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アルスダリアの祈り  作者: 瑝覇
???編
17/21

第16話 手紙

天界第肆界域 神殿

 


???

「父上、おかえりなさい。大丈夫でしたか?」


グレイス

「ただいまペデルギウス。セティーナは話が早くて助かる」


ペデルギウス

「知らせてすぐにこちらまで来てくださるとは、本当にお優しい方です」

 


疲れた顔で長椅子に横になるグレイス。



ペデルギウス

「あぁ父上!皺になってしまいます」

 


もう…と呆れ顔でグレイスの上着を受け取るペデルギウス。綺麗な白髪に白い肌。黄緑の瞳をしている。



グレイス

「悪いな」


ペデルギウス

「いえ…。ここのところずっと動き続けていますし、休まれたほうが…」


グレイス

「そうしたいところだが…時間がない。対策を急がねば…」

 


寝っ転がりながら額に手をおいた。大きくため息をつく。



ペデルギウス

「セティーナ様はなんと?」


グレイス

「親だと伝えてみろと。他の界域が動くまでに俺たちで連れて来たほうが幾分良いのではないかと…」


ペデルギウス

「それは僕も同感です。きっと、受け入れてくださいますよ」


グレイス

「こちらの都合で…」


ペデルギウス

「伝えてみないとわからないこともあります。こちらが悪いと思っていることが、相手にとって本当に悪いこととは限らないでしょう?」


グレイス

「………。まぁ聞いてくれペデルギウス…」


ペデルギウス

「はい?」


グレイス

「ものすごい気遣いそうな子なんだ!一瞬しか話してないけど!ほとんどシオンが話したけど!そんな子に、実はあの時あったのは親で、しかも皇族という身分なのだと伝えたらどうなる…?こちらに配慮してしまうのではないだろうか…!」


ペデルギウス

「お…落ち着いてください。そうだったんですね…。ですが、セティーナ様のおっしゃる通り、他の界域の方に無理やりこちらに連れて来られたりするよりいささか良いのでは…」


グレイス

「それは間違いないが!」


 

どちらが親なんだか。

疲れすぎているのか、テンションが可笑しいグレイスを落ち着かせるペデルギウス。

グレイスも本人がここに来たほうが納得させやすいことはわかっているのだ。



ペデルギウス

ふみなんてどうでしょうか?」


グレイス

「ありだな…」



そんな話をしていると部屋のさらに奥から足音が聞こえてきた。


 

???

「うるさいぞグレイス…」


???

「父様おかえりなさい。大丈夫ですか…?」


グレイス

「おぉ戻ったぞ。大丈夫ではない」


ペデルギウス

「レオ、レティシア。母上は?大丈夫です?」


レオレイア

「随分と話したあと、気絶するように眠った。余程気を張っていたのだろう。しばらくは起きなさそうだ」

 


冷静に淡々と話すのはレオレイア。深緑色の髪と瞳をしており、デュオンの実兄にあたる。

控えめに話すのはレティシア。真紅色の髪と瞳をしており、デュオンの実弟にあたる。

 


レオレイア

「それで?何を騒いでいる」


ペデルギウス

「父上にふみを書いてみては?と提案したのですが…」


レオレイア

「良いではないか」


グレイス

「………ダメ元で書くか…?しかしなんと書けば…」


レティシア

「全て素直に書くのがいいと思います…!変に隠したりするよりは…」


グレイス

「はぁああ…そうだよな…。ん?待て、まず、こちらの文字で伝わるのか…?人間特有の文字があるのでは…」


レオレイア

「会話が出来たのなら共通では?」


レティシア

「そうですよ!とりあえず、一旦書いてみましょう…!」


ペデルギウス

「僕たちも一緒に考えますから。頑張りましょう父上!」


 

3人の子に慰められながら、グレイスは筆をとり、文を書き始めた。

 

本当は親であること。

本当は皇族という位の身分であること。

会合が開かれること。


どんな選択を取っても、自分たちは絶対的な味方であること。こちらに気にせず、己の意思を最優先してほしいこと。一文字一文字、想いを吹き込むように丁寧に書いた。


✴︎

 

