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第九十三話

 金辺がスマホを見る。


「もう三時半だ朝になる。午前の講義がある奴もいるだろう?」


「うむ。金辺の言うように解散指示を出す頃合いだな」


 佳代子と金辺の言葉にドレッドが頷く。


「んじゃあ今日はルーキーも入部ってことで朝が来る前に解散っすね。午前の講義ある部員もいるし―――帰るっすか」


 真城の言葉に素子以外のメンバーが頷く。


「自主休講するじぇ。素子の家で女子会やるじぇ。ビール余ってるし、駅間のコンビに戻ってスイーツとつまみと肉買いたすじぇ」


「ダメだ。帰るぞ!」


 素子の悪ノリに金辺がぶっきらぼうに突っ込む。


「自主休講するじぇ」


「お前ねぇ、単位落としても魂喰らい倒してたから欠席分も含めて単位取らせてくれって言うんっすか?」


 真城が呆れ顔で素子に突っ込む。


「それは無理ゲーだじぇ。朝の講義の為にアパートに戻るじぇ!」


「うむ。皆も住んでいる住宅が大学の駅前であるここであろうし、帰ろう」


 佳代子がそう言って、メンバーと別れる。


「んじゃあ、俺も帰るッス」


 真城が佳代子と正反対の方向に歩いていく。


「そんじゃあ、もうアパート戻って、寝るじぇ! 一限にはしっかり出るから轍ゲーするじぇ!」


 言い終えた素子も真城と同じ方向に歩いていく。


「千明ちゃんの記憶にあった謎は解決できなままだけど、とりあえず朝がくるんだし、解散だね。私達の人々を守った上で訪れる朝だしね」


 時雨がそう言って、千明に天文部の部室の場所を口頭で教える。


「時雨。ありがとう―――明日入部届書いて、サークル棟に昼頃にでもよるわね」


 千明がスマホで場所をメモして、時雨に感謝する。


「じゃあ、またね」


 時雨が別れを告げて、隅で待っている佳代子と同じ方向に歩いていく。


「私も帰る」


 金辺がそう言って、真城や素子の家の方向に歩いていく。

 ドレッドと千明だけが駅前に残り―――。


「チアキ。まだ天文部に入部するかどうかは考えてくれ。―――それじゃあ、おやすみ」


「うん、でも入部するよ。サークル棟に入部届もってくるから―――」


「そうか―――待っている。それと自販機で当たりが出たから蜂蜜レモンジュース飲むか?」


 千明が頷いて、ドレッドから冷えた缶ジュースを受け取る。

 そのままドレッドも佳代子や時雨と同じ方向に歩いていく。

 千明がジュースのタブを開けて―――。

 ジュースを飲んで、アパートに戻っていく。

 その方角は真城と素子の歩く方向だった。



 千明がアパートに着き―――ドアを開ける頃には小鳥が泣き始めていた。

 すでに朝日が昇り始めていた。


(仮眠取って二限に出るかな。魂喰らい狩りの大学生達と私の赤い雨の夜を守り、事件を突き止めないとね)


 そう決意して、ドアを閉めて鍵をかける。




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