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第七十六話

 赤い雨が降り始める前の時間に戻り―――。

 場所は千明がアルバイトをしている駅の場所。

 深夜で駅前で警察たちが市民誘導を始めて、人が減っていく中で―――。

 駅前で男子大学生が一人の女子大生に話しかけていた。

 軽薄そうな大学生の男が金髪に染めているジト目で美肌で白い肌の女子大生に一方的に話す。


「ねぇ、君。同じ大学の学生だよね? 自由科目の講義で君の横顔撮影してたやつが君のこと気になっててさ~」


「……」


 絡まれているのか、女子大生が下衆を見るような眼で二人の男を無言で見る。

 もう片方の肌の黒い細めのやや筋肉質な不良っぽい半端そうな男が大きい声を出して話す。


「自分のことお高く留まってるだろうけど、俺らと同等ってこと自覚しろよな。声かけてやってんだから頷いてりゃいんだよ」


「……消えろ」


 女子大生がぶっきらぼうに話すと二人の男が苛立ち顔になる。


「はぁ? 潔癖ぶんなよ。お前んとこのバイト先しってんだよねー。クレーム入れて首にされたくないなら俺らと遊べよ。今すぐ!」


 色黒の男がずいッと前に出る。


「臭い息と肌を近づけるな。汚物が!」


 女子大生がいら正し気に短くそう言う。

 軽薄そうな男子大学生がハッと笑う。


「深夜の駅の外れのこんな人の少ない場所でさ。暇そうに立ってたから声かけてんのにそういうこという訳ぇ? 男がほしくてほしくてたまらないって顔してんぜ?」


「流石、ベイちゃん! ナンパ師のレーダー光ってるじゃん! 決めセリフ言って、このメス豚をテイクアウトしようぜ! ラグビー部の軍畑先輩達にマワされてたって、噂のテニス部のあのロリ顔系の後輩ちゃんに見たいによぉ! 俺らも新型ヒロイン獲得にやっちゃうよ~? モブの維持で主人公風格見せて、やっちゃうよぉ~ん?」


 軽薄そうな男の言葉に色黒の男がややテンポが遅れて、漫才を始める。

 女子大生が二人の男子大学生に道を塞がれて、ジト目で睨みつける。

 男たちが気にせずに一方的に話しかける。


「このままだと赤い雨が降りそうな天気だしさ。優等生ぶったつまらないおりこうさんになるより、面白い馬鹿っとムードに流されるのはどっちがキャンパスライフが幸せかわかるっしょ?」


 軽薄そうな男が右側を塞いで女子大生の手を触ろうとする。


「一番退屈なのはつまらない馬鹿だ。つまり―――お前らだよ」


 女子大生がそう言って、カバンで男子大学生の手を触らずに角でぶつける。


「いってぇ! おいゴラァ! どうせバイト感覚で風俗でやってんだろ?」


「ベイちゃん怒らせるとか、お前―――俺らに全面戦争勃発系女子なわけ? 警察も来てねぇし、美濃囲い―――じゃなくて身の隠れにホテルまで連行しようぜ! おい―――来いよ」


 二人の男子大学生が女子大生の両腕を触ろうとする。


「……」


 女子大生が躱すようにサッと避ける。

 気付けば塞いでいたスペースから抜け道を抜けるように女子大生が移動していた。


「何だ今の? 少年漫画にあった瞬歩か!?」


 軽薄そうな男が声を出して驚く。


「回避コマンドの噂のひらめきってやつじゃねーか? ってかベイちゃん、俺が今からスマホで配信っすから服脱がせろ。中国系と日本のアングラ系動画に投稿して、辱めようぜ!」


 色黒のギャル髪の男がスマホを取り出す。

 その時に―――。


「君たち、もう帰った方が良いっすよ」


 色黒の男の後ろから声が聞こえ―――。

 男の撮影モードのスマホを取り上げる。

 三白眼の男子大学生が取り上げたスマホを片手に男子大学生二人を笑うように見る。


「なんだよ! てめぇ、返せよ! 警察に言うぞコラァ!」


 色黒の男がデカい声で睨みつける。


「さっきまでのやり取り―――俺が一部始終撮影したんすけどね。これ、警察に証拠動画として送り付けても良いっすか? 退学になってもいいんなら、明るい未来にさせますよ―――ええ? 先輩方?」


 三白眼の男が愉快そうに話す。

 女子大生がその男を知っているのか呆れ顔になる。


「返せ! 動画も消せ。おい行くぞ―――渡辺」


 軽薄そうな男が舌打ちして、女子大生から離れる。


「ベイちゃん、待ってよ。それとクソガキ、スマホ返せ」


 色黒の男が慌てて、三白眼の年下の大学生に怒鳴るように声を出す。


「良いっすけど、ああ、返した後で暴力に出ても後ろのお嬢さんが今から通報する見たいっすね?」


 三白眼の茶髪ショートのツーブロックの髪型の男がそう言って、顎で色黒の男に視線を動かすように指示する。




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