先日のデュオンの親御さん事件からしばらく経った頃。

やっとそんなこともあったねと軽やかに話せるようになったと思いきや……


リィン…


ロア

「うわぁ!?おばけ!おばけが出た!!ゼナくんなんとかして!」


ゼナ

「どうしたの!?ロア大丈夫!?うわ!?本当だ!すごいや!おばけ初めて見た!」



黒い光のようなものが家の壁をすり抜けて入ってきたのだ。突然のことにロアとゼナは大パニックだ。



フェイクシード

「失礼な奴らだな…。ん…?(白い…)」



フェイクシードはゼナをじと…っと見つめた。

 


ヘスティア

「どうしたんですか騒がしい。おばけなんて存在しな……え!?け…消し炭にしますか!?」


ロア

「待ってヘスティア姉さん!流石に家の中で炎はまずい」


 

ロアとゼナとヘスティアが騒ぎ、来訪者は困ってしまっているようだ。


 

フェイクシード

「まともな奴はいないのか」


ソフィア

「どうしたの三人とも…あら?えっと…どちらさま?」


ゼナ

「ソフィア!見て!!おばけ!おばけ!!」


 

3人がソフィアの後ろに隠れた。

ソフィアはおばけを信じていないらしく怖くないようだ。


 

フェイクシード

「(同じ顔……)お前でいい。これを」


ソフィア

「手紙…?」


フェイクシード

「青いのに渡してくれ。俺は中身を見ていないから内容は知らない」


ソフィア

「青いの…ってデュオンのこと?あ、もしかしてこの前話してた親御さんから?預かっとくね。えーっと…貴方は?」


フェイクシード

「使いで来ただけだ」

 


黒い光のような、謎の存在。幽霊にしては綺麗に着飾っているようにも見える。


 

ソフィア

「名前は?なんて呼べばいい?」


フェイクシード

「名前……。フェイクシード」


ソフィア

「フェイクシードね。ありがとう届けてくれて」


フェイクシード

「……別に」

 


なんでソフィアは冷静なんだ!と三人がギャーギャーうるさいがとりあえず、ソフィアはフェイクシードをリビングまで招いた。

 


アスベル

なんそれ」


ルシファー

「わ〜!すご〜い!どうなってるの?」


ロア

「アスベルくんたちの同業者(同じ種族)じゃないの…?」


アスベル

「だから霊とあやかしは違うってば」


フェイクシード

「…………。(なんだこいつら…)」


ソフィア

「フェイクシードって言うんだって。手紙届けに来てくれたの」

 


ソフィア以外はフェイクシードが気になって仕方がないようで、凝視している。


 

ソフィア

「ごめんね、今デュオン寝ちゃってるの。起こしてみるから待ってて」


フェイクシード

「眠っている…?何かあったのか?」


ロア

「普通に寝てるだけだよ」


フェイクシード

「そうか。起こさなくていい。起きたら渡してくれればいい。長居はしたくない」


ソフィア

「そう?ゆっくりしていったらいいのに」

 


歓迎されるとは思わず、しかも部屋の奥に入れてくるとは…と少しずつ状況を把握したフェイクシード。



ラウル

「騒がしいが大丈夫か?」


ロア

「あ、ラウルくん」


ラウル

「!?冥府族めいふぞく…!?なぜここに…」


ルシファー

「めいふ…?」


フェイクシード

「こちらのセリフだ冥界神めいかいじん

 


ラウルがリビングの入り口でずっと突っ立っているので、とりあえずなぜ来たのか説明をした。



ソフィア

「ラウル座ったら?そんなところにいないで」


ラウル

「あ…あぁ…」

 


ものすごく緊張しているのか、ラウルがソフィアに引っ付くように椅子を寄せて座った。

 


フェイクシード

「安心しろ。お前のことは誰にも、何も言っていない」


ラウル

「え?」


フェイクシード

「青いの(デュオン)は探せと頼まれていたが、お前を探せとは言われていない。偶然一緒にいただけのこと。それに、お前、黄泉に流れたんだろう?上(天冥界)では死者扱いだ。死者の報告義務はない」


ラウル

「そうか…」


ロア

「めっちゃ詳しいじゃん」



わざわざ手紙を届けに来たと言うことは、おそらく天冥界で何か動きがあったと見ていいだろう。



ラウル

「デュオンを連れ戻しに来たのか…?」


フェイクシード

「俺は手紙の内容は知らないし、その権限は俺にはない。できれば俺が帰った後に見てくれると助かる」


ロア

「え〜なんで?」


フェイクシード

「面倒ごとに関わりたくない」


ヘスティア

「ここまでしているのに…?」

 


