞ」


ルシファー

「う…うん…ヘス大丈夫…?」


ヘスティア

「………。」


ソフィア

「黙りこくっちゃって…そのうち治ると思うから気にしないで入ってきて」


ルシファー

「うん…」



お風呂で一悶着?あったようでヘスティアは出てきてから一言も喋らなかった…。



✴︎✴︎✴︎


【小話】

 

魔神族が生まれた世界は常に暗かったらしく、魔神族はその影響で明るいのが苦手のようです。


ルークとディンは最初2人で生きていましたが、後にデュオンが加わりました。デュオンが1人で歩けなかったので、ルークが抱えて移動していることが多く、目を離すとデュオンを抱えている状態でふらっとどこかへ行ってしまうのでディンはいつも胃が痛かったそうです。

必ずちゃんとディンのところに戻ってくるのですが、ディンは心配で仕方なかったようです。

『アルスダリアの祈り』第27話を最後まで読んでくださいましてありがとうございます。


仲良しの人の意外な一面っていいですよね…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