第9話 不幸体質
大鉄道の列車は石炭と魔法道具で動いている。いわば蒸気機関車だ。石炭の燃えるスモーキーな匂いと、車輪の刻むリズムが心地よい。
ロア
「ラウルくん、これ食べてみてよ。チョコレートだよ。売店に売ってたの」
ラウル
「?花びらみたいだな」
ロア
「オルデリアのお土産で一番人気なんだって!オルデリア産のお花が使われてるらしいよ〜」
ラウル
「……ほんのり味がするな」
ロア
「お!よかったね!デュオンちゃんはしっかり味するんじゃない?」
デュオン
「食べてみる」
飲み物と一緒に購入したお菓子をみんなで摘んで楽しんだ。味覚が弱いラウルたちも楽しめたようで、なんだか嬉しくなる。
ルーク
「あ、この黄色いの美味しい」
アスベル
「思った。おれも一番好きかも」
ロア
「黄色いのはねぇ…えっと…ハニーガレット味だって」
見た目でも味でも楽しめるお菓子にみんなご満悦だ。
窓を見れば美しい風景が見られるし、なんて優雅で癒されるのか。
✳︎
ディン
「……ねぇ、ロアちょっといい?」
ロア
「うん?どしたの」
ディン
「ちょっと付いてきてくれない?」
ロア
「どこに?」
ディン
「……トイレ」
ロア
「え〜嫌だよ。トイレくらい一人で行ってきなよ」
ディン
「先頭車両なんだよぉ。一人で先頭車両まで行くの嫌なの」
走行してから三十分ほど経った頃。
どうやらディンがトイレに行きたいようだ。
アスベルはウトウトしはじめてラウルに寄りかかっている。
ルークとデュオンとゼナは楽しくお喋りしている。
ラウルはアスベルを気にかけながらも話を聞いて楽しんでいるようだ。
ディン
「ほら早くぅ」
ロア
「ちょ、わがままだな〜一人で行ってきてよ〜」
ディンがロアの腕を引っ張る。
ディン
「………ロアくん、命令だよこれは」
ロア
「は?」
ディン
「ね?目上のボクの命令だよ!聞き入れたまえ〜!」
ロア
「はぁ?対等にって言ったの君だよね??」
ディン
「早くしないと漏らすよ」
ロア
「漏…その脅し文句嫌すぎるんだけど」
渋々一緒に行くことにしたロア。
ちょっとトイレ行ってくるねと2人で席を立った。
ロア
「まったく…なんで乗る前に行かなかったのさ〜」
ディン
「乗る前は平気だったんだよぉ」
ロア
「四両先でしょ〜?結構遠いじゃん…」
ディン
「文句言わずに一緒に行ってよ!」
ロア
「なんでそんな偉そうなんだよ」
ディン
「偉いもん」
ロア
「あ〜はいはい」
やれやれと揺れている列車を移動し始めた。
なんだかんだ付いていってあげているあたり優しいのが隠せていない。
✳︎
ロア
「………警戒はしてるんだね。一応」
ディン
「聖騎士が派遣されてるってことはね。まぁ噂になるくらいだし」
二両目には銀鋼鎧を身につけた騎士が2人座っていた。どこかの国から派遣されたのだろう。
聖騎士は身体能力も高く、魔力も扱える戦いのスペシャリスト。一般人からしたら、いるだけでも安心する存在だ。
ロア
「ほら早く行っといで」
ディン
「はぁい」
一両目で目的のトイレに入った。
ロアは景色を見て時間を潰した。
✳︎
ディン
「ふぅ…」
ロア
「スッキリした?」
ディン
「めっちゃスッキリした」
悪戯に冗談を言い合って少し和んだ。
歩いてきた道を戻ろうとした時、違和感が襲った。
ディン
「……なんかいるねぇ」
ロア
「変な感じ…魔法道具使ってるのかな?感知に引っかかったり引っかからなかったりするね」
ディン
「当たり引いちゃったかなぁ」
ロア
「はずれでしょ。だからすぐにやつに乗っていれば良かったのに〜ディンが次のに乗ろうって言うから」
ディン
「えぇボクのせい?でも良かったじゃん?暴走列車のリアル体験できて。見たかったんでしょ?」
ガタン!!!!!