もう帰るからな、とフェイクシードが外側に動き始めた。

壁をすり抜けたと思ったらにょきっと頭だけ出してきた。



フェイクシード

「………そこの黒いの」


ゼナ

「うわ!?びっくりした!オレ…?」

 


ゼナが自分を指差す。



フェイクシード

「体調はどうだ?」


ゼナ

「体調?元気だけど…」


フェイクシード

「あっそ…ならいい。じゃあな」

 


フェイクシードは今度こそ壁をすり抜けて外へ出て行った。

一方的に心配されたゼナはポカンとしている。



ロア

「ゼナくん、もしかして知り合いだったりする?」


ゼナ

「いや…絶対初対面だと思う…あれだけインパクトあったら流石に覚えてると思うし」

 


なんだったんだ…と不思議に思っているのも束の間、またラウルの様子がおかしくなってきている。やっと落ち着いてきてたのに…とソフィアがラウルの背をさすっている。



ヘスティア

「デュオンが起きるまで開けるの待ちます?」


アスベル

「全員で見た方が良い気がする。ディンが発狂しそうだけど」


ヘスティア

「確かに。帰って来たらうるさいですねきっと」



ディンはルークとお散歩中らしく家にいない。

とりあえず、全員がリビングに集まるのを待つことにした。ラウルがまた奇行に走らないように気を紛らわしながら。


 

 ✳︎


 

ディン

「大丈夫大丈夫大丈夫…ボク落ち着く。冷静になる。ボクは大丈夫…」


ルーク

「偉いねディン」

 


ディンが深呼吸を繰り返して落ち着こうとしているようだ。あんまり意味なさそうだけども…。



デュオン

「起こしてくれたらよかったのに」


ソフィア

「渡してくれれば良いって帰っちゃったの」


 

デュオンにソフィアが起こさなかった理由を話しながら座るように促す。全員で手紙を真ん中に集まった。


 

ソフィア

「じゃあ開けるね」


 

ソフィアが手紙の封をあけた。

綺麗な紙に綺麗な文字で丁寧に綴られている。

二枚包まれていた。



ロア

「ちょっちょ!ソフィア姉さん読むの早すぎ」


ソフィア

「あっごめんなさい」


ヘスティア

「まったく…ほら貸してください。わたくしが持ちます」



ソフィアが爆速で二枚目にしてしまったので、みんな最初の一行しか頭に入っていない。

ヘスティアがソフィアの手から手紙を抜き取った。



デュオン

「なんて書いてあるの?」


ヘスティア

「わたくしが読み上げますよ」


デュオン

「ありがとう」

 


文字が読めないルークとデュオンのためにヘスティアが文章を読み上げる。


 

『青の君へ。

まず、君が人間の生きる世界で幸せに元気で暮らしていることがわかり、心の底から安堵している。

先日は、何の前触れもなく現れ、さぞ驚かせてしまったことだろう。

君が生きている喜びに心が追いつかず、不器用なかたちでしか言葉を交わせなかったことを、どうか許してほしい。


君が友と共に笑い、誰かを想い、想われながら日々を生きていると知り、私たちは心の底から嬉しく思っている。

君と共に過ごしてくれている友たち――仲間の皆様へも、深い感謝を申しあげたい。

この子と共に歩み、支えてくださっていること、どれほど感謝してもしきれぬ思いだ。ありがとう。


改めて伝えねばならないことがある。

この前会った私たちは君の親にあたる。

君と主に会話をしていたのがシオン。

もうひとりがグレイスだ。

そして君は、天冥界における皇族の血を継ぐ者。

天界第肆界域。第二皇子である。


君は生まれてまもなく事故で姿を消して以降、天冥界では長らく探索が続けられた。

そして今、ようやくその消息が明らかになり、全界域の主たちに通達が出された。

天冥界は広く、界域主たちの間でも意見が飛び交うことになるだろう。


もし君の心に"天冥界へ顔を出しても良い"という意思があるのならば、一度訪れてもらえないだろうか。

"会合"という、天冥界の代表たちが集う機会が近々開かれる。その場に出席し、君の意思を伝えてもらえないだろうか。

 

