表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/148

第九十二話

 時雨が憂い顔で説明を始める。


「彼らは図書館の時も話したけど、触手で人の体に入って言語や知能を覚えて増殖するの。言葉が話せる魂喰らいがいるのはそのせいなんだ。あいつらは魂の大事な部分を持ち帰って、言語を覚えて人を襲う」


 時雨が簡単に説明し―――。


「言語を覚えたそいつらの一部を言葉で止めることや目的を魂喰らいから聞くことは出来ないの?」


 千明が質問すると合流したドレッドが横に入る。


「いや、出来ない。奴らは人を襲い続け、どこかでまるで人から奪い取った魂の欠片を誰かに渡すように赤い王冠の紋章の魔方陣を出して消えていく」


 ドレッドの言葉に千明が悔しそうな表情になる。


「今更ながら―――魂喰らいってのはどこから来るか分からないし、言葉は通じるのに話の通じない奴らね。んで、レガシーウエポンだけどなんでこんな武器が使えるの? 誰から教わったの?」


 千明がそう言うと―――。


「オレが無気力病になる前の先輩から教わった。儀式の後に先輩達は魂喰らいにやられた。理由も原理もなぜそうなるかも聞く余裕すら与えられなかった」


 ドレッドが険しい顔になり、そう答える。

 千明がそんなドレッドを見て―――。


「ごめん。その時のきつい思いを質問で思い出させてしまって―――」


 千明が気まずそうにドレッドを見て、話す。


「気にするな。その後に魂喰らいから守った適性のある時雨に説明して、今のみんなを儀式で使えるようにした。オレ一人ではなくみんなでこうして無気力病の被害を減らしている」


 ドレッドがそう言って、千明を切なそうに笑顔を見せる。

 千明がドキッとして、眼をそらす。


「そ、それで―――その後にメンバーを増やしてレガシーウエポンを使えるものが増えていったわけね」


 話題を少し変えて、千明が話し終える。

 満月の夜に天文部のメンバー六人が千明を見る。

 夜風が少し吹き――。

 時雨が千明に話す。


「千明ちゃん―――改めてなんだけど―――」


 天文部のメンバーの髪が夜風でたなびく。


「―――私達とこの赤い雨で起こる怪事件を解決しない?」


 言い終えた時雨と千明を見る天文部のメンバー。

 満月の夜に夜風が吹く中でメンバーが千明をそれぞれ見る。

 それは赤い雨の夜を、守り抜いた末に明日の朝を導く天文部の面々だった。

 どこか夜の幻想的な大学生6人に千明が黙りこむ。

 揺れる夜風の中で―――。


「わかったわ。入部する。そして朝の訪れと赤い雨の夜と事件を解決させるわ!」


 千明があらかじめ持っていた答えを出す。

 こうして千明は7人目となる。


「よかったー! 改めてよろしくね千明ちゃん!」


 時雨が千明の右手を両手で持つ。


「入部届出すから―――数日で記憶をなくす暗示解いてほしいわ」


 千明がそう言うと時雨が念じる。

 無言の中で時雨が赤い眼になり―――。

 千明がその目を見る。

 グラッと千明の視界が揺れて、千明が立ち眩みする。


「ごめん。そうしたいけど、入部届出すまでは暗示を解くなってドレッド君に言われているんだ。途中で消えないように暗示を延長させるようにはさっきしたよ」


 時雨が手を離して、千明に嬉々として話す。


「―――やれやれだわ。必ず部室に来るから入部届書いたら今度こそ暗示解いてね」


「うん、約束するよ」


 時雨が嬉しそうに弾んだ声で千明に話す。

 どうやら新しいメンバーが来たことに頼もしさと嬉しさを実感しているようだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