第七十九話
大鎌を持った金辺がカブトムシの魂喰らいと中距離で戦闘する。
「味わえ!」
金辺が大鎌を上から振り下ろす。
鎌の長い刃先が棒から銀色の大きなチェーンと共に分離する。
「金辺は鎌の刃先をチェーン経由で鎖鎌みたいに遠距離に飛ばせるから便利だじぇ! 援護するじぇ!」
素子がそう言って、ライフルを次々と射撃していく。
カブトムシの魂喰らい弾丸を受けながらよろけていき。
金辺の手元から離れた大鎌の刃先がチェーンを操作し、まるで鎖鎌のように飛んでいく。
カブトムシの魂喰らいがツノごと鎌の刃先によって、真っ二つに斬らえれていく。
「ゴギャア! ゴオオオオオッ!」
魂喰らいが真っ二つにされ、電撃でも浴びたかのように痙攣する。
そのまま消滅していった。
金辺が精神力を削るように念じる。
チェーン経由で離れていった鎌の刃先が空中に浮かび。
そのまま元の鎌の刃先の設置してある部分まで戻っていく。
「金辺先輩。素子、周囲を警戒して欲しいっす。俺はこのこに暗示と治癒をかけるんで―――」
真城がそう言って、倒れ込んでいる女子大生の手を握る。
「貴方達なんなの? さっきの化け物の敵なの?」
質問攻めの女子大生を真城がガン無視して、治癒の呪文を唱える。
「冥界の儀により、この傷を元に戻らせよ―――我が治癒の力よ―――」
真城の全身から現れた青い光がボクサーグローブの中に集まる。
女子大生の右腕にグローブで触れて―――。
彼女の破けた服や下着が修復されていき―――。
やがて魂喰らいに襲われる前の元の服装に戻る。
「持ち物で落としたものとか無いっすか?」
真城がそう言って、事態を飲み込めない女子大生に話しかける。
女子大生が唖然としつつも思い出したかのように首を横に振る。
「そうっすか―――んじゃあ暗示かけるッスよ」
念じた真城が赤い眼を女子大生に向ける。
女子大生がその目を見て、瞳から輝きを失い―――立ち上がる。
「これで駅前まで歩いたら暗示が解けて、そのまま襲われる前の記憶に戻っるッス」
真城がそう呟いて、人形のように歩いていく女子大生の背中を見守る。
「今日は一匹だけか」
金辺がそう言って、赤い雨が止み始めたのを確認する。
「―――リボルト!」
金辺が念じてそう呪文を唱える。
握っていた大鎌が光の粒になり、上に蛍の光のように上がりながら消えていく。
「さっそくみんなと合流するじぇ! ―――リボルト!」
素子もそう言って、レガシーウエポンの解除の呪文を唱える。
持っていたライフルが光の粒になり―――消えていく。
「今回は俺の戦闘が無くて何よりっすね。通算六回も戦闘してると非日常への麻痺の感覚が出てくるから困りものっすね」
真城が半笑いして、二人に話す。
「早く解除しろ。ここいる理由がもうない」
金辺が相変わらずぶっきらぼうに真城に告げる。
「うっす! ―――リボルト!」
真城がレガシーウエポンの解除の呪文を唱え―――。
両手のボクサーグローブが光の粒になり、素手の状態に戻っていく。
赤い雨が完全に止み。
赤い眼の三人は念じて、目を黒めに戻す。




