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第八話

 雑踏の中の近づく死への孤独―――。

 人ごみの中で―――ピンク色のショートボブの髪型で目が赤い色で光がない少女というよりも幼女いる。

 幼女が千明を見透かすかのように見る。


「―――。―――っ。―――」


 幼女が何やら言葉を発しているようだが―――。

 血が流れて、五感が無くなりかける千明には聞こえない。

 幼女が言葉を終え―――。

 その後に幼女が背を向けて、そのまま人ごみに消えていく。

 消えた瞬間に―――。


「―――はっ!」


 千明が声を出せるようになり―――。

 胸には血の一滴もなく。

 誰も気にしない人ごみの中でコンビニ前に立っていた。


「今のは一体なんなの?」


 千明が建設中のビルを再び見上げる。

 屋上には人の気配も姿も無くなっていた。


「痛みもない。こんなことは初めてだわ。声も出せている」


 千明が胸を触って、血の出た場所を衣服越しに確認する。

 特に傷も血も無い。

 千明が気味悪がり、アルバイト先に早歩きになる。

 ビルの上には―――。

 黒い獣が数匹―――代わりに出る。

 獣が赤い眼で遠くに行く千明を見ていた。



 千明がアルバイト先のファミレスの裏の入り口に入る。

 千明のアルバイト先のファミレスは大型店舗で―――駅から少し離れているが人気がある。

 一階の書店と二階のレンタルDVDの建物の右横にファミレスがあり―――。

 駅方向とは反対側の床屋が左横にある場所を目印ににアルバイト先のファミレス店がある。

 千明がスタッフルームのタイムカード機に自分の名前の入ったカードを入れる。

 その後にカードをカード欄に入れ直し―――。

 更衣室に向かう。

 服を脱いで、下着姿で白い肌の胸を確認する。


「やっぱり傷跡も血もない。さっきのは夢にしては現実的だし、異常な状況だったわ」


 千明がぼそりとそう言って、ウェイトレスのミニスカートを履く。

 そのままシューズも履いて、上着も仕事着に着替える。

 ウェイトレスのカチューシャもつけ―――。


「あのビルは見ないことにするしかないわね。―――っさ、仕事もといアルバイト今日もやりますかね」


 両手を頬で軽くつねって、カバンや私服の入ったロッカーの鍵を閉める。

 千明は今日もアルバイト先のファミレスで仕事を遅くまで行う。

 空は曇っていき、小雨が降り始めていく―――。





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