本来であれば、監視のない状態で神族が人間界に留まるということは許されていない。しかもそれが皇族とくれば、許容しない者もいることだろう。

心無いことを君に言う者もいるかと思う。


だが、どうか焦らないでほしい。

君がどんな選択をしても、私たちはそのすべてを尊重し、支え続ける。

何があっても、君の絶対的な味方であることを覚えておいてほしい。


どうかこちらの事情など気にせず、己の意思を最優先に生きてほしい。

それが、親として私たちが心から願う唯一のことだ。


 ✳︎


追伸として、少しだけ君のことを話させてほしい。


君には本来、“デュオン”という名があった。

今、君が生きる世界では、どのような名を名乗っているのだろうか。

その名を知る日を、私たちはひそかに楽しみにしている。


そして君には三人の兄弟がいる。

長兄はレオレイア。穏やかで責任感の強い子だ。

弟はレティシア。臆病だが誰よりも優しい心を持つ。

もうひとり、ペデルギウスという義兄にあたる者がいる。とても穏やかで皆いい子で私たちの誇りだ。

皆、君のことを知りたがっている。いつかきっと、互いに顔を合わせられる日が来ることを願っている。


人間界での暮らしはどうだろう。

恥ずかしい話、私たちはほとんど人間界に行ったことがない。前回も人間界では自然に強い風が吹くことを初めて知った。

もしよければ、君の暮らす場所の話や、共に生きる友たち、皆のことを聞かせてほしい。


顔を見られずとも構わない。

手紙のやり取りだけでも、君の声を感じられるだけで十分嬉しく思う。


君がどんな場所で、どんな空を見上げていても、その日々が穏やかでありますように。


我が子よ、どうか幸せでありますように。』



アスベル

「いい親御さんじゃん」


デュオン

「うん」


ロア

「なんか色々と急だったから飲み込むの大変だけど、親御さんたちが良い人たちなのはわかった」


 

手紙。離れていても気持ちが伝わる。

一文字一文字、丁寧に書かれたそれに心が温かくなる。

きっと、たくさんある言葉の中から出来る限り気持ちが伝わる言葉を選んで、想いを乗せて書いてくれたのだろう。文字が読めなくても、温かい言葉が書かれているのが伝わる。

 


ディン

「んまぁ、要するに、この前の人たちは親で、デュオンは皇族で、会合で意思表明してほしいとな?」

 

ルーク

「デュオンはどうしたい?」


デュオン

「会合には出てこようかな」


ディン

「え"!?」


ラウル

「え!?行くのか…?」


アスベル

「めっちゃ驚くじゃん」


ヘスティア

「親御様の気は使わなくて良いのでは?そう書かれておりますし…」


デュオン

「自分のためだよ」

 


はっきりと。自分のためだというデュオン。

空気がしんとなった。



デュオン

「僕は、人間界で育って、人間界で生きるってはっきり言いに行く。意思は変わらないからって言い切ったほうがお互いに良い気がする」


ラウル

「…………。」


アスベル

「潔すぎる」


デュオン

「後から僕やみんなにいろいろ言われるのも嫌だし、早いうちに言って、後腐れない方が良いなって」


ヘスティア

「ごもっとも…」

 


一瞬でとりあえず天冥界に行くことだけは決まった。

本当に潔すぎる…。



ルシファー

「ラウルは行くの?」


ラウル

「え!?俺!?」


ヘスティア

「一人で行かせるんです?」


ディン

「そんなのボクが許さないよ!ボクが一緒に行く」


 

ディンがデュオンにしがみついた。

ラウルは即答できず悩んでいるようだ。



ロア

「フェイクシードがラウルくんのことは誰にも伝えてないって言ってくれていたでしょ?無理しなくていいと思うよ」


ラウル

「俺は……」



デュオンに視線を向けて、また落とした。

何かを言おうとして口を閉じるのを何度か繰り返した。



ラウル

「その…俺は死んだことになっているはずだから…死人が戻ってきたら何を言われるか…それでデュオンが…ただでさえ人間界にいて何と言われるかわからないのに…」



柄にもなく、言い訳を探しているような話し方だ。

とても、らしくない。


 

ソフィア

「………本当にそれだけ?」


ラウル

「………。」



ソフィアがラウルの顔をのぞいたが、ラウルは瞬時に目を逸らした。


 

ルシファー

「とりあえずさ、お父さん?たちにお手紙返してみようよ!どうやって送るのかわからないけど!」


ゼナ

「確かにどうやって送るんだろ」


アスベル

「さっきの(フェイクシード)が取りに来るんでない?」


 