列車が急ブレーキをしたのか車両が思い切り揺れた。
ロア
「あぶなっ」
ディン
「おっとと…」
ディンとロアは身体を浮かせて転倒を防いだ。
乗客の悲鳴が車内に響いた。
飲み物やら荷物やらが宙を舞い、大惨事だ。
ロア
「その不幸体質なんとかなりませんかね」
ディン
「ボクに言われましても」
二人はみんなのいる車両に急いで戻ろうと急いだ。
二両目に行くと聖騎士が臨戦体制になっていた。
天井から叩くような大きな音が聞こえる。
聖騎士
「おい、不用意に動くな!」
聖騎士
「大人しく伏せていなさい」
ディン
「ボクたち五両目に戻りたいんだけど…」
話していると天井が弾け飛んだ。
今回の犯人たちのお出ましのようだ。
???
「この列車は包囲されている。大人しくしていろ」
???
「貴様らが国から派遣された聖騎士か。二人だけとは随分と舐められたものだな」
聖騎士
「暴走列車はお前たちの仕業か」
フードを被り、ご丁寧に面までしている。おそらく魔法使いだ。随分と自信があるようで、上から目線で話してくる。
聖騎士の二人が弾け飛んだ天井から車両の上に移動し、戦闘を始めた。魔法使いは浮いているので聖騎士たちのほうが分が悪いように思える。
ディン
「ね、今のうちに早く行こ」
ロア
「これ放っとくの?」
ディン
「ボクたち関係ないじゃん」
ロア
「そりゃそうだけどさ〜。でもたぶん、普通の魔法使いじゃないよ。魔力が変な感じするし」
ディン
「いいでしょ聖騎士に任せとけば。せっかくそういう役割の人がいるんだし。派遣されてる意味なくなっちゃう」
今のうちにルークたちの元へ戻ろうとした矢先、聖騎士の一人が天井から降ってきた。
乗客がさらに悲鳴をあげた。あまりに無惨で泣き喚く人もいた。頼りにしていた聖騎士がこれだけ早くダウンしたとなると、恐怖心が大きすぎるのだろう。さすがにパニックを起こす人が出てきた。
聖騎士
「かはっ…!」
生き物が焼ける匂い。高火力の炎魔法を喰らったのか、肌が焦げている。銀鋼鎧はある程度魔法耐性があると聞いていたが、意味を成さないほどの威力だったらしい。
ディン
「早」
ロア
「え!?ちょっと…大丈夫…?焦げ焦げ…」
ロアが傷を負った聖騎士の状態を確認し始めた。
上の方で爆発音のような音が続いている。もうひとりが戦っているのだろう。魔法使いは複数人いるようだった。
ロア
「ディンほら、絶対変だよ」
ディン
「……みたいだね」
ディンは穴の空いた天井を見つめて呟いた。
爆発音が続いているということは、もう一人の聖騎士が戦闘を続けているということだ。
ロア
「どうするの」
ロアが"助けないの?"とディンを見る。
答えはわかっているようで、少し笑っている。
ディン
「………わかったよ」
ロア
「やりすぎないでね」
そういうとディンが車両の上に向かった。
ロアが魔法陣を展開して防御魔法で乗客を包んでいく。
重傷を負った聖騎士には治癒魔法をかけた。
✳︎
ディン
「(魔法道具がたくさん…と魔法使い三人…。後ろの車両のほうは…ここからだと見えにくくなってる…魔法道具か魔術が使える人がいるのか)」
ディンが車両の上に登ると早速、状況の把握を始めた。
後ろのほうの車両は靄がかかっているようになっており、状況が確認できない。結界が展開されているようだ。
聖騎士
「一般人…?なぜ来た!」
ディン
「なんでって…聖騎士様が一人、爆速でやられちゃったんでしょ。大変かなぁって思って」
魔法道具と魔法使い三人を一人で耐えているところを見るとこちらの聖騎士は随分と腕が立つようだ。
聖騎士
「不意打ちを喰らったんだ。それに…この者たち、普通の魔法使いじゃない…なにか…なにかがおかしい。あの魔法道具もだ…」
魔法使い
「その通り。我らは秘薬により強化されている。そこらの魔法使いとは違うのだよ」
ディン
「おや、早速ネタバラシ?秘薬なんてあるんだ。ちょっと興味あるなぁ」
聖騎士
「おい、あまり煽るな」
話しながら相手の出方を伺い、能力を予想し始める。魔法使いの他に、多数の機械のようなものが浮いている。
ディン
「先に魔法道具を片付ける?」
聖騎士
「そうだな…」
キィン…
魔法道具が弾丸を飛ばしてきた。魔法と実体弾を兼用している魔法道具のようだ。
激しい金属音が鳴り響いた。
ディン
「(魔法じゃない…鉄の弾丸…?珍しいな)」
聖騎士
「………!(切ったのか…弾丸を…)」
魔法使い
「……そこに転がっている聖騎士よりは楽しめそうだな。一般人でこれほど腕が立つ剣士が乗客にいたのは予定外だが」
ディン
「それは…光栄だね」
ディンが細剣を構え直した。
魔法道具に魔法使い。もちろんそれ以外にも警戒する。
まずは一つ。素早い攻撃で魔法道具を破壊していく。
聖騎士も負けじと魔法道具を破壊していく。
魔法使い
「避けているだけでは勝てないぞ」
魔法使いたちが横から高火力の魔法を容赦なく撃ってくる。
魔法道具は相手にできるが魔法使いたちまでなかなか手が回らない。人数的に圧倒的不利だ。
ディン
「(薬でここまで底上げされるものなのか…。不思議な薬があるもんだな…)」
ディンが隙を狙って細剣で杖を攻撃しようと、思い切り地面を踏み切った。
キィン
ディン
「!(防御魔法…?さっき、炎と風を使ってたのに…)」
魔法使い
「残念だったな」
ディン
「…随分と器用みたいだね。これも薬の影響なの?」
魔法使い
「まさか。薬は魔力質の底上げをするものだ。使える魔法の種類は増えない」
ディン
「あっそう…。よく喋るね、君」
ガキン!!!
