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第七十七話

 女子大生がスマホを動かしていた。

 途端に黙り込んだ色黒の男が三白眼の男の取り上げたスマホを取り返す。


「っち! 俺らが悪役かよ! バカじゃねぇの! カッコつけてんじゃねーよ! クソひり出す豚共が!」


 色黒の男が捨て台詞を吐いて、軽薄そうな男と一緒に早歩きで去っていく。

 三白眼の男が女子大生にニヤッと笑って、話す。


「あんな奴らでも赤い眼の降る夜に俺らが守らなきゃいけないのが天文部の辛いとこっすね。そうは思わないっすか―――金辺先輩?」


「真城。あのままだと私が暗示を使うとでも?」


 金辺と呼ばれた女子大生がぶっきらぼうに話す。

 真城と呼ばれた三白眼の後輩の大学生がクックックッと声を殺して面白そうに笑う。


「そんなことする人じゃないって信じてるっすよ。ただああいう手合いは適当に切り返して、迷惑なら女の子らしく助けを呼ぶのがベターっすよ?」


 真城がそう言って、金辺の横に立つ。


「スタンガンで黙らせるだけだ。素子は?」


 金辺がスマホを見ながらぶっきらぼうに返す。


「えげつな。素子はいつものゲーセンにいるっすよ。あいつ、まだ格ゲーやってんじゃないっすか? もう閉店になってるだろうから、そろそろ来る頃っすよ? ってか―――」


 真城が話しながら金辺の反対側の道を見て、笑う。


「もう来たみたいっすね。俺と同い年で参入の早い素子が来ましたね」


 真城がそう言い終えると―――。

 金辺が真城と同じ方向を見る。


「二人ともお待たせしたじぇ!」


 手を振ってやってきた一年生の女子大生が嬉々としてやってくる。


「素子。遅いぞ!」


 金辺がエアインテークのセミロングヘアーの髪型の女子大生に話す。


「そんなこと言うなじぇ。 赤い雨が降る前にゲーセンで遅くまで居る子を対戦で負かして早く帰らせたんたじぇ!」


 素子が幼さを見せる少女漫画のようなうるるんとした目で子供っぽく話す。

 真城が呆れ顔で半笑いする。


「お前ねぇ―――どうせゲーセンで遊びたいからその辺の男子大学生に適当にそんなこと言って、クレジットの百円玉を溶かさせまくってたんだろ?」


「真城、そんなことはしてないじぇ! 今日は舐めプも連コインもさせないようにガチプレイで沈めてきたから帰るの早かったじぇ?」


 素子が八重歯を見せて、はにかむように笑顔を見せる。


「そりゃまた無慈悲なことしてくれたもんで―――さてとそれじゃあ、金辺先輩。そろそろドレッドの指示した場所に向かうべきじゃないっすか?」


 真城がそう言って、スマホのメッセージ欄を見る。

 ドレッドからメッセージで指定の場所まで巡回ルートを指示した書き込みが残る。


「今日は細道に現れると時雨が言っていた。念じるぞ!」


 金辺がそう言って、目を閉じる。

 赤い雨がポツポツっと降り始め―――。

 人のいないシャッターばかりの店が並ぶ細道で三人が目を閉じる。

 それぞれが念じて、目を開く。

 三人の目が赤く染まる。


「―――んじゃあ行くッスか?」


「今日は三番街の細道だ。行くぞ!」


「赤い雨も降ったことだし、指定のルートをパトロールするじぇ!」


 三人がやり取りを終えて、細道を歩いていく。

 警官がパトロールをする中で―――。

 赤い雨の降る中、シャッター街となった駅から離れた商店街を歩く。





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