紙と筆はどこだっけと物色を始める。

自分たちの事を書く時にはみんな楽しくなってきてしまい、長文になってしまった。ラウル以外は。

重要な天冥界に行くかどうかの話は一行で済ませてしまったのに。



ロア

「この紙さ、ずいぶん丈夫な作りだよね。神族の技術なのかな〜?」


ヘスティア

「思いました。手触りも不思議な感じ…」


 

ロアとヘスティアは不思議な紙に興味深々。

異世界文化に触れられるというのは良い体験だ。


最終的に全部で五枚になった手紙を封筒に包んだ。

八枚だったのを削りに削って五枚にしたのだ。


 

 ✳︎


 

数日後…



ディン

「ルーくん!ルーくん見て!壁からおばけ出てきたぁ!捕まえる!?」


ルーク

「え!?うそ?どこどこ??」


フェイクシード

「本当にまともなのがいないな…」


ロア

「壁すり抜けてくるのやめなよ…ドアっていうものがあるんだし…神族の世界にはないとか?」


 

あの時いなかったディンとルークがフェイクシードを見て興味津々。

前回で慣れたロアは今回は冷静だ。



フェイクシード

「考えはまとまったか?青いの」


デュオン

「うん。これ。渡してもらってもいい?」


フェイクシード

「……随分と厚みがあるな」


デュオン

「これでも減らしたんだよ」


フェイクシード

「預かった。返事があるだけでも喜ぶだろう」


デュオン

「うん。よろしく。ありがとう」


 

フェイクシードはまたそそくさと退室してしまった。



ゼナ

「(あのすり抜けるの怖…)」


ソフィア

「蜻蛉返りしなくても…ゆっくりしていけばいいのに」


 

リィン…



デュオン

「!この音…フェイクシードのだったんだ」


ルシファー

「これね!どこかで聞いたことあった気がしたんだよね!どこで聞いたんだっけ…」


デュオン

「前に薬草摘みに行った時に聞いたよ」


ルシファー

「それだ!じゃあそんな前からデュオンのこと見つけてたってことか」


ディン

「え?音なんてした?」

 


人間界に鈴の音が響き渡った。

 


 ✳︎✳︎✳︎


【キャラクター紹介】


ソフィア

ソフィアは速読出来ます。手紙を読むスピードが異様に早かったのはこのせいです。



グレイス&シオン

天界第肆界域主。デュオンの親。どちらも白翼。

人間界に行った時は翼を隠していたようだ。

 


セティーナ

グレイスの実兄。天界第伍界域主。白翼。

デュオンからすると叔父にあたる。

存在感がおっかないと言われている人。

デュオンが産まれた時にも立ち会っており、心配していたそう。

実子が一人。養子が一人いる。ステラという相手がいる。



ロゼット

冥界出身。

天界第伍界域の皇降族。黒翼。

穏やかな雰囲気でセティーナにも物怖じせず意見できる。

白みがかった茶色い髪に赤い瞳をしており、髪には頭紗をつけている。



ペデルギウス

おそらく冥界出身。天界にいるが黒翼。

グレイスとシオンの養子。デュオンにとっては義兄。

天界第肆界域 第四皇子。

デュオンとレティシアより歳上だが養子のため第四皇子となっている。控えめで礼儀正しい。



レオレイア

グレイスとシオンの実子。白翼。

天界第肆界域 第一皇子。

デュオンにとっては実兄。親を呼び捨てで呼んでいる。(神族では珍しくない)



レティシア

グレイスとシオンの実子。白翼。

天界第肆界域 第三皇子。

デュオンにとっては実弟。控えめで礼儀正しい。


 ✳︎


【ワード集】

 

天冥界

神族が生息している世界です。

人間界の上に存在しています。

中心に世界樹という神秘的な大樹があります。

世界樹を中心として右側に天界、左側に冥界があります。

翼が白いと天界。翼が黒いと冥界の神族になります。



界域主

天界と冥界は現在五つずつ界域が分かれており、その界域を統治している人です。

結婚した二人がペアで界域主になります。

統治方法や界域観は界域によって個性があります。

『アルスダリアの祈り』第16話を最後まで読んでくださいましてありがとうございます。


お手紙長かったですね笑

ずっと行方不明だった子供に宛てた手紙。

デュオンさんはどうやら会合に参加するご様子。どうなるのでしょう。

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