ディンが防御魔法に細剣で攻撃を続けた。
パキ…
魔法使い
「!(亀裂…!?)」
ディン
「魔力質を上げている割には貧相な防御魔法だね。防御魔法は魔法道具で発動させてるってとこかなぁ?」
魔法使い
「こいつ…!」
ディン
「図星だね。防御魔法って刺突に弱いんだよ。覚えておくといい」
キィン!ブォン!!
魔法使い
「あまり調子に乗るなよ」
ディン
「そんなのお互い様でしょ」
一人の魔法使いがディンを執拗に攻撃する。
よっぽど頭にきているらしい。
ディン
「それだけ火力が出せるなら列車ごとボクたちのこと吹き飛ばせば?あからさまに列車を攻撃しないね君たち」
魔法使い
「うるさい!」
ディン
「(この人たちは恐らく時間稼ぎかなぁ…聖騎士のいる場所もわかってたし、乗客の誰かとグルってところか)」
魔法使いたちは決まって横から攻撃してくる。
まるで列車を魔法で傷つけないように。
魔法使い
「ちょこまかと!」
ディン
「広範囲の攻撃でもしてきたらいいのに。してこないんじゃなくて出来ないのかな?」
魔法使い
「ほざけ!」
キィン
今までの中で一番高火力の炎魔法が二両目を目掛けてぶっぱなされた。ディンは聖騎士をひっぱって三両目の車両の上に避けた。
ディン
「(ちょっと煽りすぎたかな…攻撃してきたってことは二両目と一両目にはいない…。いるとしたら三両目以降…もしくは貨物列車かな…)」
聖騎士
「おい!車両は!?車両はどうなった!?乗客は!?」
聖騎士が車両に残っていた人たちを心配して叫んだ。
煙が上がって状況がよくわからない。
魔法使い
「我々を愚弄した罰だ…!関係ない人間を犠牲にするとはいいざまだな!」
ディン
「よ〜く見てみなよ。ぬか喜びだなんて滑稽だね」
煙が薄くなってくると二両目の車両は無事なのがわかった。
魔法使い
「な…(防御魔法…!仲間に魔法使いがいるのか…?あの火力を耐えるとは…)」
ディン
「今ので自慢の魔法道具たちも吹っ飛んじゃったねぇ」
魔法使いたちも車両向かって撃つとか何考えてるんだと言い合いを始めた。
ディンと聖騎士が今のうちに攻撃を仕掛けようと動こうとしたその時。
ガァン!!!
聖騎士
「なんだ!?」
ディン
「!(列車が揺れた…!後ろの方から…!!)」
ディンは後ろから伝ってきた衝撃波に動揺した。
四両目か五両目だ。もしくは貨物列車。5両目にはルークたちがいる。心配が募っていく。
魔法使い
「よそ見」
キィン!カン!!!
ディンは魔法使いからの攻撃をギリギリで避けた。
が、左手から細剣が離れてしまった。
魔法使い
「降参するか?」
ディン
「……あはっ!まさか。(失敗したなぁ…みんないるから絶対大丈夫なのに…切り替えろ)」
いつのまにか魔法使いたちは仲直りを済ましていたようだ。
ディンは左手を右手でさすって振動の痺れを緩和させている。
聖騎士
「おい!見栄ははるな!!逃げろ!俺が相手をする!」
魔法使い
「まとめてあの世に送ってやる。邪魔者は全て消しさるのだ!」
魔法使いたちが同時に杖を構えてディンと聖騎士を攻撃した。
聖騎士は構えを取り、ディンは魔法が放たれたのをじっと見ている。
高火力の炎魔法が一点に集中砲火される。
ドォン!!
