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第九十話

 ウネウネと穴の中を動く触手に女子大生が小便を漏らしていく。

 そのまま触手が抜かれて、女子大生がはだけた服装で倒れ込む。

 羊の顔をした宙に浮く魂喰らいが触手を離す。

 ほとんど下着がボロボロになった裸に近い虚ろな目の女子大生が倒れ込み。

 羊の顔をした二匹の魂喰らいが鏡に顔を向ける。


「言語は覚えた。我らを冥界の儀式の閉鎖空間に戻せ」


 二匹の魂喰らいの内の一匹がそう鏡に告げる。


「わーてるよ。赤い雨の後だと一時間もお前らいられないもんな。次の赤い雨の時まで誰にも襲われない冥界とやらの空間に戻れよ」


 鏡がそう言って、念じる。

 左右に王冠の紋章の魔法陣が浮かび。

 二匹の魂喰らいがそれぞれ左右の魔法陣に宙に浮いて入っていく。

 二匹がいなくなると魔方陣も消滅した。


「さーてと、ついでに無気力病になった二人でも実物のナイフと包丁で殺しますかね?」


 鏡がそう言って、ショルダーバッグからナイフを取り出す。

 その時にサイレン音が鳴って鏡が舌打ちする。


「っち、赤い雨の後だからパトロール増やしてるな。しゃーない、グラサンかけてホテルにでも泊まり込みますかね」


 鏡がそう言って、二人の大学生のカバンや敗れた衣服から財布を取り出し―――。


「現金少ないなぁ。電子マネーの時代だもんなぁ。あいつに会って、紙幣増やしてもらうか―――」


 そう言って、高々と跳躍する。

 ビルの十階分の高さまで飛んだ鏡は―――。


「さーて、ぼやけて俺様の姿は見えないんだ。まだ増加させた金もあることだし―――このまま能力解除後に休むビジネスホテルまで飛びながら行きますかね!」


 そう空中で呟き。

 朝の近い夜の街をビルや屋根に着地しながら跳んでいく。

 ホテル街の細道にパトカーが止まる。

 残ったのはボロボロになった男子大学生と―――。

 無気力病の女子大生が破かれた服と下着で虚ろな目になり倒れ込むだけであった。

 パトカーを降りた警官たちが倒れ込んでいる大学生の二人を発見する。

 その後に署に警官が連絡を入れ始める。

 五人の内の二人の警官が救急車と刑事を呼び。

 三人の警官が二人の大学生に声を掛けつつ、現場の周囲を警戒する。



 ―――時間は戻り、赤い雨が止んで千明達が駅に合流した頃。

 駅の目と鼻の先にある人のいない深夜のバス停に着く。

 学生バスには門が閉じられ、その隣の市民バスも人がいない。

 無人の大学生達の無料バス停門前に天文部のメンバーが集まる。

 千明がいつかの灰色の景色になり、赤いヒビなどが浮き上がり現れた謎の子供の話をする。

 それをバス停前で6人に問う。


「色々聞きたいことがあるんだけど、横断歩道であたしが見たピンク色のショートボブの髪型で目が赤い色で光がない外見は黒のゴスロリの子供はなんなの? 貴方たち知っているんでしょ?」


 メンバーの前でドレッドが咳払いをして―――。


「それはオレ達も解らない。その時に時間が停止して、下に血のように赤いヒビなどがあったんだろう?」


 ドレッドがそう言うと千明が頷く。


「その後にその少女が言った言葉はあまり良くは覚えていなんだけど、二つの剣が現れたの―――時雨とドレッド君のレガシーウエポンにそっくりだったわ」


 メンバーが考え込み。

 ドレッドが少し間を置いて―――。


「オレとシグレがその二つの剣と共通してはいるが、他の情報も他のみんなと情報は共有しておこう。チアキ、暗示を解いた時の出来事を話してくれないか? 知っていたからオレ達が答える」


 そう冷静に言葉を返す。




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