魔法使い
「なに!?」
高火力の魔法が押し返されて一人の魔法使いに目掛けて飛んで行った。ギリギリ交わしたはいいものの、状況が理解できていないようだ。
魔法使い
「(何が…何が起こった…?魔法が跳ね返ってきたのか…?)」
聖騎士
「お前…何をしたんだ…?(魔法を…撃ったように見えたが…)」
ディン
「魔法を撃ったんだよ」
魔法使い
「(我々が撃った魔法とは別の炎魔法だった…ということは跳ね返したのではなく、押し返した…?)」
ディン以外の全員が理解できていないこの状況。高火力の更に上の火力でないと、押し戻されることはありえないというのに。それが起こっている事実。
魔法使い
「お前、まさかフォルヴァール(魔法の国)の大魔法使いか?やけに魔法に詳しいようだったが」
ディン
「そう思っとけば?」
魔法使い
「なぜ今まで…これだけの魔法が使えるのに使わなかった?」
ディン
「人には人の事情があるんだよ。ボクだって好きに使えるなら最初から使ってる」
ディンがゆっくりと魔法使いたちのほうへ近づいて静かに呟いた。
ディン
「次は、身体に当てるよ」
金と紫が睨む。"身体に当てる"ということは"殺す"と言っているようなものだ。
ディンは鋭い眼光と左手の指先を魔法使いたちに向けた。
魔法使い
「……っ!魔法を撃…」
ディンが手を魔法使いたちに向けた。
キィィイイン!
黒色の魔法陣が展開される。
魔法使いたちが魔法を放つ前にものすごい勢いで列車に身体を叩きつけられた。
指が動かせないほどの強い力で押し付けられる。
魔法使い
「がぁ!?!?」
ディン
「無理に動こうとすると骨折れるよ。あと肺が潰れたりとかね」
コツコツ…列車にへばりついている魔法使いを無視して突き刺さっている細剣を拾いに行った。
魔法使い
「な…んで…」
ディン
「丸腰になったからって油断するのは良くないと思うなぁ。剣を使ってるからボクを剣士だと思ったみたいだけど」
ディンはゆっくりと細剣を腰に戻した。
不気味な笑みで魔法使いたちを見渡す。
普段は細剣を使っているけれど、魔法を使ったほうが圧倒的に強いのだ。
魔法使い
「あ…ありえない!ありえない!!魔法陣が展開される前に魔法が飛んでくるなんて…」
ディン
「そう見えただけだよ。魔法陣を組まないと魔法は撃てないからね」
魔法使い
「あの火力もおかしいだろ…!我々三人の魔法を一人で…??薬だって…使ったのに…!杖もなかったのに…」
ディン
「あはは!いいねぇ。たくさん考えて悩むといいよ。考えなしにそれが出来るならだけど」
聖騎士でさえ、ポカンとして状況がいまだに理解出来ていない様子だ。
ディン
「(思う存分、絶望するといいよ。君たちヒトが魔法でボクたちを超越することはないだろうから)」
このくらい心を折っておけば再犯しようとはあまりならないだろう…と横目で魔法使いたちを見て聖騎士の元へ向かった。
ディン
「おじさん立てる?ちゃんとこの人たち捕まえときなよ」
聖騎士
「あ、あぁ…。君は…一体…」
ディン
「………なーいしょ」
あざとく口元に指を立ててウインクを飛ばした。
ディンは後はよろしくといった様子で列車に戻るために空いた穴に飛び込んだ。
ロア
「あ、終わった?やりすぎないでねって言ったのに…」
ディン
「失礼だな。殺したりしてないよ」
ロア
「いや…天井人型でベキベキじゃん…」
ディン
「痛いと嫌でも学習するでしょ?もうこんなことするのやめよ〜ってさ。……にしても、君って器用だねロア」
ロア
「え〜なに急に」
ディン
「防御魔法しながら治癒魔法とか。すごいねぇ。素直に尊敬しちゃう」
ロア
「えぇ…めっちゃ褒めるじゃん…照れ照れしちゃうんだけど…」
ディン
「列車防御してくれてありがとね」
ロア
「いーえ。あ、そうだ、魔法使ってたけど体調は?大丈夫?」
ディン
「うん大丈夫。少し使っただけだし…」
ギィィイ…
ロア
「!列車が…!」
ディン
「急ブレーキしたり急発進したり忙しいね。やっぱり別のところに操作している人がいるっぽいな」
再び列車が動き出した。
車輪の音がどんどん速くなっていく。
ロア
「なんかスピードの上がり方、異常じゃない…?」
ディン
「……だね…。(このまま走り続けたら、どこかで衝突事故が起きるかも…)」
ディンは近くの窓から前方を確認した。
ディン
「……ロア、君はみんなところに戻って。ボクは列車の速度を落とす」
ロア
「え?でも…」
ディン
「大丈夫。そんなに魔法使ってないし、大丈夫…たぶん…きっと…おそらく…」
ロア
「めっちゃ不安がってるじゃん…」
ディン
「じゃあロアがやる?」
ロア
「僕がやったら加減ミスって列車ぺしゃんこにしちゃう」
ディン
「でしょ?最悪、ボクの魔法が切れたらなんとかして。さっき、後ろのほうから衝撃派が来たでしょ?大丈夫とは思うけどルーくんたちが心配だからさ。君だけ戻って」
ロア
「……わかった。無理しないでね」
ディン
「はぁい。ルーくんたちのことよろしくね。くれぐれも」
ロア
「ハイ」
再び発車した列車。ものすごいスピードで加速していく。
ディンは戦闘車両へ。ロアはルークたちのいる車両へ。
ディンたちは無事に降車できるのだろうか。
✳︎✳︎✳︎
【キャラクター紹介】
ディン
種族は魔神族。
ディンは普段は魔法ではなく細剣を使っている。
腰にぶら下げているだけでも戦闘避けや、だる絡みを避けられると言う理由で、小さい時から腰に下げているようだ。
本来はバリバリの魔法職で、高火力の魔法を撃つことができる。
力魔法(重力操作や引力操作)が得意。
複合魔法も得意で、魔法の放出速度がとても早い。
魔力エンジンに障害があるので、急に魔法が使えなくなったりするので護身用という意味でも細剣を使ってるようだ。
ロア
種族は魔神族。
ロアは防御魔法や治癒魔法など補助魔法が得意。
今回は複数人の乗客に防御魔法を多重展開させて守りながら、治癒魔法で回復させるというマルチタスクをしていた。
攻撃魔法のように派手さはないけど、補助魔法は魔力消費が激しく、術式が複雑なので高難易度。
魔力探知能力はディンよりも上。
ロアは魔力エンジンが二つあるので魔法と魔術を同時に使っても反動がないという特徴がある。
✳︎✳︎✳︎
【ワード紹介】
魔神族
狭間の世界出身の種族。現在は狭間の世界自体が滅んでいます。ディンたちは数少ない生き残りです。知力も高く、頭の回転が早いようです。
魔法を愛し、魔法に愛された種族で、魔法と魔術どちらも使える上、杖なしで高火力の魔法が撃てるのがスタンダード。
魔力エンジンという特有の器官があります。
魔神族にとっては心臓とほぼ同格の器官です。
魔力エンジンの回転方向を右にすると魔法。左にすると魔術に切り替わる仕組みのようです。
この魔力エンジンがあることで魔力効率や火力を底上げしており、人間族の魔法使いとは別格の強さを誇ります。
人間族の魔法使い
人間は魔法が使えるかは別として誰でも魔力を宿しており、生まれつき魔法が使えるか魔術が使えるか魔力質で決まっているようです。(魔法オンリーか魔術オンリーのどちらか)
杖などの媒介を通さないと安定した魔法や魔術が使えないようです。最大3系統の魔法が使えます。
魔力探知ができる人もいるが、魔神族の魔力は別物らしく、感知ができないようです。なので今回ディンが魔法が使えるとは思わなかった様子。
フォルヴァールという魔法使いが統治している国があります。
聖騎士
王都に属しており、胸部に所属している国のシンボルと色が刻まれています。共通として銀鋼鎧を装着してます。銀鋼鎧は見た目よりかなり軽く、魔法耐性がある特殊な作りになっているようです。
武器を主に使うが、多少魔法も使えます。
今回は一人、すぐに倒れてしまいましたが、新人の人だったようです。もう一人は魔法道具と魔法使いを相手にしながら粘っていたので弱いわけではないです。
第9話を読んでいただきましてありがとうございます。
ディンくんお疲れ様。左手お大事に。
ロアくんもお疲れ様。補助魔法のほうが攻撃魔法より大変なんだよね。頑張ってたね。




